聴いてみた 第57回 ジャクソン・ブラウン
東洋一貧相なBLOGを始めて5年たちましたが、未だに音楽の幅は広がりを見せることもなく、何の進歩もしていないSYUNJIです。
そんなあたしが今回聴いてみたのはジャクソン・ブラウン。
我ながら非常に意外なチョイスです。
93年のアルバム「I'm Alive」を聴いてみました。
出会い系ブロガーとして全国にその名を知られたぷく先輩より直々に戴いたもので、ジャクソン・ブラウンのアルバムを聴くのはもちろん初めてである。
ぷく先輩は東海地区有数のCDコレクターとしても有名だが、いくつかの盤を処分するにあたり、BLOGで引き取り手を公募していた。
なぜ処分を決意するに至ったのかはナゾだが、対象となったCDの中で、自分が興味があったのはジャクソン・ブラウンとアース・ウィンド&ファイアーだった。(いずれも全然聴いてない)
早速希望を提示し、快くお譲りいただいた次第である。
繊細なメロディと情感あふれる歌詞とボーカルが魅力と言われるジャクソン・ブラウン。
果たして自分のような鈍感なオトコにはどのように聞こえるのでしょうか。
・・・・・聴いてみた。
1. I'm Alive
アルバムタイトルにもなっている1曲目、メロディ自体は決してハードではないが、ギターのサウンドが思ったよりよく聞こえ、ソリッドな印象。
太くないジャクソンのボーカルとマッチしている。
2. My Problem Is You
ピアノで彩られたレゲエ風リズム。
「生きていくのはそう問題じゃない。オレにとっての問題はオマエだ」という、ややゆがんだ心情を歌ったラブソングらしい。
この感じは「誰かが彼女を見つめている」に近いように思う。
まあそもそも3曲しか聴いてなかったんで、あまりアテにならない意見ですが・・・
3. Everywhere I Go
これもゆるいレゲエ調のリズム。
明るい曲調がなんだか楽しい雰囲気だ。
4. I'll Do Anything
やや訴えかけるような、情感のあるボーカルである。
これがこの人の魅力でもあるのだろう。
絶叫と訳すのは妥当ではないが、ジャクソン・ブラウン流シャウトがところどころに聴ける。
「何でもします」と連呼する切実なラブソングである。
5. Miles Away
ここまでの曲調とは少し違った、やや辛口なイメージ。
ジャクソンのボーカルもどこか投げやりな感じだ。
6. Too Many Angels
はかなげな調べ、寂しげな歌声。
この曲にはかなり厚めにコーラスが当てられている。
好みから言うと、やはり楽しげな曲調のほうがいい。
ジャクソンのボーカルは音量に思ったよりメリハリがある。
そういうアレンジなのかもしれないが、マイクと顔との距離をけっこう変えながら歌っているのではないだろうか?
7. Take This Rain
静かな滑り出しだが全体は案外タイトなリズムである。
明るくはないのが微妙なのだが・・・
つかみどころがないまま終わってしまった。
8. Two of Me, Two of You
これも静かなイントロから始まるが、調子はそのまま変わらないバラードである。
どうやらこの路線がジャクソン・ブラウンの得意とするところのようだ。
9. Sky Blue and Black
この曲も静かなバラードだが、音に壮大な広がりがある。
非常にかすかな記憶なのだが、このメロディには聞き覚えがある。
どこかで聞いたことがあるようだ。
10. All Good Things
最後に来て再び明るめの曲調。
サビはメロディアスなギターが聴けて、ウエスト・コーストなサウンドである。
予想を裏切ることなく、じゃら~んとギターが鳴ってエンディング。
これまでシリーズの中で聴いてみた音楽の、どれとも違う。
もちろんハード・ロックではないしプログレでもカントリーでもないのだが、こういう音楽も今まで自分が全然聴いてこなかったということがよくわかる。
このアルバムは長いつきあいだった恋人ダリル・ハンナとの別れを歌った内容だそうだ。
10曲全てがその話を元に作られているらしい。
でも「いやーひでえ女だった」「別れてせいせいした」という曲は全くないようで、意地悪な言い方をすれば「別れはしたが相当未練はある」ような感じだ。
心に深い傷を負ったにも関わらず、おだやかに、極めておだやかに進むジャクソンのボーカル。
闇をつんざくようなギターもクスリっぽいドラムも、ジャクソン・ブラウンには不要である。
「別れた!つらい!きぃー!!」というような展開にはならないらしい。
世の中にはこういうおだやかな音楽もあるのですね。
こういったおだやかなシンガーの場合、ところどころ危なっかしかったり痛かったりするもんだが、このアルバムにはそういう部分は全くない。
そういう評価がされてるのかどうか知らないが、ジャクソン・ブラウンの歌唱力は非常にカタイものがあると感じる。
ジャクソンの曲の中では「フォー・アメリカ」がやはり一番好きなのだが、このアルバムにはそこまでのスピード感はないようである。
雰囲気としては正直退屈な感覚もゼロではないのだが、たまにはこういう柔らかい音楽も聴いてみてもいいかもしれない。
ジャケットは水面から出てきたジャクソンの顔がモノクロで大写しになっている。
楽しい内容じゃないから表情ももの悲しいし、残念ながら見ていて「いいな」と思うジャケットではない。
テーマが別れというのはわかるが、そこをあえて逆を行くような楽しい絵柄だったり全く関係ないものを載せてみたり、という感じで凝ってみたほうがよかったんじゃないかなぁ。
顔ジャケットは珍しくもなんともないし、だったらもう少しスナップっぽい写真使うとか、アートとして機能する絵がほしかったところである。
そんなわけで、初めてまともに聴いてみましたジャクソン・ブラウン。
陳腐な表現ですが、「オトナの雰囲気」という感じがしました。
年齢だけはすっかり中年のあたしですが、こういう音楽も聴けるようなオトナであったほうがいろいろいいんだろうな・・・と思わせる、そんな音楽でした。
ぷく先輩、ありがとうございました。
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コメント
SYUNJIさん、こんばんは。
ジャクソン・ブラウンですが、手元に名盤が3枚、
ベスト盤が1枚あります。が、正直なところ、
あまり聞き込んでいません。
同じウェストコーストのグレン・フライと仲がよく、
西海岸人脈の参加もあるというのに、なぜか敷居が
高い。私にとってはそんなミュージシャンです。
おそらく、「孤独のランナー」や「テイク・イット・
イージー」みたいな曲ばかりなら言うことなしなんで
しょうが、
>>ここまでの曲調とは少し違った、やや辛口なイメージ
とか、
>>はかなげな調べ、寂しげな歌声。
などが苦手なのだと思います。こういう曲は
イーグルスにもたくさんあるのですが、なぜかジャクソン・
ブラウンの方が厳しく聞こえてしますのです。
ですが、SYUNJIさんも聴かれたことですので、
改めて「レイト・フォー・ザ・スカイ」と「プリ
テンダー」を聴き直そうと思っています。
投稿: モンスリー | 2008.12.14 16:45
こんにちは。名前の連呼、ありがとうございます。
>なぜ処分を決意するに至ったのかはナゾだが、
好きではないアルバムなので。(爆)モンスリーさんのおっしゃるように初期の5枚目までが彼のベストです。
機会があったらぜひ聞いてください。
投稿: ぷくちゃん | 2008.12.15 05:21
モンスリーさん、コメント感謝です。
>同じウェストコーストのグレン・フライと仲がよく、西海岸人脈の参加もあるというのに、なぜか敷居が高い。
聴いてみても敷居は決して低くはなかったですが・・
「孤独のランナー」も聴いてませんので・・
まあ自分の場合西海岸にも全然詳しくないですけど。
>改めて「レイト・フォー・ザ・スカイ」と「プリテンダー」を聴き直そうと思っています。
これらが名盤ですね?
なぜかシブイ盤から聴くことになってしまいましたんで、このあたりも試さねばいかんと思ったりしています。
ぷく先輩ぷく先輩、コメント感謝です。(連呼)
>好きではないアルバムなので。(爆)
きぃー!!好きでもないアルバムをあたしに・・(安芝居)
先輩の終了宣言は残念ですが、これからも末永くご指導下さい・・(←案外面倒なヤツ)
いつの日か「ウルトラのんびり男」の続きが読めることを祈っております。
投稿: SYUNJI | 2008.12.17 22:42
初めまして。よろしくお願い致します。
音楽とくにギター、バンド大好きです。
音楽you tubeはよく見てます。
ひょいなことから ブラウンを聴いてはまってしまいました。
イーグルスはよく聴いてます。
うなずけますね。
系統が似てますし、曲の提供者だし。・・・・
たくさん外国にはシンガーソングライターはいますけど
あまり のめり込むことはなくヒット曲位は…と う程度に洋楽好きです。
ブラウンの音楽性・ナチュラル・素朴さ・派手さはないけどサウンド音作りは最高ですね
今は 曲感ではまってますがこれから 詩に入っていこう と思います。
音楽のこといろいろ教えて頂ければ幸いです。
投稿: シンシア | 2015.06.21 17:43
シンシアさん、はじめまして。
こんな昔の記事にコメントありがとうございます。
>ブラウンの音楽性・ナチュラル・素朴さ・派手さはないけどサウンド音作りは最高ですね
そうですね、確かに派手さはないけどいい音楽だと思います。
ただ自分にはやや高尚すぎた感もあり、これ以降ジャクソン・ブラウンは全然聴いておりません・・
>音楽のこといろいろ教えて頂ければ幸いです。
すいません、こちらから教えるようなものは何もございません・・
なにしろ「聴いてない」ことを延々11年半も書き続けてる愚かなBLOGなので、むしろ他のアーチストについても教えていただけたらと思います。
投稿: SYUNJI | 2015.06.23 22:47