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読んでみた 第28回 エアライン

雑誌を読んではつぶす、業界の疫病神のSYUNJIといいます。
今回はまたコアな趣味系雑誌に舵を切ってみました。
月刊「エアライン」。
国内外の民間航空業界の動きを紹介する、総合航空雑誌である。

オトコの場合子供の頃に乗り物に夢中になるのはわりとふつうの話だと思うが、自分の場合なぜか鉄道にはあまり興味がわかなかった。
興味があったのはやはりクルマだ。
小学生の頃、スーパーカーブームだったこともあり、友人のほとんどは鉄道よりもクルマだったように思う。
近所にランボルギーニ・ウラッコに乗ってる医学生がいて、一度だけ友達のマコトくんといっしょに乗せてもらったことがあり、翌日からしばらくはマコトくんと二人で学校中のヒーローだった。

で、クルマほど夢中ではなかったが、好きだった乗り物が飛行機である。
やはり他の乗り物に比べ高級感やイベント性が高く、乗る前の段取りとか空港の風景とか、独特の雰囲気が気に入っていたのだろう。
機体の写真を撮ったりプラモデルを買ったりというところまでは行かなかったが、今でも飛行機に乗ると子供のようにわくわくするのだ。

そんなクソガキが中年となって初めて読んでみた航空専門雑誌「エアライン」。
存在は知っていたが、手に取ることも初めてである。
ロゴは英字で「AIRLINE」だが、書名としては「エアライン」でいいようだ。
版元は航空情報に強いイカロス出版
読んでみたのは1月号、判型 はAB判、160ページくらい、1300円。
航空という分野にはもうひとつミリタリー系情報もあるが、この雑誌には自衛隊や各国の空軍情報は一切なく、あくまで民間旅客及び貨物航空情報に限定して掲載している。

Airline

決して嫌いではない飛行機の世界。
果たしてあたしはこの雑誌でココロにマイルを貯めることができるのでしょうか。(意味不明)

・・・・・読んでみた。

今月号の目次はこんな感じである。

● 「最新鋭ボーイング787最新レポート」
 現状報告・787プロジェクト/787はここが違う/誕生までの航跡
 767、777、A320、A380開発経緯回顧/今後が気になる次世代フリート
●「デジカメの限界に挑戦!ヒコーキ撮影にハマる!」
 超望遠撮影、超高感度撮影/ヒコーキの撮り方教えます!
●エンブラエル170日本到着
●JAL,ANA自社養成パイロット募集中
●エアポート探訪問記 旭川空港
●映画「ハッピーフライト」 世界初!機内試写会の旅
●別冊付録 旅客機カレンダー2009

巻頭の特集記事は「最新鋭ボーイング787最新レポート」。
機体や新機能の紹介だけかと思いきや、どうもそれだけではないらしいのだ。
ボーイング787ってのは同社の新作機らしいが、航空会社への納入(デリバリーと言うそうだ)が予定よりも大幅に遅れているとのこと。
はっきり言って飛行機に興味のない人にとってはどうでもいい情報なのだが、このデリバリー遅れ話は日経産業新聞にも載っていたので、業界では結構な騒動になっているようだ。
世界中の航空会社がデリバリーを待っていて、その数は900機くらい。
で、記事はその遅れ話を巻頭で延々と伝えてるのだが、やはり専門用語が多く、正直あまりアタマに入って来ない。

「デジカメの限界に挑戦!ヒコーキ撮影にハマる!」 という記事は、思ったよりも初心者向けでわかりやすい解説がついている。
どんな乗り物でもそうだが、動いている時の躍動感や機体の質感などを情感込めて表現するには、ある程度技術が必要なわけで、記事はそこを紹介している。
確かにプロが撮る飛行機写真は臨場感にあふれていて見事である。
飛行機の写真を撮るという行為は、他の乗り物にもある話なのでまあ理解はできる。
珍しい機種を求めて各地(世界も?)の空港に出没してはカメラに納めるという、えらく資金のいりそうな趣味を持つ人が少なからずいるそうだ。
カネと時間があったらやってみたい気もするけど・・・

やはりというかさすがと思わせたのは、下地島空港に降りる飛行機の写真が掲載されているところだ。
この空港、沖縄県の宮古島のとなりの島にあるのだが、民間定期便がないため一般人が旅客目的で利用することはない。
じゃあ何のための飛行場かというと、パイロットの訓練用である。
空港周辺に建物などがほとんどなく、島や海の絶景をバックに飛行機を撮影できるというスゴイ場所なのである。
今回はルーク・オザワ氏というプロカメラマンによる写真が掲載されており、どれも非常に美しい。
島自体は一般人でも行けるはずなので、いつか行ってみたいと思っている。

この雑誌ならではの記事が「飛行機王国」という、国内外の各空港で各社の機体を紹介するページである。
国際篇と国内篇があるが、国内のほうが記事のテンションが少しおかしい。
素人には全然わからないが、おそらく珍しい機体が珍しい空港に登場しているのだろう、「うっそぉ?」「いいね、いいね」などといった軽い調子の見出しがページのそこかしこに散りばめられている。
「エアチャイナのA330-200ってあまり見かけませんよね?」とか、「あの737-200が県営名古屋空港にやってきた」とか、そう言われましても手前どもにはなんのことやらわかりかねますが・・・と言いたくなるような、妙になれなれしい問いかけ口調の見出しが多い。

記事はもちろん旅客機の機体が主体だが、空港も当然守備範囲で、「富士山静岡空港、開港を延期」「現代の空港を考える」など、やや社会派な文章もある。
富士山静岡空港は滑走路予定地の延長にある立木の伐採において地権者の同意が得られず、飛行機の進入角度に影響が出たため開港を延期したとのこと。
空港を作る理由はいろいろだろうが、開港しても定期便が飛ばず結局閉鎖同然となってるところもあったりして、難しい問題だ。
高速道路なんかもそうだが、作る前での利用客数見込みはどこの自治体でもだいたい大甘な数字で、作っちゃった後で大騒ぎになったりするのである。

さて月刊エアライン、全般的な編集スタイルは実はかなり古風である。
ちょっと驚いたのは読者欄に飛行機イラストの投稿があったり、マニアと思われる人の「情報を交換しましょう」などといったお友達募集コーナーがある点だ。
ネット全盛の時代にあっても、こうして雑誌媒体でイラストを送ったりお友達を募集してるという、なんだかとても懐かしい昭和風な紙面作りなのである。
今月号は正月号なので付録に飛行機カレンダーがついている。
こういうところもどこか昭和の学習雑誌や「りぼん」を思わせるようなノリで、案外悪くない。

ページデザインも雑誌全体としての統一感はあまりなく、ページごとに文字の書体や級数も変えてある。
割合としてはやや明朝体を使ったページが多いようだ。
内容が専門的な文章が多いので、誤字脱字などを見つけることは非常に難しい。

ビジュアルに見せることにチカラを注いでいる雑誌なので、写真はどれもきれいである。
紙も当然写真掲載を意識したコート紙を使っているので、雑誌自体やや重い。
広告は思ったよりも少ないのだが、飛行機模型やスッチー(死語)のフィギュアなんてのもあったりする。
でもそのほとんどがやっぱりモノクロページなので、印象はやはり昭和なテイストが充満してる感じ。
ブランド靴とか化粧品の広告は全くない。
表4(裏表紙)は飛行機模型の広告だが、表2(表紙をめくった裏)はなんと桜美林大学の広告である。
なんで航空雑誌に大学広告が?と思ったら、この大学には「フライト・オペレーションコース」というパイロット養成学科があるそうだ。

というわけで、初めて読んでみました月刊「エアライン」。
飛行機や空港は好きですけど、さすがに専門的なページはハードルが高く、ほとんど理解できませんでした。
価格も通常は1200円だそうですが、それでもちょっと高いと感じました。
そんなんで高いと思う貧乏人は飛行機に乗る資格もないのかもしれませんが・・
むしろカネがなくて飛行機にも乗れないような時にこそ、こういう雑誌で美しい飛行機や空港の風景写真で楽しむ、というのもアリかなと思います。

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コメント

今年とても出張が多かったgetsmart0086です。

先程数えてみたら、なんと70回も飛行機に乗ってました。過去最高です。おかげでマイルが随分たまりました。その反面、体はクタクタです。飛行機は乗り慣れていても、振動や大きな音から体にストレスがかかっているので、やはり疲れます。

さて、こんなマニア雑誌、全く知りませんでした。戦闘機のマニアがいるのは分かるのですが、商用機のために雑誌を買うほどのマニアがいるなんて。おそるべしですね。

そういえば、僕の元上司も商用機にやたら詳しい人で、飛行場で型式をスラスラ言ってました。いとこが航空管制官らしく、そんな関係もあり詳しいようです。ひよっとして、この雑誌を読んでいるかも知れません。

マニアと言えば、僕の知人の知人(全然知らない人)に、火葬場マニアがいるらしいのですが、人とは色んな物に惹かれるんですね。その火葬場マニアの人は、煙突から出ていく煙に、人生の儚さを感じるようです。そして、出張の度に、全国の火葬場を訪れているようです。

投稿: getsmart0086 | 2008.12.27 20:37

getsmart0086さん、コメント感謝です。

>先程数えてみたら、なんと70回も飛行機に乗ってました。

げぇー本当ですか??
週に1回以上搭乗してる計算になりますね。
芸能人のようだ・・
あたしは今年は仕事で羽田-松山、旅行で羽田-石垣、羽田-高松、の往復くらいですね。
国際線はもう10年以上乗ってないなぁ。

>商用機のために雑誌を買うほどのマニアがいるなんて。

まあモノの数だけマニアがいる世の中ですから、商用航空マニアはそれほど珍しい存在でもないかもしれません。
この版元は昔から航空系書籍を多く出版してるんですけど、パラグライダー専門誌まで出してるのには驚きました。

>僕の知人の知人(全然知らない人)に、火葬場マニアがいるらしいのですが

これにはあたしも驚きました・・
さすがに初めて聞くマニアですね。
葬式が好きってヤツはいたような気がしますけど・・
ウチの会社には「鉄塔」マニアがいます。
送電線の鉄塔などに様式美を感じ、全国の山奥にでかけて写真撮ったりしてるようです。

投稿: SYUNJI | 2008.12.27 21:40

>げぇー本当ですか??
週に1回以上搭乗してる計算になりますね。

誤解です。往復で言うと、35往復ですので、月に3回程度です。

新幹線で出張することもありますので、週に一度は出張していたと思います。なので、来年はもう少しゆっくりしたいです。

では、良いお年を。

投稿: getsmart0086 | 2008.12.27 22:28

getsmart0086さん、再びコメント感謝です。

>往復で言うと、35往復ですので、月に3回程度です。

あ、そうでしたか。
いやーそれでも35往復は多いですねぇ。
場所もあちこち、でしょうか?
自分は今年3往復ですが、ここ数年では多いほうですね。
1年間全く乗らない年もあります。

>新幹線で出張することもありますので、週に一度は出張していたと思います。

それはやはり多いですね。
そういえば今年は新幹線に一度も乗っていない・・どうでもいいけど。
かなり昔ですが、やたら名古屋に出張していた年があり、年間の出張旅費が100万円を超えたことがあります。

出張で東京・横浜方面にお越しの際はご連絡下さい。
ゲッツさんもよいお年を。

投稿: SYUNJI | 2008.12.28 17:18

ウルトラぷくちゃんを密かに某所で書いているぷく先輩です。(←自分で言うな!&嘘)

それにしてもゲッツの出張癖はすごいですね。(癖ではないだろう!by ゲッツ)私も自分としては珍しく出張が多かったのですが、一人で泊まるのは嫌いなので、福岡をのぞいて全て日帰りで帰ってきました。

おまけに飛行機にも乗ったことがない・・・・

さて、今年もいろいろお世話になりました。来年も絡むところは絡みますのでよろしくお願いいたします。

はっ!雑誌について触れていない・・・・

投稿: ぷくちゃん | 2008.12.29 05:09

ぷく先輩、ウルトラぷくちゃん開始おめでとうございます。(強行採決)

>一人で泊まるのは嫌いなので、福岡をのぞいて全て日帰りで帰ってきました。

そのうち先輩から「一緒に泊まろう」というお誘いが携帯に入りそうな気がしますが・・

>おまけに飛行機にも乗ったことがない・・・・

え、そうなんですか?
では富士山静岡空港開港一番機で那覇あたりいかがでしょうか?
先ほど公式サイトを見たら開港は2009年6月だそうです。
実際は富士山からかなり距離がありそうなところですけど・・

投稿: SYUNJI | 2008.12.29 18:24

SYUNJIさん、こんばんは。
私の場合、鉄道は好きで近所の国鉄の踏切に
見に行ったり写真を撮ったりしましたが、
航空機はあまり興味がありませんでした。
ちなみにスーパーカーブームの時は小4でしたので、
どっぷりとはまりました。

さて、今回も思いっきり業界&マニアックな雑誌の
紹介をありがとうございます。

>>版元は航空情報に強いイカロス出版。

イカロス(イカルスとも言いましたでしょうか?)とは、
ギリシア神話の「空飛ぶ神」のようですね。航空雑誌の
出版社にふさわしい社名です。

その社名に負けず劣らず、内容も相当マニアックで、
一般読者はほったらかし&最初からアウトオブ眼中
のようですね。

>>「エアチャイナのA330-200ってあまり見かけませんよね?」
>>「あの737-200が県営名古屋空港にやってきた」

航空ファン、それも民間旅客機ファンというのはこういう
のがわかるというのがすごいです。
私など、ちょっとマニアックな音楽雑誌、たとえば、
「ビートルズのマトリクス番号○×の音質は」
「クリムゾンの宮殿のピンクiランド盤は」
と来ると、もう音を上げてしまいます。

投稿: モンスリー | 2008.12.29 18:39

モンスリーさん、コメント感謝です。

>ちなみにスーパーカーブームの時は小4でしたので、どっぷりとはまりました。

おっとそうでしたか!
あたしはウラッコに乗ったことがあるんですよ!(←小学生並みの自慢を中年になってもしている)
ブーム当時横浜にガキどもの「聖地」とも言うべきシーサイドモータースというスーパーカー専門ディーラーがあり、行って写真を撮ってきたことを自慢するヤツもいました。

ネットでシーサイドモータースを検索していたら、関係者が作ったサイトを見つけました。
けっこうおもしろいことが書いてあります。
http://www.castel-dino.com/saside%20story%20index.html

さてイカロス出版。

>航空雑誌の出版社にふさわしい社名です。

そうですね。
ただギリシャ神話ではイカロスは太陽に近づき過ぎて翼が溶けて海に落ちたという話もあるんですけど・・この版元はそういうことは気にならなかったんだろうか・・

>内容も相当マニアックで、一般読者はほったらかし&最初からアウトオブ眼中のようですね。

まーそうですねぇ。
以前「天文ガイド」を読んだ時もそうでしたけど、趣味系雑誌はだいたいそんな感じですね。
あまり素人っぽい記事ばかりだと、マニアの方から支持されなくなるんでしょうね。
飛行機も「子供の頃から好きだった」人が多いようで、大人になってから目覚めるという人はあまりいないのではないかと思います。

>「ビートルズのマトリクス番号○×の音質は」
>「クリムゾンの宮殿のピンクiランド盤は」

すいません、どっちも何をおっしゃっているのか全然わかりません・・・

投稿: SYUNJI | 2008.12.30 10:14

たまに「鉄道ジャーナル」を買うルドルフと申します。といっても、電車好きの子供のためにブ○ク○フで叩き売りしているのを買うだけですが。

さて、「月刊エアライン」。私、この雑誌の存在は知っていました。というのも、東京・飯田橋(神楽坂)にイカロス出版の経営する飛行機グッズ(!)のショップがあって、たまに冷やかしで入ったことがあったからです。これが結構濃い空間でして・・・主に模型関係が置いてあったと記憶しているんだけど、平日の日中でも結構人が入ってましたね。ほとんどがオッサンだったけど。いまはなくなっちゃってるかも。

あと私、以前カンニング竹山のラジオ番組をポッドキャスト配信で聴いていたことがあったんだけど、彼の口からたびたびこの雑誌のことが語られていたんですよ。彼、めちゃくちゃ飛行機マニアなのね。この雑誌で連載を持つとか持たないとか話をしていたけど、いまはどうなったかなぁ。

個人的には飛行機には興味ないので・・・ただ、編集スタイルにニヤリとするには良いかも。昭和風の作り、というのはなんとなくわかります。やっぱ、鉄道関係の雑誌がそうだもの。

わからなくてもマニア関係の雑誌って覗きたくなるものがありますよね。

投稿: ルドルフ | 2008.12.30 23:01

ルドルフ編集長、コメント感謝です。

>東京・飯田橋(神楽坂)にイカロス出版の経営する飛行機グッズ(!)のショップがあって、たまに冷やかしで入ったことがあったからです。

ええっ!あの会社、そんなショップも経営してるんですか?
たくましいなぁ・・(本音)
ウチも鉄塔マニアの方のために鉄塔グッズ販売でもやろうかしら・・

>この雑誌で連載を持つとか持たないとか話をしていたけど、いまはどうなったかなぁ。

とりあえず今月号には連載記事はなかったですね。
石原良純も確か飛行機が好きだという話を聞いたような気がしますが・・

>昭和風の作り、というのはなんとなくわかります。やっぱ、鉄道関係の雑誌がそうだもの。

さすがルドフィー、よくご存じですね。
マニアの方々にはあーいう昭和テイストな編集がいいんでしょうね。
高齢の読者も多いみたいですし。

>わからなくてもマニア関係の雑誌って覗きたくなるものがありますよね。

その通りです。(握手)
この傾向はどうやら出版や編集を生業としてる人間には共通する感覚のようですね。
あたしの友人に雑誌社のヤツ(女性)がいますけど、昔そいつはそっち系(ってどっちだよ)の、いわゆる「男と男」系の有名な雑誌をよく読んでは中身を聞かせてくれたもんです・・

投稿: SYUNJI | 2008.12.31 15:53

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