聴いてみた 第53回 XTC
とある夏の休日の夜。
携帯が鳴ったので出てみると、かなり騒々しい場所から断片的に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
ざわざわざわざわはははははしゅんじさんざわざわはははざわざわざわさびしいよざわざわどわはははざざざはやくこいざわざわざわあーはははガチャ。
・・・・発信は名古屋の「世界の山ちゃん」からであった。
「早く来い」って言われても。
そんなあたしが今日聴いてみたのはXTC。
どんなバンドなのか未だによくわかっておらず、「プログレかなぁ」などとぼんやり思っていたが、どうやら違うらしい。
そもそも「えっくすてぃーしー」でいいのか「えくすたしー」と読むのかすらわかっていない。
XTC、実は90年代に1曲だけ聴いている。
「The Disappointed」という曲をMTVから拾ったのである。
プロモ・ビデオは確か中世の貴族のような扮装をした人たちが次々に登場するような内容だったと思う。
曲はわりと気に入っており、当時アルバムも聴いてみようかとも思っていた。
結局聴きませんでしたけど。
久しぶりに図書館でCDを物色したら、目にとまったのがXTCの「ホワイト・ミュージック」。
78年の作品で、彼らのデビュー・アルバムである。
「The Disappointed」はこのアルバムよりも10年以上あとの曲になるが、まああの路線のバンドだったら聴けそうな気もしたので、イキオイで借りてみた。
だが。
聴く前にネットで少し調べてみたら、「アバンギャルド・パンク」などといった紹介があった。
いまいち意味がよくわからないが、「The Disappointed」はパンクのイメージとは少し違う。
プログレという説明は見つからないので、パンクの部類に入るのだろう。
この時点でかなり不安な黒雲があたしの心の中に。
アバンギャルドなパンクバンド、XTC。
脆弱リスナーなあたしは果たして最後まで聴き通してエクスタシーを感じることができるのでしょうか。
・・・・・聴いてみた。
うーん・・・
はぁぁ・・・・
えーと・・・・・
これ、無理っス。(←上田桃子調)
この音楽は申し訳ないが自分には合わない。
パンクなんてプログレよりもさらに聴いてない分野なんだが、少なくともこのアルバムはキツイです。
なんつうか、まずサウンドが雑だ。
ボーカルがシャウト系なのだが、リズムや楽器の音に合わせてポイントポイントでシャウト、というロックの基本系をさらにはずしている。
これがパンクの戦略的な構成だとは思うが、シャウトが多用されてて雑に聞こえるのである。
ここぞというところで効果的に叫ぶ、という意図がなく、小節の終わりにそれぞれボーカル投げ捨て、という感じなのだ。
アンディ・パートリッジのボーカルは相当粗野だ。
また曲の中に不協和音が多い。
パンクだから当然なのだろうが、楽器やコーラスとのハーモニーは彼らにはあまり重要ではないようだ。
基本は早いビート、強いビートなのだが、聴いてて気分が高揚するものがない。
率直に言って「騒々しい」「ざわざわざわははは」という年寄りな感想だ。(半分意味不明)
これまで聴いてきた音楽の中で、一番近いと思ったのはブームタウン・ラッツである。
あっちもそんなにたくさんは聴いてないが、ブームタウン・ラッツはもう少し音にバラエティや広がりが感じられる。
XTCも注意して聴くとけっこういろいろな音はしてるのだが、その組み合わせが自分には合わないのだろう。
ボブ・ゲルドフもそれほど歌のうまいヒトではないが、これは完全に好みの問題である。
聴いてみたシリーズもすでに50回を超えているが、今回が最も苦しい音楽だ・・・・
ニール・ヤングもバグルスもかなりキツかったが、XTCの「ホワイト・ミュージック」はそれ以上である。
この後彼らはメンバーチェンジしたりトッド・ラングレンがプロデュースしたりでいろいろ変遷していったようだ。
90年代のアルバムだと、もう少し聴きやすくなっているのだろうか?
XTCは英国特有のひねくれセンスに満ちあふれており、これがアメリカ人には理解しづらいようで、アメリカではあまり人気がないらしい。
だったらあたしなんかとうてい理解できませんね。
ドシロウトが手を出してはいけないアルバムだったようです。
というわけで、どこかの国の野球チームのように惨敗に終わったXTC。
なんで岩瀬をあんなに使ったんかなぁ。(←おっさんの言うことはだいたい同じ)
明日図書館に返しに行きますが、おそらく今後聴くことはなく、どんな音だったか全く思い出せなくなるのも時間の問題だと思われます・・・
もし次回XTCに再度挑戦するなら、やはり「The Disappointed」が収録された「Nonsuch」というアルバムではないかと思いました。
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