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聴いてみた 第51回 トッド・ラングレン

孤高の宅録職人、トッド・ラングレン
どういうジャンルに所属する人なのか未だにわかりませんが、昨年大阪に遠征した時に実は1枚CDを購入していたのでした。
それが今回聴いた「Healing」である。
副題は「トッドの音楽療法」。
最近疲れ気味の自分にちょうどいいかもしれない・・・などと思って聴いてみることにした。

Healing

1. Healer
2. Pulse
3. Flesh
4. Golden Goose
5. Compassion
6. Shine
7. Healing Pt.1
8. Healing Pt.2
9. Healing Pt.3
10. Time Heals
11. Tiny Demons

このアルバムは1981年発表である。
すでに自分は当時サンスイ・ベストリクエストを中心にエアチェックに夢中になっていた。
しかし当時の興味の範疇にトッド・ラングレンは全く入っておらず、ミュージック・ライフにもほとんど登場しなかったように思う。
姉が当時トッドを聴いていたかどうかは全く知らないが、家でトッドの名前が書かれたカセットを見たことがないので、おそらく我が家ではトッドの音楽が流れたことはないだろう。
名前をいつ覚えたのかも全く記憶にないが、いずれにしろ当時も現在も守備範囲外だ。

さてトッドの音楽療法、自分にはどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

全曲ひとり宅録とのことだが、言われてみると確かにドラム・ベースというリズム隊を持つバンド構成の音は少ない。
キーボードの音が中心にあり、コーラスとボーカルで厚みを付けているのが基本路線のようだ。

「Golden Goose」はなんとなく童謡を思わせる楽しそうなサウンド。
子供番組のテーマソングみたいに聞こえる。
「Compassion」はいくつかのサイトでは名曲と絶賛されているが、それほどの強い衝撃は受けなかった。
どちらかというと「Healer」のほうがファンタジックで広がりのある音がする。
「Healing Part.1」「Healing Part.2」あたりは「柔らかいイエス」のような感じだ。
「おだやかなプログレ」「ゆったりテクノ」と表現しても、それほどずれていないのではないだろうか。

聴いてて思うのだが、トッド・ラングレンて歌はそんなにうまくはないと思う。
声は高いほうだが声量や歌唱力で圧倒されることは全くないし、そもそもそういった類の音楽ではない。
スタジオ盤なのにところどころ音程や声が不安定だし、しかも声そのものにはあまりアレンジを加えていないようだ。
「Shine」はエコーをかませた壮大な音楽になっているが、ボーカルが若干心許ないので聴いていてやや不安になる。
たとえばイエスやボストンがこの旋律で曲を作るとしたら、もっと重厚なサウンドになるだろう。

正直、雰囲気は決して悪くはないのだが、聴いていて非常に眠い。
まさにヒーリング音楽そもので、催眠効果があるんじゃないかとも思う。
今風(でもないか)に言うと癒やし系音楽ということになるが、確かに聴いていてふつふつと闘争心がわいたり厭世観にとらわれたりホテルの部屋を日本刀で斬りつけたくなったりということは全然ない。
ヒース・ヒーリングには全く合わないので、ダジャレでもテーマソングには使わないだろう。(←全然意味不明)
ヒーリング・ミュージックとはいえ、エステサロンや岩盤浴場のBGMにはちょっと向いていない。

感想。
うーん・・・・
トッド・ラングレン、ちょっと微妙です。
アルバムは81年のものだが、時代の特徴は顕著に表れていると思う。
だがなんとなくプログレっぽいサウンドにも大きな感動というものは感じないし、やはりボーカルの不安定さが自分としては気になってしまう。
もちろんこれらが全て彼の持ち味なんだろうから、ここから先は好みの問題である。
「じゃあ他のアルバムも聴いてみようかな」という意欲は、今のところほとんどない。

そんなわけで、初めて聴いてみましたトッド・ラングレン。
ヒーリング効果は「眠気」という形で表れたので、音楽療法としては成功なのでしょうけど(本当か?)、残念ながら退屈な感覚は否定できませんでした。
もし次に聴くとしたら、もう少し違った雰囲気のアルバムにしたいというのが、現在の偽らざる心境です。

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コメント

来月、生ぷっきーと遭遇予定のJTと申します。

トッド・ラングレンのアルバムは何枚か持っていますが「Healing」聴いたことがありません。SYNJIさんにはいまいちでしたか。70年代のアルバムの方がポップで聴きやすく、ちょっと切ないメロディが多いのかなぁ。カナさんだったら「Healing」も聴いたことあるかな、どうですか。

私は70年代のアルバム、「サムシング・エニシング」という2枚組(1枚半は宅録、0.5枚はスタジオでバンド一発録り)をお勧めします。

投稿: JT | 2008.07.12 21:43

トッド・ラングレンですか、、。
似顔絵の細長い顔のジャケット有名ですよね。
CD屋で、いつも買おうと思っていて買わないCD第一位のような気がします、、。

それこそ、雑誌とかでは名盤セレクト、、見たいな特集だと何時も取り上げられていて、聴いてない私はダメリスナー?、、と何時も思っていました。

ヒーリングミュージックですが、この頃、ネットラジオでそれらしき音楽をひたすら流す二三のサイトを見つけて、誰か判らずに聴いている、、というか聞き流しているという感じです。

投稿: だいまつ | 2008.07.12 22:22

僕は彼のファンなのである程度アルバムを持っていますが、この「Healing」は持っていません。

最初に聴くアルバムとしては、やはりJTさんも薦められている「Something/Anything?」が一番でしょう。日本の数々のミュージシャンに影響を与えた宅録の元祖ですから。

だいまつさんが書かれている顔長のジャケットの「Singles」も入門編としてはよいと思います。

投稿: getsmart0086 | 2008.07.12 23:55

JTさん、生ぷっきーとついに対面ですか・・
それはそれは・・(なぜか目頭を押さえる)
先輩はELPが好きなので、まずはELPを持ち上げてゴキゲンをとるといいですよ。(なんだこの情報)

>私は70年代のアルバム、「サムシング・エニシング」という2枚組(1枚半は宅録、0.5枚はスタジオでバンド一発録り)をお勧めします。

なるほど。
でも宅録とスタジオでバンド一発録りって、ある意味対極にある方法ですね。
不思議なミュージシャンだよなぁ。

だいまつ親分、コメント感謝です。

>似顔絵の細長い顔のジャケット有名ですよね。

そうです、そうです。
あのジャケットの表情と、今回聴いた音楽のイメージはだいぶ違いますね。
まあ別のアルバムなんですけどね。

>聴いてない私はダメリスナー?、、と何時も思っていました。

1回聴いてみたけどまだあたしもダメリスナーですね・・
トッドでなくても、ヒーリング系の音楽はどうもいまいちなじめないですね。
普段からダレたゆるい生活なので、ヒーリングなどしようものなら・・

投稿: SYUNJI | 2008.07.13 00:10

getsmart0086さん、コメント感謝です。

>僕は彼のファンなのである程度アルバムを持っていますが、この「Healing」は持っていません。

そうでしたか・・
やはりシロウトが手を出すにはハードルが高かったですかね?

>だいまつさんが書かれている顔長のジャケットの「Singles」も入門編としてはよいと思います。

そうですか・・
あのジャケットのトッドの薄ら笑いがどうも不気味に感じてしまい、「きっとサウンドも不気味に違いない」と勝手に思ってしまっていました・・

今回初めてトッドを聴いた、と思っていたのですが、実は「オール・ザ・チルドレン・シング 」という曲だけ聴いていたことがわかりました。
何かのオムニバスCDに収録されており、「ヒーリング」を聴いて「ん?これに似たサウンドやボーカルをどこかで聴いたことがある・・」と思って調べたらやはりトッドでした。

投稿: SYUNJI | 2008.07.13 00:22

SYUNJI兄さん、ご無沙汰しております。
なかなか来れずにゴメンナサイ。
に…兄さん、アタシもそれ、聴いたことないですよ。
皆さんがオススメしている「Something/Anything?」が最初に手に取るなら一番聴きやすいかもしれません。
と言いつつ、アタシが最初に手にしたのは「A Wizard, A True Star(魔法使いは真実のスター)」。ヤバかったです。この1枚でヤラれて、次に手に取ったのが「S/A?」。ポップで聴きやすいし名曲は入ってるし2枚組で嬉しいし…、しかし毒としてはやはり「魔法使い」の方が凄くて、私はそっちの方が好きなんだなぁ。ザッパ好きとしては「魔法使い」をオススメしたいです。そして「Todd」もキテる。クレイジーとしかいいようがないです。彼の頭の中の全てが入ってるんじゃないかというほど、泣きメロからプログレッシブハードロック、いや、まさに狂気な世界が広がる素敵なアルバム。最初に聴くアルバムとしては決してオススメはできませんが、「魔法使い」と「Todd」があればご飯何杯でもいけます。

投稿: | 2008.07.16 02:54

祥お嬢、ルネッサーーーンス!!(←スベっている)
・・・失礼しました、コメント感謝です。

>に…兄さん、アタシもそれ、聴いたことないですよ。

えええ~??
もしかしてあたしはかなりコアな作品から聴いてしまったのでしょうか。
まあ考えてみればビーチ・ボーイズもパープルもかなりコアなところから聴いてしまったんですけど。

>皆さんがオススメしている「Something/Anything?」が最初に手に取るなら一番聴きやすいかもしれません。

なるほどなぁ・・
でも2枚組ってのが少し気になりますね。
あたしは結構2枚組だと退屈してしまうことが多いんですよ。

以前お嬢からもらったアドバイスを元に梅田をあちこちさまよったんですが、「ミンク・ホロウ」も含めて全然売ってなかったんです。
大阪ではトッドの人気はいまいちなんだろうか・・
「ミンク・ホロウ」って「オール・ザ・チルドレン・シング 」が収録されてるんですよね?
この曲はけっこういいと思うので、「ミンク・ホロウ」を聴いてみたいと思い始めています。

ますますナゾが深まるトッド・ラングレン。
やはりあたしみたいなシロウトが1枚だけで理解できるようなアーチストではなさそうですね。
crying←久しぶりに使ってみた

投稿: SYUNJI | 2008.07.16 23:22

ちぃーっす、兄さん、どもー。
そーだ!兄さんの今までのセレクトからすればこのアルバムは至極当然な流れなのかもしれない…なんて、いまさら気付いてどーする、アタシ。「言黙」検定4級すら落ちてしまいますね。読みが足りないなぁ。

>「ミンク・ホロウ」って「オール・ザ・チルドレン・シング 」が収録されてるんですよね?

でーす!\(◎▽◎)/! いい曲ですね。好きですよ。
2曲目の「Too Far Gone」(友達でいさせて)、3曲目の「Out Of Control」(傷ついた心)あたりのダメダメ泣きメロがアタシのツボです。

投稿: | 2008.07.16 23:57

お嬢、再びのコメント感謝です。

>兄さんの今までのセレクトからすればこのアルバムは至極当然な流れなのかもしれない…

いえ、コレしか売ってなかったんで、流れとして当然なのかどうかもよくわからず・・・

>「言黙」検定4級すら落ちてしまいますね。

・・・お嬢、そんな検定受けるのはお嬢だけッスよ。
だから無条件で合格です。
つーかどんな検定なんだ、それ・・
「フロイドの邦題を決めたのは、レコード会社の部長と、もう一人はダレ?」(←知らねえよ)

>2曲目の「Too Far Gone」(友達でいさせて)、3曲目の「Out Of Control」(傷ついた心)あたりのダメダメ泣きメロがアタシのツボです。

おおーなんか良さそうじゃないですか。
お嬢と話合わせるためにも、これは聴いておかないと・・(←調子いい)

投稿: SYUNJI | 2008.07.17 23:28

はじめまして。中学の頃トッド・ラングレンそっくりの女友達がいた、ねこのちーと申します。本人も、アタシそっくり!と言っておりました。私の音楽ブログ、お時間ありましたらこちらにも遊びに来てくださいね。(アメブロ、ジャンル音楽、ねこのちーです。)ちなみに私はトッド・ラングレンは全く聴いたことがありません。そのうち挑戦してみようかな。音楽の挑戦って楽しいですよね。

投稿: ねこのちー | 2008.07.18 14:07

ねこのちーさん、初めまして。
コメントありがとうございます。
自分の場合、挑戦というほどの高いココロザシではありませんが、それでも聴いてみて良かったと思える音楽に出会うと楽しいですね。
偏向してるせいか、合わないものも多いですが・・
他にも聴いてないアーチストが山ほどありますので、お好きなアーチストについてご指導いただければ幸いです。

ところで、ねこのちーさんのBLOGですが、検索してみましたが、たずねあたりませんでした。
もしよろしければコメントの際にURLを教えていただければと思います。

投稿: SYUNJI | 2008.07.19 10:37

こんにちは。二週間連続でコメントをしないと、このブログでの特権地位を失うのでは?と危惧するぷくちゃんといいます。

トッド・・・大好きです。当然のごとく紙ジャケはすべて持っています。

>聴いてて思うのだが、トッド・ラングレンて歌はそんなにうまくはないと思う。

およよ・・・確かに不安定な歌声ですよね。でもアルバムごとに割と趣が変わって変幻自在なところもあり、ザッパに近いところもあるように思えます。(←ザッパは一枚しか持っていない・・・ではその根拠は?)

お勧めは「未来への回帰」というライブです。ゲストも豪華で演奏もノリノリです。(←死語?)

投稿: ぷくちゃん | 2008.07.20 07:49

ぷく先輩、再会感謝です。(気が早い)

>トッド・・・大好きです。当然のごとく紙ジャケはすべて持っています。

そうだったんスか・・
先輩ってやはり幅広いですね。

>でもアルバムごとに割と趣が変わって変幻自在なところもあり、ザッパに近いところもあるように思えます。

ザッパは未だに1枚も1曲も聴いてないんで、この例えがまったくわからない・・
今さらですが取り返しのつかないシロウトですね、あたし・・
明日三茶でザッパ探してみます。
先輩もiPhoneをじゃじゃ麺の器に落とさないようお気をつけ下さい・・

投稿: SYUNJI | 2008.07.20 18:06

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