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聴いてない 第121回 トンプソン・ツインズ

80年代洋楽を聴いていた人であれば基本的には名前を知ってるはずのトンプソン・ツインズ。
勝手にそんなふうに考えてますが、あながちはずれてもいないと思います。

そんなトンプソン・ツインズ、名前はもちろん知っているが、聴いてる曲は3つしかない。
ヒットした「Hold Me Now」、その翌年の「Lay Your Hands On Me」、あとはビートルズのカバー「Revolution」である。
なので聴いてない度は3。

実際にエアチェックしたのは3曲とも全て86年である。
日本ではその当時マクセルのCMに出たりしたらしいが、これは記憶にはない。
個人的に一瞬混同してしまうのがドリーム・アカデミーだが、日本で有名なのはたぶんトンプソン・ツインズのほうだと思う。

トンプソン・ツインズは80年代真ん中に盛り上がっていた英国テクノ系ミュージックに該当すると認識している。
ジャパンカルチャー・クラブ同様にヘアスタイルが強烈(しかも女性がモヒカンのよーなスゴイあたま)で、サウンドもいかにも80年代といった雰囲気のポップだったと思う。

「Hold Me Now」がヒットした時は男2人に女1人の3人編成だったはずだが、多い時は7人くらいいたらしい。
モヒカン女性はアラナ・カリーといい、男の片方トム・ベイリーと結婚、もう一人の男ジョー・リーウェイが脱退しバンドは解散、その後アラナとトムは別バンドを結成するも離婚・・という安い映画のストーリーのような展開。
ジョー・リーウェイはドレッド・ヘアーの黒人だったと思う。
モヒカンありドレッドありのばらばらバンドである。
でも3人のバンドで2人がなかよしになって夫婦にまでなったら、残りの1人はやっぱやりづらいだろうなあ。
脱退もやむなしという気もします。

聴いてる曲の評価は正直微妙だ。
特にメチャクチャ気に入ったりしたわけではなく、エアチェックできてしまったので消さなかったという程度。
リズムやサウンドは耳に残りやすく悪くはないが、アルバムを聴いてみようとは思わなかった。
テクノ系と言われるそうだが思ったほど機械っぽい感じはせず、3人のわりにはけっこうガヤガヤした音がする。

「Revolution」はアレンジが独特で原曲の雰囲気からはかなり離れたイメージである。
テンポがそもそも原曲とは大きく変わっており、どちらかと言うと「Revolution No.1」の方に近い。
残念ながら原曲が偉大すぎるせいだろうか、試みとしては大胆だがあまり好みの音ではなかった。

そんなわけでトンプソン・ツインズもあたしの中では栄光の80年代を彩るアーチスト群の中に埋没した状態なのですが、掘り起こすとしたら85年の「Heres's to Future Days」からになるだろうか。
聴いてる2曲の他に「Tokyo」なんて曲もあるし、少しだけ興味がわいております。
さてトンプソン・ツインズ、みなさまの鑑賞履歴はいかがでしょうか?

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読んでみた 第24回 プログレッシブ・ロック入門

BLOGを始めて4年半になりますが、もしBLOGをやっていなかったらおそらくなかっただろう出来事がいくつもあります。
多くの方にご指導いただいたこともそうですし、そのうち4人の方とは実際にお会いできました。
またじゃじゃ麺富士宮焼きそばにも出会い、ユリイカに掲載され、ポリス再結成コンサートにも行くこともできました。

そして。
もしBLOGをやっていなかったら、おそらくプログレというジャンルには一生アプローチしないまま死んでいたと思います。
それくらい自分にとっては距離を置いた音楽だったわけです。(そんなの他に山ほどあるけど)
そんなあたしが、最近すっかりナイスなチョイスで有名なM市立図書館でまたも借りてみたのが、「プログレッシブ・ロック入門」。
まさに自分のような万年素人にとって指南書となる本ではないでしょうか。

Nyumon

「プログレッシブ・ロック入門」、編者はロック・クラシック研究会、版元は河出書房新社
定価1,785円、A5判で 208頁。
シリーズとしては「ロック・クラシック入門」てのもあるらしい。

5大バンドを中心としたアーチストの歴史や名盤紹介、業界ではプログレ者として有名な大槻ケンヂや高嶋政宏のインタビューなど、タイトルのとおり全編プログレ紹介の入門書である。
目次はこんな感じ。

1 プログレッシブ・ロックってなに?
 岩本晃市郎インタビュー―プログレッシブ・ロックとはなにか?
 対談・ROLLY VS 難波弘之―プログレッシブ・ロックを語る ほか
2 プログレ5大バンドを制覇せよ
 ピンク・フロイド、エマーソン・レイク&パーマー ほか
3 プログレッシブ・ロックの系譜を知る
 プログレッシブ・ロック盛衰記
 プログレッシブ・ロックをさらに楽しむために―5大バンド以外のプログレ・バンド&代表作40 ほか
4 プログレッシブ・ロックの楽しみ方
 大槻ケンヂ・インタビュー―僕がプログレを聴くのは、音楽の趣味趣向がメインストリームにない自分を確認したいから
 スターレス高嶋(高嶋政宏)インタビュー―プログレッシブ・ロックは僕にとって音楽の本流 ほか

構成としては堅調にプログレ入門を説いた状態である。
本書の使い方としては、一通りの知識を学んだ後、あちこちに掲載される各アルバムのレビューで興味がわいたものから聴いてみればいいはずだ。

自分の好きな情報として「ファミリー・ツリー」がある。
プログレ好きな人にとっては鉄板なものだが、5大バンド全てのツリーが掲載されているのはとても良い。
ただひとつ欲を言えば、ツリーは全て70年代で終わっているので、できれば80年代以降も追ってほしかった。
このあたり「プログレと言えば70年代まで」という編集側の堅いポリシーのようなものを感じます。
あ、それはプログレ者の間ではやはり常識でしょうかね。
80年代のイエスやエイジアなんかは「プログレのアーチストがたわむれにやってみた実験ポップスに過ぎないのさ」みたいなもんでしょうか。(ややヒネています)

大槻ケンヂのエッセイ本はかなり読んでいるが、この人の着眼点と表現力は非凡なものがあるといつも思う。
この本ではインタビューなのだが、プログレ・アーチストのファッションセンスを嗤うくだりは文字通り爆笑である。
「プログレのアーチストって、もうちょっと考えようよってかっこうで来日する」
「クリス・スクワイアがカリブの海賊みたいなかっこうで来日したけど、太っていたのでスタン・ハンセンみたいだった」
など、さすがオーケンならではの表現で笑わせてくれる。
まあ来日時のカッコウが変なのはプログレに限らないとも思いますけど。

高島政宏がプログレ者なのはかすかに知っていた程度だったが、インタビュー記事を読むと半端でないことがわかる。
実際バンド組んでクリムゾンをコピーしたりもやるそうなので、ただの「プログレ好き俳優さん」では収まらないようだ。
変拍子が当然のプログレを好んで聴いてきたので、ミュージカルを演じる時も、他の役者が変拍子に苦労する中、全く違和感なくこなせたそうである。
人生、何が役に立つかわからないもんですね。

他はよくあるレコード・レビューのページ。
当然聴いてないものばかりなので、この情報を頼りに聴いてみる、という便利な本である。
なおボストンやジャーニーやスティクスやELOをプログレに含めるといった大胆な編集方針は、さすがに採用していないようだ。

しかし。
読んでいてふと思ったのだが、この本、果たして本当に入門書として使われることが多いのだろうか?
実際にはすでにかなりの量のプログレを聴いてる人が「ふふーん」とか言いながら自分の知識のスキマをパテやバースコークで埋めるような感覚で読んでみる、といったケースが多いんじゃないだろうか?
そもそもプログレ、「興味はあるけど聴いてない」という自分みたいなド素人はあんましいないわけで、世の中の人は「興味はあって充分聴いてる人」「興味もなく聴いてもいない人」に大別されると思う。
とするとこの本を手にする人の多くは、実は「すでに充分聴いてる人」なのではないか?

なのでプログレ好きな人からすれば、この本の内容はおそらく「やや物足りない」になると思われる。
入門書なので当然だが、それほど深い内容にまで踏み込んでおらず、検定で言えば3級程度なのだろう。
インタビューはおもしろいけど、レコードのレビューなどは「ああ違うんだよなぁ」「わかっとらんな」など解釈が割れたりするんじゃないだろうか?

そんなわけで読んでみました「プログレッシブ・ロック入門」。
自分のような初心者には当然入門書として実に有益な書籍なので、これを機にあらためてプログレの再受講と参りたいところですが、この本については個人的にはむしろプログレに詳しい方の評価を聞いてみたい気がします。
もし読んだ方がおられましたら、感想などお寄せいただければありがたいです。

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聴いてみた 第50回 ニッティ・グリッティ・ダート・バンド

今年はロック検定は受験しないことを決めているSYUNJIです。(←誰も聞いてない)
聴いてない自慢もすでに4年半になろうとしていますが、これまでの生涯でジャンルとして全く手をつけていないものにカントリーがあります。(大げさ)
もっともジャズもクラシックもラップも小唄も聴いてませんので、カントリーも聴いてなくても何ら驚くに値しませんけど。

カントリーの人で知っているのはジョン・デンバーくらいで、他はガース・ブルックスやアラン・ジャクソンの名前をかろうじて言える程度。
しかもいずれも1曲ずつしか知らない。
アメリカに詳しい友人から以前聞いた話だが、カントリーというジャンルは日本人が思っている以上に裾野が広くて、専門FM局もロックなんかよりずっと多いらしい。
カントリーと言われて思い浮かぶ光景は、広大な大地に干し草にとうきび、テンガロンハットに革ブーツにヒゲヅラに馬・・・といったものくらいしかない。

そんなカントリー音痴のあたしに「聴いてみよ」と指示したルドルフ編集長、ご指定はニッティ・グリッティ・ダート・バンド。
・・・・すいません、実は名前も初めて聞きましたので、情報は全くありません。
あのイングランド以来の聴いてない度0です。

聴いてみたのは「Uncle Charlie(アンクル・チャーリーと愛犬テディ)」。
彼らの最高傑作と名高い名盤だそうだ。
ケニー・ロギンスの作品もいくつかあるらしい。

Nitty

それにしてもルドルフさんからカントリー・ロックの指定をいただくとは全く思っていませんでしたが・・・
果たしてあたしは指定どおりカントリー列車に無事乗ることができるでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

音の印象としては比較的イメージしていたものに近い。
カントリー・ロックというジャンルに対するパブリックなイメージはこういう感じだろう。
基本的に明るい曲ばかりで、バンジョーやハーモニカの音が楽しく響き、シンプルなボーカル。
街角で生演奏してもあまり変わらないだろうというにぎやかな音がそのまま流れてくる。
「Randy Lynn Rag」なんてこれ以上ないくらいモロにカントリーなアップテンポのバンジョー曲だったりする。
スタジオにこもってコンピューター処理で凝ったアレンジするとかメイクして火を噴いたりするとか生きてるコウモリを食ったりするという人々がやるものとは対極にあるような音楽である。

ケニー・ロギンスの名作「House At Pooh Corner」、初めて聴いたが少しイメージとは違っていた。
もう少しゆったりぐっすりのーんびりしたホテル三日月風ほのぼのソングかと思ってましたが・・・(全然意味不明)
これはケニー本人が歌っても違和感はないように思う。
邦題は少し脱力な感じもしますけど、みなさんは大丈夫でしょうか。

「Mr. Bojangles」という曲は聴いたことがある。
調べたらかなり前だがサントリー角瓶のCMに使われたことがあったようだ。
映像もYou Tubeで見たが、全く覚えていなかった。
音だけが記憶に残ったらしい。

他にもところどころ聴き覚えのある旋律があるような気もしたが、確証はない。

感想。

カントリーという未体験なミュージックジャンルに初めて対峙したことになったが、ある程度想定どおりの音ではあったので、さほどとまどいもなくすんなり聴けたと思う。
音やリズムそのものは祭りのように楽しいし、バンジョーのサウンドは嫌いではない。

ただし。
音楽としての好みという点から言うと、残念ながら少し微妙です。
ニッティ・グリッティ・ダート・バンド、ドラムがどんぱん鳴ったりギターがぎゅりぎゅり唸ったりボーカルとギターが「クソ野郎」「死ね」と罵り合って床に倒れたり道行く人に小麦粉をぶつけたり、といった野蛮な音楽からは相当遠いのだが、どうやらその野蛮な音のほうが自分は好きなようです。
この手の音を「では続けて2時間以内にあと3枚聴きなさい」と言われたら、「あのーすいません間にツェッペリンとか聴いちゃダメですか?」とか言ってしまいそうです。

そんなわけで、初めて聴いてみましたニッティ・グリッティ・ダート・バンド。
決して悪くはなかったのですが、さすがに全く未聴のジャンルでしたので、まだ慣れるまでに時間がかかりそうです。
未聴名盤のカントリー・ロードは果てしなく長く続く・・・(馬にゆられて地平線のかなたに退場)

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