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聴いてみた 第44回 ジェフ・ベック・グループ

今回聴いてみたのは富士宮やきそばではなく、ジェフ・ベック・グループ。
ジェフ・ベックは聴いてないシリーズでもかなり早い登場だったが、一応「ワイアード」を持ってるし、BBAも聴いたりしたので、あまり危機感もなく日々を過ごしてきた。

で、先日久しぶりに新宿の中古CD店に寄ってみた。
そこで発見したのがジェフ・ベック・グループのCDである。
しかも「Truth」と「Beck-Ola」のカップリング盤だった。(CDは1枚)

Truthola

値段は1000円くらい。
これはお得だわね。ほほほほ。
ほとんどおばさん化しながらレジに直行。

ちなみに「ワイアード」は持ってるんだが、音源はMDアルバムである。
当然MDのアルバムなんてもはやどこにも売っていないので、今となっては貴重なものかもしれない。

さて。
以前からベックを聴くなら「Truth」とおすすめもいただいていたのですが、ようやく手に入れることができました。
ロッドのボーカルもまあ好きなほうだし、あまり心配はなさそうである。
果たしておばさんは無事に聴くことができるのでしょうか。

・・・・・聴いてみた。

まずは「Truth」。

1. Shapes Of Things
オープニングはやや危なっかしいロッドのボーカルで始まる曲。
結構転調がある。
ベックのギターソロもバリエーションに富んでいるが、意外にゆるい雰囲気である。

2. Let Me Love You
比較的固めのブルースだが、ギターの音は案外軽い。

3. Morning Dew
ロッドのシャウトにベックの引っ掻くようなギターの掛け合い。
ところどころもわわわんとした音が聞こえる。

4. You Shook Me
スタンダードなブルースナンバー。
この曲はツェッペリンのファーストにもあったが、ウィリー・ディクソンという人のカバーだそうだ。
ベック版はツェッペリン版に比べてキーボードの音が聞こえたりしてちょっとサイケである。
が、意外にギターが目立たず、曲も短い。
ツェッペリンのほうがギターとボーカルの無理矢理な掛け合いがあったりで、かなり好き勝手にやっている感じ。
どちらかというとベック版のほうが好みの音だ。

5. Ol' Man River
かなり音があちこちに飛んだ散漫な印象。
ベックのイメージからするとこういう音楽もやってたことが少し意外である。

6. Greensleeves
どこかで聴いたことのある旋律のアコースティックナンバー。

7. Rock My Plimsoul
やや単調で投げやりなブルースだが、そこはさすがにジェフ・ベック・グループであり、なかなかカッコいい。
前半と後半でギターとボーカルの位置が入れ替わるような編集が施されている。

8. Beck's Bolero
この曲はペイジの作品で、ペイジ自身の他ジョン・ポール・ジョーンズやキース・ムーンも参加している豪華な一曲だそうだ。
短いわりにいろいろな音がつまっており、なかなか楽しめる。
できれば歌も入れてもらってもう少し長く聴きたい曲である。

9. Blues Deluxe
再度どっぷりのブルース。
誰かのカバーだろうと思っていたが、これはロッドの作品とのこと。
どちらかというとギターよりもピアノが目立つ曲。
ベックのギターは後半に集中。
ラストにはロッドとの掛け合いもある。
途中拍手や歓声が聞こえるのでライブ演奏のようだが、音だけ聴いていてもロッドの楽しそうな表情が浮かぶような臨場感がある。

10. I Ain't Superstitious
これもウィリー・ディクソンのカバーのブルース。
ギターの音はかなりゆがませてあって、少し聴きづらい。
後半のドラムソロはけっこう聴きこたえがある。

続いて「Beck-Ola」。

1. All Shook Up
邦題は「恋にしびれて」。
アップテンポのブルースだが、ベックの細かいテクニックがそこかしこに散りばめられている。
ラストでは猿の声のようなキーキー音がするけど・・・

2. Spanish Boots
同じような曲調が続く。
アップテンポでロッドが叫び、ベックのギターとトニー・ニューマンのドラムが乱れ飛ぶ。
悪くはないけど、少し散漫だ。

3. Girl From Mill Valley
一転美しくポップなピアノ・バラード。
ボーカルはなく、ギターも聞こえない。
こういう曲もできるという、バンドの奥行きを感じさせる名曲だ。

4. Jailhouse Rock
ご存じマサ斉藤の「監獄ロック」。(違うよ)
ロッドが歌うとまた少し感じが違う。
それよりもアレンジがまた派手だ。
ピアノもギターもイカレてるくらい飛ばしているのだが、これそもそもリズム変えてますよね。
なんかメタルっぽい拍打ちだと思う。

5. Plynth (Water Down The Drain)
ロッドとベックの掛け合いが聴けるロックな曲。
これはなかなかいい。
どこかアクション映画のテーマソングのような印象である。

6. The Hangman's Knee
全編中もっともツェッペリンぽいと感じたのがこの曲だ。
ヤケクソにたたきつけるシンバルで始まり、ベックの怪しくゆがんだギター、ロッドの叫び。
ただツェッペリンほどの一体感は感じない。
単にジェフ・ベック・グループを聴き慣れていないだけなんだろうけど。

7. Rice Pudding
半音ずつ上がるリフが特徴的なインスト。
この曲でようやくベースの音が聞こえてきた。
途中でピアノとギターの掛け合いになり、少し雰囲気が変わる。
ラストはドラムがどたどたと連打され、盛り上がってくるかと思ったらぶっつり終了。
なんやねん。
一瞬MP3プレイヤーの電池が切れたかと思いました・・・

感想。
アルバム2枚分を通しで聴くと少し疲れる・・・
全体としては2枚ともブルース中心なので、曲調自体はいまいち苦手な感じなのだが、ベックの誠実なギターワークが聞けるアルバムだと思う。
ベックのギターにもいろいろな音があるが、同時期のツェッペリンにおけるペイジの怪しい雰囲気ややりたい放題の振り幅に比べると、ややきまじめな印象である。
そのせいか、やはりツェッペリンに比べると少しインパクトが弱いように思う。

ロッドのボーカルはまだ若く荒削りで、歌い方も単調だし、表現力ではロバート・プラントにはやはりかなわない。
ただ声はやはりロッドのものであり、決してうまくはないけど、すでに誰にもマネできないものになっていることがよくわかる。
あの味わい深いボーカルになるのはもう少し後のようだ。
ベックのギターに注意して聴いてるつもりが、いつの間にかロッドの歌を聴いてしまっていることが何度かあった。
ちなみにアルバムを通しで2枚聴いていて、残念ながらロン・ウッドのベースのプレイに引き込まれた箇所が全くなかった・・・

聴いていて少し不安になったのだが、このCD、やはり無理矢理2枚を合わせているので、フェードアウトが淡泊だったり、曲によってはカットされているのではないか?と思うような部分があった。
ラストの「Rice Pudding」は本当にああいう終わり方でいいのか今も不安。
ネットで調べたら「ぶつ切りにされて終わるエンディング」などと書かれているので、やっぱぶつ切りでいいんですよね。
まあ安かったからいいんですけどね。

グループとしてロッドが歌っているのはこの2枚のアルバムだけで、この後ロッドはロン・ウッドとともにバンドを脱退。
「ベックとやっていて得たものは何もなかった」などというステキな発言もあったそうだ。
この2枚のアルバム制作時期、ベックはロッドがバンドにおれば他は誰でもよかったらしい。
見るからに怪しいペイジやリッチーに比べ、ベックという人はイメージではけっこうマジメで誠実なお人柄のよーに思ってたりしたのですが、いきなりメンバーをクビにしたりアンプを倒してみたり、振る舞いは案外キレ系中学生みたいな様子。
直情型のジェフ君、ある意味カワイイと言えなくもないですが、まわりの人はついていくのが大変だったんでしょうね。
そんなことはベックに限らないと思いますが・・・

というわけで、ジェフ・ベック・グループ。
悪くはなかったですが、インパクトという点においては、もうちょっと欲しかったかなといったところでした。
次はコージー在籍時代のアルバムを聴いてみようかと思います。

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コメント

こんにちは、JTです。

「Truth」はカセット、「Beck-Ola」はアナログ盤で持っていたのですが、どちらも手元になく、全編通して聴いたのは遠い昔なので、そのときの記憶から。

ロッドはやっぱり、こういったヘビーなブルース・ロックより、バラードやルーズなR&Rの方が似合っているような気がします。

>1. Shapes Of Things

これ、ベック在籍時のヤードバーズナンバーの再演なのですが、聞き比べると演奏、ボーカルがパワーアップされていて「Truth」版の方が断然素敵です。

投稿: JT | 2007.09.22 12:04

Zepと比べてはいけないアルバム(笑)。時代性のある作品でブルースに根付いているのでちと疲れるってのわかりますね。まだベックが普通にギターを弾いていた頃の作品で、ロックしていた時期です。ここからこの人はどんどん進化していくという楽しさでしょうか。

投稿: フレ | 2007.09.22 20:33

JTさん、コメント感謝です。

>ロッドはやっぱり、こういったヘビーなブルース・ロックより、バラードやルーズなR&Rの方が似合っているような気がします。

同感です。
自分は80年代のロッドしか知りませんが、今回聴いたロッドの声は若さもあってか少し固いように思いました。

>これ、ベック在籍時のヤードバーズナンバーの再演なのですが、聞き比べると演奏、ボーカルがパワーアップされていて「Truth」版の方が断然素敵です。

なるほど。
ヤードバーズも全く聴いてないので、いつか勉強したいと思ってはいるのですが・・

フレさん、コメント感謝です。

>Zepと比べてはいけないアルバム(笑)。

あ、そうなんですか?
どこかのサイトでは「ツェッペリンI」とは兄弟のようなアルバムだと書いてありましたが・・
フレさんの記事にあるように、確かにプラントの声はブルースではないですね。

>ここからこの人はどんどん進化していくという楽しさでしょうか。

そのようですね。
ただフュージョン路線のベックには実はあまり興味がわかないんですけど。
以前から80年代の名作?「Flash」を聴いてみたいなぁと折りにふれて言ってみてはいるのですが、誰も相手にしません・・

投稿: SYUNJI | 2007.09.22 21:47

音楽記事がUPされていると、これまでの喧騒どこ吹く風で、ちょっとホっとしますね。
というわけで、私のコメントも一休み(ってオイ!)

投稿: ルドルフ | 2007.09.24 22:12

ルドルフさん、詳細なコメント感謝です。
やっぱBLOGは音楽ですよね!・・・ってオイ!
なぜかあたしのBLOGではじゃじゃ麺よりも宇宙戦艦ヤマトよりも全然人気がないジェフ・ベック。
音楽BLOGとして正常化したはずがこの有様は何?
ツェッペリンにしとけばよかったかなぁ・・(弱気)
あ、どうもみなさん流れからして次の記事は「食べてみた 富士宮やきそば」をご期待なさっていたのでしょうか・・
そんなにあちこち食いに行けないっつうの。
ルドルフさん、信濃町の店には行かれたんでしょうか?

まあ明日にはきっとぷく先輩がジェフ・ベックについてうなるような名コメントを繰り出してくるでしょう。(遠隔操作)

投稿: SYUNJI | 2007.09.25 23:13

ぴゅーん!なぜか頭のどこかにスイッチの起動してやってきました。

ベックですか。歌が入っていないアルバムが多いので買っても損したような感じですよね。(←せこい)

ロッドのボーカルは素晴らしいし、ベックもいい。でも何だかこのアルバムを聞いていると疲れる。なぜ?

私はベックって全部自分流に音楽を引き寄せるからだと思っています。こちらからは音楽に近づいていかない。ブルースもジャズもロックも・・・ジャンルはなんでもいい。全部自分流。それが自分に合えばいいのですが、合わないと聞いていて疲れる。「ワイアード」あたりが一番彼の資質に合っているのかもしれません。

「虹の向こうに」(オズの魔法使い)を彼が演奏したものがありますが、ファンはすごく好きらしいのですが私は聞いていてあまり愉快に感じられませんでした。

投稿: ぷくちゃん | 2007.09.26 08:32

SYUNJIさん、こんばんは。
全く同じCDを持っております。が、ボーカル時代のベックは
あまり聞き込んでおりませんので、今回あわてて聞き直しました。
SYUNJIさんや他のみなさんもふれられていますが、ペイジは
第1期JBGを横目で見ながらZEPの構想を温めたとも言われています。
「You Shook Me」は、私はZEP版の方が好きですが、ペイジが
JBG版を練り直して演奏したようなものですから当然です(^^;)。
またスチュワートとプラント。両者ともボーカルの魅力・実力は
互角ですが、スチュワートとあっさり別れてしまったベックに
対し、プラントを打ち出し巨大な成功を収めたペイジ。商才の
差をまざまざと見せつけられます。

久しぶりに聞きましたが、思いの外すんなりと聞けました。ただし、
ベック単体の魅力ではなく、スチュワートの迫力も非常に大きいと
思います。ベックは後に「スチュワート以上のボーカルと出会うことが
できなかった」と語っていますが、特に「Beck-ola」のハードロック
アルバムとしてのできの良さを実感します。

>>8. Beck's Bolero
この曲は、ここ数年のライブでの定番となっております。感想での
アグレッシブなソロを聞くとまさに興奮ですが、既にこの時に
完成されておりますね。

>>7. Rice Pudding
この曲といいますか、この演奏が一番好きです。最近のベックは、
こうしたジャムセッション風の演奏はほとんどありません。バック
の演奏の迫力と、そこから立ち上がってくるベックのギターの対比。
いいですね~。

投稿: モンスリー | 2007.09.26 22:29

ぷく先輩、サプライズなコメント感謝です。(←よく言うよ)

>私はベックって全部自分流に音楽を引き寄せるからだと思っています。こちらからは音楽に近づいていかない。

これは鋭い分析ですね。
いろいろな音楽をやっているようですが、ベックなりに消化した結果がそう受け取られるのでしょうか。

>「虹の向こうに」(オズの魔法使い)を彼が演奏したものがありますが、ファンはすごく好きらしいのですが私は聞いていてあまり愉快に感じられませんでした。

そんな曲もあるんですか。
ベックと全然関係ありませんが、15年くらい昔、ある深夜番組のドラマの最終回で、主演の渡辺満里奈が劇中劇で突然この曲を歌い出し、場が凍り付き(今風に言うと「引いた」?)、そのままイマイチ意味不明で終わってしまったことを思い出しました・・・

モンスリーさん、コメント感謝です。

>「You Shook Me」は、私はZEP版の方が好きですが、ペイジがJBG版を練り直して演奏したようなものですから当然です(^^;)。

確かに後から出すほうは何でもできますわねぇ。
ベックは「まさかペイジが同じ曲をアルバムに入れてくるとは思わなかった」と言ったらしいですが・・・

>ベックは後に「スチュワート以上のボーカルと出会うことができなかった」と語っていますが

うーん、そうなんですか。
このベックの想いがロッド側の想いと釣り合ってなかったんでしょうかね。
そう考えると、ハニー・ドリッパーズではベックはプラントをどう評価したのか知りたいですね。

>バックの演奏の迫力と、そこから立ち上がってくるベックのギターの対比。

バンドならではの構成ですね。
名前はベックのグループですが、各パートのチカラは対等に近いようにも聞こえました。
あ、ベースはそうでもなかったか・・

投稿: SYUNJI | 2007.09.27 23:02

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受信: 2007.09.22 20:32

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