読んでみた 第18回 dancyu
全日本地方都市限定グルメ評論家友の会関東事務局のSYUNJIといいます。(デタラメ)
先日のじゃじゃ麺探訪以来にわかにBLOGの方向性が大きく変わりそうな予感ですが、実際自分は食には大して興味はありません。
なにしろ成人男子としては驚くほど食が細い自分。
さすがに中年になって周りからとやかく言われることもなくなりましたが、若い頃はあまりの食べなさぶりに上司や取引先からは決まって「何遠慮してるんだよ」「カラダの調子悪いのか」と言われたもんです。
これが結構つらいもので、どんなに「遠慮じゃなくてホントに食べられません」と主張しても、あまり信じてもらえませんでした。
加えて自分、酒をいっさい飲まないのですが、これも若い頃は異星人のように扱われました。
昭和のサラリーマンにとって、「食べない・酒飲まない」ヤツってのは、存在自体が信じられないことだったのでしょう。
「酒は飲めない」と言っても「じゃあ焼酎なら飲めるだろう」と真顔で上司から言われた時はキレてしまいました。(若い)
めんどくせーので「宗教上の理由」とか言ったろかとも思いましたが、それは宗教に失礼なんでやめました。
とりあえず、自分にとって昔から酒全般は青汁と同じです。(アルコールの味がダメ)
前置き長くなりましたが、そんな飲食に無関心な自分が今回読んでみたのは、あろうことか「dancyu」。
もちろん読んだこともなく、手にとることすら初めてでした。
お料理すらできないのに、いったい何を考えているんでしょうか。
もはや音楽評論では食っていけなくなった三流ライターが、編集部の提案でグルメ記事にも手を出さざるを得なくなったような有様。
そこには一流編集者ルドルフさんのご指導と、ぷく先輩の圧力があったのでございます。(誇張)
例の富士宮やきそばが掲載されているとの情報がルドルフさんから寄せられ、翌日買いに行きました。(単純)
買ったのは10月号、860円。
判型はA4判か?
版元は普段から縁のないプレジデント社である。
「dancyu」とは「男子厨房に入るべからず」という言葉を逆説的に表したもので、「男子どんどん厨房に入りましょう」という男性向けお料理お誘い雑誌である。
食にも酒にも興味のないあたしは果たして厨房に入ることができるのでしょうか。
・・・・・読んでみた。
今月号の目次はこんな感じである。
特集/ おいしいチャーハンが食べたい!
・感動の「福臨門酒家」と「大宝」。その真髄に迫る
最高のチャーハン「必殺技」大公開
・金華ハム、干しナマコと具材も華やかな“五目チャーハン”の最高峰
きみは本物の「揚州炒飯」を食べたか!
・玉子の生かし方次第で、かくも旨くなるものなのか!
わが家の「たまご炒飯」を究めるぞ 文・北吉洋一
特集/ ニッポン縦断「ソース焼きそば」の旅
三大“ご当地焼きそば”の魅力に迫る
焼きそば「三国同麺」のおいしい愛され方
富士宮・横手・太田
地元民なら誰でも知っている“ふるさとの味”
わが町に「焼きそば」ソウルフードあり
進化する雲上の美食
「機内食」コレクション2007
厳選「取り寄せ」カタログ 第199回 ── 青森県の旨いもの
台所の時間 70 中華包丁
その名から勝手に勘違いしていたのだが、お料理作るぜコノヤロというだけの雑誌じゃないんですね。
今回の特集のように全国のチャーハンの名店紹介やご当地やきそばなど、「作る」のではなく「食べる」側としての記事が半分以上ある。
全ページレシピや食材や調理器具の紹介かと思ってましたが、そこまで合羽橋な雑誌ではないようです。
ただしそこは「dancyu」なので、チャーハンの名店紹介でも単純にメニューだけの内容ではなく、ちゃんと各店の調理工程が掲載されている。
自分のような素人でも記事はなかなかおもしろい。
なにより写真がどれもうまそうである。
さて特集のチャーハン。
チャーハンすらまともに作ったことのない自分だが、各店で作り方がそれぞれ違うのはけっこう驚きだった。
チャーハンの卵って、ごはんにかけて炒めます?それとも先に卵で後からごはん?
またごはんは冷やごはんですか?それとも炊き立て?
これ、正解はないようで、各店で(メニューにもよるのか?)やり方が違っていて、いずれの方法もあるようなのだ。
あ、決して「どれでもOK」というわけではなく、それぞれの店の料理人がきちんとメニューとして考えての話ですね。
今回「家庭で作る場合」として紹介されている方法では、先にごはん(暖かいヤツ)で後から卵をかけるやり方である。
うちの嫁さんはどうやってたっけ・・・?
続いて今回の目玉企画(死語)、ご当地焼きそば特集!!ぷっきー大感激!!きぃー!!(なぜ?)
こっちの記事では詳細な調理方法までは載っていないが、皿に盛られた各地の焼きそば写真はどれも食欲をそそるに充分な臨場感である。
富士宮焼きそばの特徴としては「麺は硬め、具は肉カス、仕上げに鰯の粉末」だそうです。
ぷく先輩、合ってます?
しかも「日本一有名」とまで書いてある。
すいません、全然知りませんでした・・・
焼きそばなのでどこも気取った店ではなく、本当に地元で愛される飾り気のない店が多いようだ。
焼きそば専門店だけでなく、喫茶店やスナックや駄菓子屋でも出している店が多いらしい。
このあたりは宇都宮餃子のようなテンションとは少し違うのかもしれない。
見た目は確かにうまそうだが、やはりこれは食べてみないことにはわかりませんね。
じゃじゃ麺も味は想像していたのとは少し違ってたし。
なお横手焼きそばは「甘口ソースと柔らか麺に目玉焼き」、太田は「一店一味。同じ味は一つもない」だそうです。
どちらも全然知りませんでした。
いずれのご当地やきそばも、都内で食べることはなんとかできそうだが、専門店ではなく居酒屋のメニューのひとつとして出してるような感じだそうです。
これはやはり富士宮までロケに出かけねばなるまい。
あ、「ぷくちゃんと行く秋の富士宮焼きそばオフ会」っての、どうです?みなさん!(ツアコン?)
そのご当地焼きそば特集に続く「地元民なら誰でも知っている“ふるさとの味”」というページに、「ソース焼きそばにトマトソースをかける?」というタイトルで、新潟のイタリアン焼きそばが紹介されている。
自分はこのイタリアンを以前テレビで見て知ってはいたが、それでもやはり驚いた。
趣味の範囲でそうやって食べる人がいるかもしれないよねレベルの話ではなく、新潟界隈ではイタリアン焼きそばは定番のメニューとして通用しているらしい。
正直あんましうまそうとは思えないんですけど、どうなんでしょうか?
食に興味のない自分だけど、あたし的にご当地モノとしてちょっとだけみなさんに驚いてほしいなと思うのは、北海道の赤飯である。
ふつう赤飯というのは小豆と一緒にもち米を炊くからあの色になるのだが、北海道では米を炊く前に食紅で色を付けるのである。
なので色を忠実に表現するなら「ピンク飯」だ。
しかも入っている豆は小豆ではなく、甘納豆である。(この甘納豆は金時豆のことで、和菓子の甘納豆とは全く別モノです)
大きさは小豆の3倍くらいあるだろう。
こんな北海道赤飯を弁当に持っていくと、周りの人はまず驚くのだ。
色はピンク、しかもでかい甘納豆がごろごろ。
自分も妻も関東育ちだが、偶然にもお互い両親は北海道の人間で、赤飯を作るのに全く衝突もなく、今でもこのピンク飯を食っている。
味は豆のせいでだいぶ甘いんですけど、ごま塩をかけてちょうどいい感じになります。
興味のある方は北海道出身の人に作ってもらって下さい。
さて雑誌全体の感想。
記事の見出しが意外に高いテンションである。
「きみは本物の「揚州炒飯」を食べたか!」とか、「わが家の「たまご炒飯」を究めるぞ」「タイ式炒飯・カオパットも楽しいぞ」など、語りかけ口調はどこか「ビッグ・トゥモロウ」を思わせる。
まあ許容の範疇なんだが、あんましくどいと読むのがつらくなるだろうなぁ。
お料理雑誌なので写真が非常に重要だ。
当然それに精通したカメラマンや編集スタッフが起用されているのだろう。
構図やピントの合わせ方、明るさや立体感の出し方など、さすが食の雑誌だけあって実に見事である。
また書体やレイアウトなど、編集の基礎的な部分には全く隙がない。
しかも全ページオールカラー、コート紙。
こういう点は非常に評価したいところである。
ページ数は150程度なので、軽いし持ち歩くには便利だが、このボリュームで860円てのは適正なんだろうか?
値段のわりに物足りないという批判もあるかもしれない・・とこっちがやや不安。
まあプレジデント社だし、1000円以下の雑誌にグダグダ言う貧乏人はハナから相手にしてないとは思いますが。
雑誌につきものの広告だが、飲食関連ものが多いのは当然だが、広告ページ量はそれほど多くない気がする。
今月号の表4(裏表紙)はクルマの広告である。
少し意外です。
そんなわけで、初めて読んでみました「dancyu」。
思ったよりもずっと一般向けで、結構おもしろかったです。
塩ラーメン特集でも組まれたら、ぜひ買ってみようと思います。
(難しいかな・・・)
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