見ていない 第15回 みごろ!たべごろ!笑いごろ!
聴いてないシリーズをはじめ、あたしのBLOGの主なテーマである「各種未体験シリーズ」は毎回後ろめたい気分で延々書いているのですが、今回の「見ていない」番組については、どうも感覚が少し違うのです。
もちろん見ていないので後ろめたいには違いないのだが、一番的確にこの心境を表すとすれば「居心地が悪い」である。
その居心地の悪い「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」。
76年から78年にかけて、当時の小中学生の間で爆発的に人気があったお笑い番組である。
が、実はほとんど見ていない。
関東ではNET(現テレビ朝日)系で月曜夜8時からの放送。
加山雄三とキャンディーズが司会、出演は伊東四朗や小松政夫、西田敏行や武田鉄矢や木の実ナナなど。
今あらためてメンツを見るとかなり濃い。
活動の場はそれぞれだが、今も現役の芸能人ばかりである。
裏番組には日本テレビ系の「紅白歌のベストテン」があったはずで、我が家ではこっちばかり見ていた。
歌番組がそれほど好きだったというわけでもなかったんだが、迷いもなく「紅白歌のベストテン」を見ていたので、他のチャンネルを見てみる、という行為に及ぶことはほとんどなかった。
迷いがなかったんだから幸せなテレビライフだったはずなんだが、問題はやはり学校での話題である。
夢中になってたヤツが非常に多く、分が悪かったのである。
昭和の小学生にとって、テレビ番組はお勉強なんかよりもずうっと大切な情報である。
見ていて当然の番組を見てなかったわけだから、話題についていけない。
じゃあ見りゃあいいじゃん、となるんだが、ちょこっと見た範囲ではどーも自分の感覚に合わない笑いだったのである。
デンセンマンやしらけ鳥といった名物?も見たことはあったが、逆にこの笑いに夢中になる友人の感覚がいまいちわからない。
「乗り遅れた」ということもあるが、必要以上にハイテンションで電線音頭を大合唱するクラスの連中の姿に、かなりの違和感を覚えたのである。
「・・・あれってそんなにおもしれぇか?」という感じ。
でもクラスで孤立するのが怖かったので、見ていないことを悟られないようにしながら適当に声を合わせて「電線音頭」の合唱に参加したりしていた。
この「居心地が悪い」感覚が、今も残っているのだ。
(なんちゅうスケールの小さい話・・・)
このあたりの感覚は「仮面ライダー」や「サンダーマスク」といったヒーローものにも多少ある。
これまで述べてきたとおり、我が家は決して「お笑い番組禁止」などの措置はとられていなかった。
(ドリフは見放題だった)
ただ毎週見る番組が比較的固定されていて、そこを変えてみようという雰囲気にもあまりならず、結局「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」に変えたことがなかったのだ。
おそらく親がどこかのタイミングでこの番組に切り替えていたら、そのまま見続けていたと思われる。
昔はテレビってふつう「一家に一台」だったので、案外そういうご家庭は多かったんじゃないでしょうか。
まあ冷静に考えればデンセンマンにしてもしらけ鳥にしても、姿がむやみにおもしろいとか歌詞が笑わせるといったものではない(と思う)。
昭和のコント番組は子供がマネしやすいものが受けたため、毎回わかっていながらお約束で誠実に登場するデンセンマンやしらけ鳥に、子供たちは夢中になったんだろう。
ドリフの「志村ー!うしろー!」なんて、子供の反応がそのまま文字になって後世に残ってるよね。
「電線音頭」は実はこの番組が原典ではなく、その前に放送していた別の番組で桂三枝が考案したものだそうだ。
デンセンマンのデザインは石ノ森章太郎が手がけており、あのオフィス北野の森社長(いつもビートたけしの記者会見の場にいる、髪を後ろでたばねたヒト)も、地方の営業でデンセンマンに扮して踊った経験があるらしい。
どこかなじめないデンセンマンにも、調べるとけっこう深い話があるわけですね。
最近では「パチンコCRデンセンマン」てのもあるそうですが・・・
つくづく便利な時代になったもんだが、こういう番組もDVDが発売されている。
明らかに我々中年をターゲットにした商品なのだろうが、自分の場合、今見たとしてもやっぱりシンから笑えないような気はするなぁ・・・
このトシで今になって電線音頭に開眼するってのもおかしな話だし。
そんなわけで未だに居心地の悪い自分ですが、見ていた方のご感想はいかがでしょうか・・・?
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コメント
おっとっとっと、よ~いよいよ~いよ~い
おっとっとっと、ちゅちゅんがちゅん ちゅちゅんがちゅん
(ノリノリで踊っている姿をご想像ください)
…あ、兄さん、アタシのこと呼んだ?(いい汗かきまくり)
すんません。毎週この番組を見ていたのはアタシ。
そして田舎の知り合いのとこに行った際、沈む夕日とカラスを見て突然電線音頭を踊った結果(この時点で既におかしい)、田んぼに落ちて帰りの車の中では「クセー、クセー」と家族から説教されまくり。
あれ以来電線音頭禁止令が我が家で出たという…情けない話。
確かにあの番組、どこが面白かったんだろうと考えるとよくわからないんですよね。しいて言えばピンクレディに何の魅力も感じなかったキャンディーズ派の私、多分キャンディーズがこの番組では新曲とかを真っ先に披露してくれたりしたからでしょうかねぇ。多分そうなんじゃないかと思う…。ちなみにキャンディーズはミキ派。
居心地の悪さもわかる気がします。だって小松の親分さんと「ニン!」の伊東さんですからねぇ。あの微妙な笑い、アタシは結構好きでした。それが今のアタシに続くんでしょうけど、冷静に考えれば子供たちがあの笑いを喜んで見ていたというのって不思議。だけどツボだったなぁ。
ベンジャミン伊東のアナーキーっぷり、小松の親分さんが哀愁漂うしらけ鳥と共に見せる切なき後姿。人生には色々あるんだよって事をおせーてもらった結果が『田んぼ落ち』なワケでした。
いつか一緒に踊りましょう。
投稿: 祥 | 2007.06.02 23:27
(あぜ道で電線音頭を踊る祥お嬢の存在にかなり遠くから気づき、身を固くしながら目を合わせないように脇を通りすぎようとして呼び止められて)あ?ああ、祥お嬢?げげげ元気?いや、わかんなかったなぁ。
え、今?いや、兄さんちょっと田んぼの営業で忙しいのよ。(意味不明)
また今度振り付け教えてよ、じゃあねー(軽自動車で走り去る)
・・・失礼しました。
はぁ・・やっぱお嬢も見てたんだ・・
ますます居心地の悪いあたし。(じゃ書くなよ)
キャンディーズはドリフの全員集合にもよく出ていましたね。
ただ特にピンクレディーにもキャンディーズにも熱中した記憶はありませんが・・
>人生には色々あるんだよって事をおせーてもらった結果が『田んぼ落ち』なワケでした。
深い・・深すぎるお嬢のコメント。
あの番組でも人生を学ぶ題材になるんですね。
このトシになってもテレビ見てそんなの考えたこともないなぁ・・
加山雄三が司会という話ですが、進行上特に問題なかったのか、そんなつまんないことが気になりました。
投稿: SYUNJI | 2007.06.03 10:39
かつてSYUNJIさんと我が世の春を謳歌していたのに、いまやブログ路上生活の一歩手前のぷくちゃんといいます。SYUNJIさん、しけたせんべいですが食べますか?ちなみにココログのメンテの後、アクセス数が激減しておりもうアクセス解析を見る元気もありません。
さて私の住んでいる県では、幼い時にはこの系列局がありませんでした。フジかTBSがそのすべて。ただしローカルの局の縛りが今ほどきつくなかったので、NET系列の仮面ライダーがTBS系列の地方局で放映されていたりしました。
テレビチャンピオンが今でも土曜の午後一時から、鑑定団が日曜の昼12時からやっているんですよ!信じられますか!(←壊れている)
この番組も見ていません。でも加山雄三・・・モーニングショーの前田吟のようなものでしょうか?非常に気になる。DVD・・・・買わないだろうな・・・・
投稿: ぷくちゃん | 2007.06.07 23:03
二度送ってしまいました。このコメントとともに削除願います。しかし、アドレスといい認証といいセキュリティ、ばっちりですよね。
投稿: ぷくちゃん | 2007.06.07 23:09
ぷく先輩、風前の灯火BLOGへようこそ・・・(暗闇にロウソクをともす)
なんだか仕事上の売り上げ減がそのまんまBLOGのアクセス数に直結してるような寂しさ・・
先輩にはウルトラだいまつがありますから、大丈夫ですよ。
>さて私の住んでいる県では、幼い時にはこの系列局がありませんでした。フジかTBSがそのすべて。
日本テレビ系はどうだったのでしょうか?
「紅白歌のベストテン」は?
>テレビチャンピオンが今でも土曜の午後一時から、鑑定団が日曜の昼12時からやっているんですよ!
関東では日曜の昼1時から鑑定団の再放送やってますよ。
(1年くらい前の放送)
テレビ東京もタマの使い回しが激しいようです。
>でも加山雄三・・・モーニングショーの前田吟のようなものでしょうか?非常に気になる。DVD・・・・買わないだろうな・・・・
近日中に先輩のBLOGでこのDVDの渾身のレビューが見られるでしょう・・
投稿: SYUNJI | 2007.06.07 23:53