読んでみた 第14回 Straight,
男性誌を全然読まない中年サラリーマンのSYUNJIです。
各社とも苦戦の色濃い男性誌ですが、今日読んでみたのも中年おじさん向け雑誌「Straight,」。
「自分のスタイルで24時間を愉しむ男の月刊誌」がキャッチだそうだが、系統としては「BRIO」「Uomo」「ゲーテ」あたりと同じと見ていいだろう。
でも実は読むのは初めてである。
ちなみにタイトルには「Straight,」というように「,」が付けてある。
付けてる意図は不明。
「モーニング娘。」と同じようなもんかな?
「Straight,」、版元は扶桑社。
2005年9月創刊の月刊誌で、発行部数は50,000部。
今回読んでみた2007年6月号は680円。
判型はA4、総ページ数は160くらいである。
創刊当時に書店に山積みになっていたことは知っていたが、全く興味がわかず手にとったこともなかった。
どーせまたバカ高い店とバカ高いお洋服と高飛車な人生訓でも書いてあんだろ?と、ややすさんだ気持ちで構えていたのだが、果たしてどうなのでしょうか。
・・・・・読んでみた。
今月号の目次はこんな感じである。
・クルマをめぐる噂66を検証する!
・重森三玲の世界 「永遠のモダン」を往く
・アラン・シルベスタイン 20年の軌跡
・新丸の内ビルディング GRAND OPEN!!直前情報
・各国大使館御用達レストランpart4
他にコラムや連載ものが20本くらい。
記事の数は思ったより少ない。
まず思ったのは、記事によってかなり様々な方向を向いているということ。
総合誌なので当然とも言えるが、記事の雰囲気や文体も様々なのである。
「クルマをめぐる噂66を検証する!」という特集は、フェラーリやベンツなど自分には縁のない高級なクルマの話が多いが、文面は案外柔らかく、「ベストカー」や「Tipo」、または同じ版元の「SPA!」を思わせるノリである。
また新丸の内ビルや各国大使館御用達レストランの記事は、さすがに高い店ばかりが紹介されていて、ややスカした印象。
一方「重森三玲の世界」は、昭和の作庭家である重森氏の残した数々の庭を紹介するシブイ内容。
「サライ」とかに載っていそうな感じの記事だ。
重森庭園美術館、岡山の「友琳の庭」などが紹介されている。
重森氏の作品の中で最も有名なのは、京都の東福寺の方丈庭園だろう。
東福寺は紅葉で有名な寺だが、庭園にも非常に特徴があることで知られている。
初めて東福寺の庭園を見た時は「変な庭だなぁ・・」と思ったのだが、順番に見ていくと結構おもしろいと思えるから不思議だ。
それを知っていたこともあってか、この記事は意外に楽しめた。
「アラン・シルベスタイン 20年の軌跡」は、フランスの時計デザイナーであるアラン氏の20年に渡る作品の紹介。
この人を発掘してマーケットに紹介したのは日本人だそうだが、非常に特徴のあるデザインで、これも見ている分にはおもしろい。
ただし限定モデルが多く、値段は自動車並だったりなので、実用道具としての時計の紹介ではなく、芸術品としての鑑賞と割り切る必要がある。
このようにそれぞれの記事が向いている方向が様々なので、よく言えばバラエティに富んでおり、悪く言うと統一感がなく散漫な印象、となる。
男性誌はこういうことも多いだろうが、これをどうとらえるかは好みの問題だ。
ただこの散漫な印象が前に出てしまうと、戦略的にはかなり厳しいのではないかと思う。
この雑誌のスタンスだと、ヒマつぶしにはいいかもしれないが、意欲を持った購買につながっていくかどうかは疑問である。
個人的には「BRIO」のような「全体的にスカしてる」雑誌なんかよりはいいんじゃないかと思うけど。
ページデザインなどはまあふつうの範疇だ。
写真もきれいだし、紙質も特に気になる点はなかった。
書体はゴシック体が基本なので柔らかいイメージではある。
ただ写真にかぶる文字の処理が、一部美しくない箇所はあった。
一応処理を施したつもりなのだろうが、読みやすくなっているとは言えない状態だった。
この点は残念である。
表紙は石井竜也。
地色は白で、見出しを表紙にも載せているスタイル。
文字は多いが背景が無色なのでうるさいという印象はない。
あまり男性誌っぽくない表紙である。
やはり表紙は女性タレントを起用したほうが売れるのではないかと思う。
ページ数がそれほど多くない雑誌だが、広告がかなり少ない。
この手の男性誌にしては珍しい状況だ。
読む側にとっては好ましいことであるが、これは編集方針なのか営業結果なのかを知りたいところである。
感想。
記事内容そのものは思ったよりもおもしろい。
ただ他の雑誌でも読めそうな内容なので、とりたててこの雑誌を次回も買おうという意欲をかき立てるものではなかった。
多面的な紙面づくりは悪くはないとは思うが、無難なところで落ち着いてしまっており、個性が希薄になっている。
専門誌じゃないからしかたがないのだが、少なくとも雑誌名を聞いてイメージがわくところまで浸透してはいないだろう。
比較は少しムリがあるけど、「LEON」のように宣伝戦略に長けた雑誌には勝てないんじゃないだろうか。
そんなわけで初めて読んでみた「Straight,」。
1回だけではこの雑誌の本当の魅力を理解できるとは思えないので、興味のある記事があればまた手にとってみようかと思います。
・・・・・と締めくくろうかと思ったら、巻末にて衝撃の告知を発見。
Straight,はこの2007年6月号をもって休刊いたします。
初めて買ったのに休刊かよ・・・・
これまで雑誌の創刊号を買ったことはあるが、休刊の号を買ったのは初めてである。
男性誌をとりまく厳しい現実を、図らずも体感してしまう結果となってしまった。
やっぱ売れなかったんだろうなぁ・・・広告がこんなに少ないとやっていけないんだろうなぁ・・・
ちょっと入ってみた定食屋が意外にうまかったので「おばちゃんここって定休日いつ?」と聞いたらとても寂しそうな顔で「ウチ今日で店じまいなのよ・・」と言われて絶句してしまった三流サラリーマン・・・のような心境。
三流サラリーマンは事実ですけど。
というわけで、おそらく二度と読むことができないであろう「Straight,」。
まあ版元はフジサンケイグループの扶桑社なので、この休刊、さほど深刻ではないだろう。
勝手な想像ですが、たぶん当たりでしょう。(ひがみ)
編集のみなさんもこれに懲りずまたおもしろい雑誌を作っていってほしい・・とよくわからない感想を思い浮かべました。
| 固定リンク | 0
コメント
この記事そのものより、人気記事ランキングなるサイドバーに設置された項目に目が行ったぷくちゃんといいます・・・・きぃー!(お約束)コンピューターに詳しくないと言いつつも色々知っているSYUNJI!許せん!ちなみに私も左上にジャケットクリックすると、自分の記事にジャンプする小賢しいものを駆使してつくりました。(ちゃっかり宣伝)
さてこの雑誌、知りません。でも休刊だからまあいいか。
石井竜也は新庄みたいに見えたし、「永遠のモダン」というフレーズも最初に作った人には生みの苦労があったのでしょうが、今では陳腐と紙一重。もともと出版社としては怪しい企業なのでまあこんなところかなと。
私はこの企業体の地方系列局にいたので、多分学園祭ののりで作っていたのが容易に想像できます。spa!もいつまでたっても垢抜けないんだよな・・・リスペクターやっていた時にはよく読んでいましたが。
投稿: ぷくちゃん | 2007.05.13 09:11
ぷく先輩、おはようございます。
「人気記事ランキング」なんてエラソーな項目ですが、ココログの案内をもとに作っただけで、この言い方も変える方法がわからずそのまま・・
ちなみにあたしのBLOGではなぜか「カセットアダプター」が異常なほど人気です。(しかもこの傾向がずうっと続いている・・謎だ・・)
>さてこの雑誌、知りません。でも休刊だからまあいいか。
休刊の号のコレクターがいるという話は聞いたことがありますけど、そういう方にとってもさほど価値のある雑誌にならないかもしれませんね。
「平凡パンチ」「マルコポーロ」の最終号は人気が高いそうですが・・
>私はこの企業体の地方系列局にいたので、多分学園祭ののりで作っていたのが容易に想像できます。
先輩の華麗なる経歴ですね。
小田和正や中村雅俊とのおつきあいはこの頃でしょうか。(場内ややどよめき)
>spa!もいつまでたっても垢抜けないんだよな
前身の週刊サンケイよりはマシかもしれませんね。(比較が古い)
狙ってやってるわけではなく、本人たちが垢抜けてないことに気づいてないフシはありますが。
投稿: SYUNJI | 2007.05.13 10:05
SYUNJI兄さん、先日はども。あなたの祥お嬢です(呆)。
つーか「いかすバンド天国」、あまりの濃さに反応できなかったわよぉ。
先日東京へ行った際、雑誌等を全く読まない私が丸善のエスカレーターから
流れるように目に付いたのが「LEON」とこの雑誌でした。
え?コレ、カールスモーキー石井?(未だにそうとしか呼べない)
しかも遠く離れたとこから見たのに「,」って何さ…と思ったアタシ。
「藤岡弘、」の「、」と同じ意味なのかなあと。
でもやっぱり「LEON」の方が気になるなぁと。
上記のぷくちゃん様のコメントが気になって私もサイドバーをチェックしちゃいました。
いいですねー。人気記事ランキング。1位が堂々のいか天ですか!
カセットアダプターも堂々の2位。
そういえばウチの旧館はカセットテープの写真を羅列しただけのあの記事が物凄い人気だったっけ、なんて思い出しました。
今後も人気記事ランキング、楽しみにしています。
「愛の劇場」、いずれ時間を見てカテゴリーで作っておきましょうか(笑)。
コメント欄なのに(爆)。
投稿: 祥 | 2007.05.13 13:16
祥お嬢、コメントありがとうございます。
>雑誌等を全く読まない私が丸善のエスカレーターから
>流れるように目に付いたのが「LEON」とこの雑誌でした。
LEONは未だに読んでませんけど、編集長が変わってもあまり関係なく書店にたくさん並んでますね。
電車の中でLEON読んでる人を一度も見たことがありませんけど。
>「藤岡弘、」の「、」と同じ意味なのかなあと。
これも理由がよくわかりませんな。
「未だ完成していない、という意味をこめて」いるそうですけど・・
カールスモーキー石井と石井竜也をどう区別してるのかもわからないし。
なぜ「磯野貴理」にしたのかもよくわかりません・・(関係ないか)
「人気ランキング」とか書いてありますけど、一瞬でもアクセスされたエントリは加算されてしまうようなので、検索サイトで引っかかってチラ見で通り過ぎてしまってる場合も多いとは思います・・
カセットアダプターの巻なんて、人気が高いことにはなってますが、あれ以来誰からもコメントももらってませんし。
>「愛の劇場」、いずれ時間を見てカテゴリーで作っておきましょうか(笑)。
そのうちグレノス本編を揺るがす人気ページに成長するでしょう・・(デタラメ)
投稿: SYUNJI | 2007.05.13 16:18