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聴いてみた 第39回 グランド・ファンク・レイルロード

グランド・ファンク・レイルロード。
ローリング・クラッチ・ホールドに似ていなくもない(似てねえよ)この長ったらしい名前だけは知っていたが、これまでの生涯で全く接触することもなかったバンドである。
グレイトフル・デッド同様、曲もメンバーも全く知らず、という状態。
実はグレイトフル・デッドとの違いすらよくわかっておらず、前回デッドのCD買う時も「どっちでもいいや」と思っていた。
たまたまそん時はデッドのほうが安かったので、デッドを先に聴いてみただけである。

で、グランド・ファンクのほうだが、1月にぷく先輩とともに渋谷の中古CD屋を物色した時に、「ああそういえば次はグランド・ファンク買うんだった」と思い出し、比較的すんなりと購入。
買ったのは「グランド・ファンク」(通称レッド・アルバム)である。

Grandfunk

その後居酒屋でぷく先輩に購入を報告したのだが、先輩の中では自分とグランド・ファンクの結びつけができなかったようで、「こいつこんなの買ってる・・」と、かなり驚いていた(ように見えた)。
もちろんセリフはあたしの勝手な想像です。でもたぶん当たり。
まあぷく先輩とはなにしろ当日初めて会ったばかりだし、こっちもそもそもグランド・ファンクなんか全然知らないので、結びつかなくて当然なのだが。

70年代に活躍した彼ら、伝え聞くのは「正統アメリカン・ロック」「世界一の大音量バンド」「伝説の後楽園球場ライブ」などの勇ましい修飾語である。
何が正統で伝説なのかよくわからないが、とにかく聴いてみることにした。

・・・・・聴いてみた。

基本的にサウンドを支配しているのはベースだと思う。
ドラムは意外に軽くパタパタした音だし、ギターもアレンジがあまりなく、ふつうにエレキの音である。
アップテンポの曲が多いが、聴いているとけっこう(わずかな場合もあるが)リズムの変化がある。
特に変わった印象ではなく、この頃から現在に至るまでロックではふつうに行われる技法だと思う。
スタジオ盤だが、どの曲もシンプルな楽器の音なので、セッションやライブのような臨場感はある。

全般としてはブルース色の濃い曲調が多い。
明るく楽しい曲や美しいバラードやアコースティックはこのアルバムにはないようだ。
感覚的には「やや硬派でオトコくさいサウンド」である。
ただ、想像していた以上にボーカルが甲高い。
「世界で最も大音量なバンド」と評されてるらしいが、生演奏を聴いてるわけじゃないので、そこまではわからなかった。
「Paranoid」という曲はセミのようなギターとゆがんだサウンドが延々続き、ラストは赤ん坊の泣き声が聞こえる怪しいサウンドである。
プログレのようでもあり、ツェッペリンのようでもあるが、その割には単調で聴いていてけっこう退屈する。

自分の乏しい鑑賞履歴の中で、サウンドが似ていると感じたバンドがあった。
クリームである。
マーク・ファーナーのボーカルは、キーは少し違うがジャック・ブルースに似ていると思う。
(もっと似ていると思ったのはエリック・マーティンだ。)
このボーカルに少しどろんとしたベース、スピードのわりにけっこう軽めなドラム、そしてブルースなコード進行がセットされると、自分としてはクリームに近いものを感じるのだ。
「In Need」「Winter And My Soul」という曲には少し長いギターソロがあるが、音の種類はそれほどでもなく、このあたりギターはさすがにクラプトンの技にはかなわないようだけど。
クリームに似てはいるが、自分としてはクリームのほうが好みである。

感想。
どの曲でもシンプルなサウンドがゆえに、全体としてはやや冗漫で少し飽きが来る。
時代を考えればそんなものかもしれないが、このあたりはやはりアメリカのバンドだからだろうか、クリームやツェッペリンのようなヒネリが少ない。
言ってしまえば「どの曲も同じように聞こえる」というところなのだ。
だからと言って転調が好きというわけではないんですけどね。
まあバラードやアコースティックなんかもあって、時々違う人も歌って・・・という、わりとお買い得感のあるアルバムが自分は好きなんでしょう。

アルバムジャケットはメンバーの演奏姿を濃い赤の単色で表した写真(絵?)である。
この色がゆえに「レッド・アルバム」と呼ばれるそうだ。
特にシブイとかダサイという感想はないが、なんとなくパルコとかアトレなどファッションビルのバーゲンポスター調のようだと感じる。
このジャケットの下に「グランバザール!!」なんて書いてみると案外しっくり来ます。

その後の彼らのアルバムには、あのトッド・ラングレンがプロデュースしたポップなシリーズもあるそうだ。
こちらはどんな音がするのか、ちょっとだけ興味があります。
次回聴くとしたらこのあたりをねらってみようと思います。

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コメント

あの日の居酒屋でSYUNJIさんに全額を出させなかった事を悔やんでも悔やみきれないぷくちゃんといいます。この次はおごってください。(←せこい)

さてGFRですか・・・あれちゃんとレジで払っていました?なんだかそのまま逃げていたような気がしますが・・・

私はアメリカのロックが苦手でほとんど聴いた事がありません。

>どの曲でもシンプルなサウンドがゆえに、全体としてはやや冗漫で少し飽きが来る。

これ以上に自分の思いを表現してくれた文章を他に知りません。

投稿: ぷくちゃん | 2007.03.25 10:17

グランドファンク 懐かしいですね!雨の後楽園、感電も無視してギター弾きまくってました。同じころやはり、雨の後楽園EL&Pのグレッグはやたら感電気にしてました。どちらもTvでみたんですがね?バックステージでギターを弾いていた人がいたという噂!!トッドの力でポップになった、GFはいいですよ。We are AmericanBand なんてうたっちゃうんだから!ロコモーションのカバーもいいし、そのあたり聞いてみてください。インフルエンザで寝込んで3日目です。

投稿: マルチオーディオ | 2007.03.25 10:42

ぷく先輩、先日渋谷では高いお酒をごちそうさまでした。
おまけにお土産までいただいてしまい、恐縮です。
あんなにたくさんきれいな子がいるお店で顔がきくなんて、さすが先輩ですね。(果てしない捏造)

>さてGFRですか・・・あれちゃんとレジで払っていました?

なんちゅうことを言うんや!
そういうことはもう中学の時に卒業したの!(え?)

>これ以上に自分の思いを表現してくれた文章を他に知りません。

てことは、先輩もGFRについては同様の感想ですか。
悪くはないんですが、感覚的には少し飽きが来る音だなぁと・・

マルチオーディオさん、コメント感謝です。
インフルエンザ、大丈夫ですか?
我が家でも2人ほどインフルエンザ患者がいます。
先週は熱が下がらない妻を大学病院の救急外来に連れて行きました。

日本で流行する最大の原因は通勤電車らしいですね。
多くの人がものすごく接近した状態で狭い環境で一定時間過ごす(しかも毎日)というのは、日本特有の感染原因だそうです。

>雨の後楽園、感電も無視してギター弾きまくってました。
>同じころやはり、雨の後楽園EL&Pのグレッグはやたら感電気にしてました。

エレキギターって感電することがあるんですね。
日本でも山田かまちという若いアーチストが感電死してますが・・・怖いですね。

>トッドの力でポップになった、GFはいいですよ。

そのようですね。
実際セールスとしてもポップ転向後のアルバムのほうが成功しているようですし。
そのうち聴き比べてみようかと思います。

投稿: SYUNJI | 2007.03.25 14:36

SYUNJIさん、こんばんは。
このアルバム、各種解説本では知っていましたが、ジャケットは
赤色だったのですか。いつも白黒ページで見ておりましたので、
初めて知りました。
私は解散直前のライブ盤1枚のみ所有しております。これを選んだ
のは「アメリカンバンド」などヒット曲が多く収録されていた
からです。

>>その割には単調で聴いていてけっこう退屈する。
アメリカンハードの代表格ですが、ギターそのものはブリティッシュの
影響があるかなと思いました。ただし、大きく違う点は、強引で力業の
リフを延々と引き続けるところです。リフを得意としたZEPのペイジ
とも明らかに違います。とにかく押して押して押しまくる。
「アメリカンバンド」のようなキャッチーな曲はすんなりと入って
いけますが、私の場合、もっとハード色の強い曲はちょっと苦手
でした。

さて、GFRは紙ジャケシリーズが出るほど日本では安定した人気が
あります。GFRがデビューした当時は日本でも「バカバンド」と散々
な評価だったそうです。それでも人気に火がつきました。
そして伝説と化した「雷鳴の後楽園球場」の熱気を熱く伝え、日本で
初めてロック評論で真正面から取り上げることにより、GFRの人気拡大、
評価の一変に大きく貢献したロック評論家こそ・・・・!
(SYUNJIさんが鋭く反応してくれることを希望)

投稿: モンスリー | 2007.03.27 22:19

モンスリーさん、コメント感謝です。
やはりライブ盤フリークのモン様、GFRもライブ盤でしたか。

>リフを得意としたZEPのペイジとも明らかに違います。とにかく押して押して押しまくる。

ペイジのリフってなんか怪しいですよね。
チカラで押すというのではなく、「ほーら、こういう音怪しいだろ?」とギターが不気味にゆがんで笑ってるというか・・
本人も怪しい笑みが多いですけど。
とりあえず聴いた範囲ではGFRには怪しさは感じませんでした。

>GFRがデビューした当時は日本でも「バカバンド」と散々な評価だったそうです。

むごい表現だなぁ・・
それでも紙ジャケが出るほど人気はあるんですね。
ぷく先輩も実は持ってますよ。(でまかせ)

>評価の一変に大きく貢献したロック評論家こそ・・・・!

ああ、東郷かおる子ですね。(深い断絶・・)

投稿: SYUNJI | 2007.03.29 00:21

SYUNJIさん、こんばんは。
>>とりあえず聴いた範囲ではGFRには怪しさは感じませんでした。

極論ではありますが、サウンドの明快さがアメリカンハードのよ
さですね、LAメタルとか。くすんだブリティッシュハードとは
明らかに違います。
GFRの場合、力で押す以外にも、リフを執拗に繰り返す特徴が
あります。

>>ああ、東郷かおる子ですね。(深い断絶・・)

またまたぁSYUNJIさん、照れ屋なんですから。
あのお方に決まっているではないですか。日本のロック評論界
の最高峰であり、極東の島国で「ツェッペリンの○×」と呼ばれる、
そう、あのお方ですよ。(さらに煽ってみる、笑)

投稿: モンスリー | 2007.03.30 23:09

モンスリーさん、おはようございます。

>あのお方に決まっているではないですか。日本のロック評論界の最高峰であり、
>極東の島国で「ツェッペリンの○×」と呼ばれる、

湯川れいこ。
あ、中村とうようでしたっけ。(しらじらしい)
「ツェッペリンの原宿」、あ、違った「ツェッペリンの恵比寿」かな?「代々木」でしたっけ?「三軒茶屋」?
だんだんつらくなってきた・・

(極めて不機嫌そうな役所の職員調で)で、なに?
GFRもシブヤがもちあげてんの?ふーん・・
あーあ。急に次を聴く意欲が失われていくのが自分でもはっきりとわかります・・

そういやヤツはエイジア再結成のコンサートなんか行ってないでしょうねぇ?ぷく先輩。(←とばっちり)
もし行ってたとしたらワタシが許さない!
いったいどのツラ下げてCCレモンホールに来たんじゃワレ!
案外楽しそうに手拍子なんかしてたらどうしよう・・(果てしなく無意味な不安)

投稿: SYUNJI | 2007.03.31 10:53

SYUNJIさん、こんばんは。

>>「ツェッペリンの原宿」、あ、違った「ツェッペリンの恵比寿」かな?

爆笑!!! ではこれからは、こちらではあの方のことを「ツェッペリンの
原宿」と呼んでしまいましょう(^^;)。

冗談はさておき、渋谷氏のGFRの思い出はこちらにかかれています。

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF%E9%80%B2%E5%8C%96%E8%AB%96-%E6%B8%8B%E8%B0%B7-%E9%99%BD%E4%B8%80/dp/410146703X/ref=sr_1_2/249-4384825-0717165?ie=UTF8&s=books&qid=1175432084&sr=1-2

悪い内容ではありません。図書館や古本屋で見かけましたら一度おためしください。

投稿: モンスリー | 2007.04.01 21:57

モンスリーさん、情報感謝です。

ご紹介のURLで本のレビュー見ましたが、「顔が濃い」「ミック・ジョーンズに似てる」といった記述に大受けです。
本の中身と関係ないんでしょうけど。
あたくしは個人的にはファンド村上にも似てると思っていますが。

投稿: SYUNJI | 2007.04.01 23:55

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