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聴いてみた 第26回 ザ・フー

ザ・フーはうんざりするほどたくさんある「聴いてないアーチスト」の中でも、さらに一段と縁遠い人たちである。
聴いてなかったことに引け目すらあまり感じていなかったという無自覚なアーチストの扱いだったが、いろいろ調べていくうちになんとなく大きな過ちをおかしてしまっていたような感覚になっていった。
ピート・タウンゼントが実は「タウンゼンド」が正しいことを発掘したことも無関係ではない。
あんましよくわからないが、「北の国から」以上の危機感が自分を覆っていた。(大げさ&意味不明)

今回はモンスリー師匠のご指導&V.J.若のご推薦で「My Generation」を聴くことにした。
彼らのデビューアルバムである。
ほとんどの曲がオリジナルという、当時としては異例の創作力に満ちたアルバムだ。
キンクスはホヤのようなバンド」とはぷく先輩の名言だが、ザ・フーはどんな味がするのだろうか。

・・・聴いてみた。

雰囲気は60年代のブリティッシュ・ロックそのままである。
リズミカルでスピードのある曲が多い。
また深いブルースもあって、かなりバラエティに富んだ感じである。

聴いていて一番感じたのは、もしかしてドラムの音がこのバンドのキモではないか?ということ。
もちろんボーカルもその他の楽器も主張が強く、かなりの緊張感があるのだが、ドラムがサウンドの中心にしっかりあって、ハードなナンバーからどっぷりブルースまでを強力にホールドしているような気がする。
この音はかなりいいですね。
これがウワサのキース・ムーンのドラムか・・・

あと思ったんですけど、ザ・フーって演奏や歌唱の水準、相当高くないスか?
60年代サウンドなのでシンプルではあるのだが、コーラスやハーモニーもそれなりにしっかり作ってあるし、ボーカルも案外きれいな声だ。
ライブでは楽器を壊すのがお約束という彼ら、もっと荒っぽくてずさんな演奏で絶叫したりするのかと思っていたが、このアルバムを聴く限りではそういった粗暴バンドの香りはない。
「I'm A Boy」なんて曲は非常に楽しそうで純粋なイメージです。

一方で「I Don't Mind」「Please, Please, Please」は思いっきりブルースである。
この曲はいずれもジェームス・ブラウンのカバーだそうだが、ダミ声で歌うロジャー・ダルトリー、黒っぽいギターのピート・タウンゼンド。彼らのアメリカへの強いあこがれがにじみ出ているようだ。
「My Generation」は「歳とる前に死んでやる!」という青い内容だそうだが、ロジャーもピートもそれなりに長生きしている・・・。

感想。
ザ・フー、このアルバムはおおむね誠実なサウンドだが、この路線は案外退屈しない。
そして思ったより表現が豊かなバンドだ。
比較したらいかんのかもしれませんが、キンクスよりは聴きやすいと感じます。
アルバムを1枚聴いただけなのだが、かなり多面的な曲づくりをしているように感じる。
楽器壊したり早死にしたり捕まったり耳が悪くなったといって訴えてみたりといった負の話題ばかりが先に入ってしまったが、演奏や楽曲自体はストレートでピュアな印象だ。

勝手なイメージとしては「根は案外純情なワル」。
「けっこうとっつきにくくてあまり話もしないけど、意外に優しくて捨て猫なんか拾ってるヤツ」なんてところでしょうか。(なんだよそれ)
キンクスは捨て猫拾ったら突然いたずらで友達の背中に押し込んだりしそうだし、ビートルズは捨て猫を使って女の子くどいてそうだしなぁ。
よくわかりませんけど、そんな感じを受けました。

そんなわけでザ・フー、自分としてはかなり良かったです。
どうして今まで聴いてなかったのかよくわからないが、もう少し若いうちから聴いていれば・・と多少思わせる、そんなアルバムでした。

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コメント

私もザ・フーは全然聴いていないのですが、例の映画だけは見ていて、ピート・タウンゼントがじきじきに演出したというミュージカル版もこのたび見てきました。
音楽の専門的なことはさっぱりな私なんですが、これだけの物語をロックアルバムで語ってしまうというのがもうスゴイ才能だと、それだけは感じました。で、思わずトラバしました。よろしくです。

投稿: ぴむ | 2006.03.18 20:03

SYUNJIさん、おはようございます。優良ブログの管理人さんと知り合いでうれしいな!(詳しくは我が記事で!)

>ザ・フーって演奏や歌唱の水準、相当高くないスか?

いやあ、その通り!キンクスは好きですが下手ですよ!下手。でもフーは上手だと思います。特にロジャー。抜群の歌唱力。高いところから低い音まで何でも来い!という感じでしょうか?

>勝手なイメージとしては「根は案外純情なワル」。

あの・・それって俺のことでしょうか?恥ずかしいな・・・ぽっ!

「WHO!S NEXT」も是非。聞いてみてください。私は一押しです。

投稿: ぷくちゃん | 2006.03.19 07:58

こんにちは。
有害ブログ運営者のV.J.です。

オジキ、本文リンク恐縮です。
いやぁ~聴きましたか♪
で、一聴して、「ドラムがキモ」って点をすぐに見抜きましたか!!
さすがでございます。シャッポを脱ぎました。
で、で、もう一度、リズム隊を聞いてみてください。うねうね、やたら手数の多いベース…

そうです!
Whoはリズム隊が当時のバンドの中では圧倒的に図抜けているんですよ♪
(正直、フロントの2人が好きぢゃない私は、Whoのファンと言って良いかいかがなもんなんですが…)

>楽器壊したり早死にしたり捕まったり耳が悪くなったといって訴えてみたり
すげー
Whoのパブリック・イメージ…
で、この音ですから、拍子抜けと言えば拍子抜け(笑)
僕が、Whoのどうしてもノメリコメナイ唯一の理由。で、「好き」ですが、「とっても好き」ではない理由がここに。。。
ここまでイメージを作っておいて、以外と「優等生」なとこなんですよねぇ。
えらく正統派で上手い!
で、イメージがあれ…

SHOWBIZにクビまでずっぽりデビュー時から浸かっているバンド。ってイメージが強いのが正直なところです。

悪口ばっかりいってますが、マイジェネは最高の1枚だと思っています!(以前、拙い記事を書いたのでTBさせて下さいませ)

P.S. Who's Nextダイキライです(激爆)

投稿: V.J. | 2006.03.19 12:04

多分、V.J.が書き込む以前から、「V.J.が俺の後に書いたらWHO'S NEXTの悪口書くんだろうな・・・」と予想していたぷくちゃんと言います。

V.J.、かかったな!これぞゴキブリほいほい攻撃!SYUNJIさん、有害ブログにだまされてはいけませんぜ・・・へへへ。はっ!うちも有害ブログだった!

実はこれはV.J.と交互にコメント残すことでこのブログも有害にしていく計画。

ふふふふー(←記事と引っ掛けたオヤジ・ギャグの範疇にも届かないつぶやき)

投稿: ぷくちゃん | 2006.03.19 18:01

ぴむさん、コメント感謝です。

>私もザ・フーは全然聴いていないのですが、例の映画だけは見ていて

「ロックオペラ・トミー」ですか・・・
ロックアーチストによる「コスプレ映画」という評価もあるようですが。
でもそれだけの著名なアーチストを動員できるピートの才能(人徳?)はすごいですね。

ぷく先輩、V.J.若、コメント感謝です。
なんかお二人とも有害指定を受けて少しコメントが乱れてるみたいですけど。

ザ・フー、演奏や楽曲の水準が高いというところとまでは共通の評価ですね。
で、次の「フーズ・ネクスト」の評価がまっぷたつ・・
代紋をゆるがす騒動に発展しなければいいですが。

>Whoはリズム隊が当時のバンドの中では圧倒的に図抜けているんですよ♪

なるほど、自分でもその点までは理解はできました。
ただそれが好みに発展するかどうかは微妙ですね。
ビートルズはあまりにもジョンとポールの才能が突出していて語られすぎてるんで、かえって評価は難しいですが、「リンゴのドラムがサウンドの中心だ」という評価はたぶん少ないと思います。

>実はこれはV.J.と交互にコメント残すことでこのブログも有害にしていく計画。

また困ったネタを拾って来ましたなぁ・・

投稿: SYUNJI | 2006.03.19 23:39

SYUNJIさん、こんばんは。
前にも書きましたが、フーにはまるきっかけが「My Generation」で、
いきなり奴隷になってしまいました。毎日フー漬け、財布の中身が
次々とフーCDに化ける毎日でした。

>>雰囲気は60年代のブリティッシュ・ロックそのままである。
そうなんです。私は60年代ブリティッシュビートが苦手で、フーのこの
作品も傾向が強いのですが、なぜか気に入ってしまいました。

>>ドラムの音がこのバンドのキモではないか?
鋭い、鋭すぎます! まさにその通りで、ムーンの破天荒なドラムこそ、
このバンドの骨幹をなすといえましょう。
70年のライブを収録したDVD「ワイト島ライブ」で、常にムーンを基点と
して映像が撮られているのも、偶然ではありません(←もちろん、
ここは評論のパクリ、笑)。

>>意外に優しくて捨て猫なんか拾ってるヤツ
爆! タウンゼンドとムーンはかなりの暴れ者だったようですが、
ダルトリーはまじめだったそうです。エントウィッスルはよく
わかりません。

>>もう少し若いうちから聴いていれば・・
日本では聞いているロックファンは少なかったのです。安心しましょう。(^^;)
というわけで、コメントを寄せておられるみなさんからも次のおすすめ
作品が出ていますが、私はあえて大作「トミー」を推します。ヘビー
すぎるかもしれませんが、一度はまると抜けられなくなる中毒性の
強いアルバムです。

投稿: モンスリー | 2006.03.20 21:47

モンスリーさん、今回もご指導ありがとうございました。
やはり音楽は聴いてみないとわからんもんですね。(当然か)

>ムーンの破天荒なドラムこそ、このバンドの骨幹をなすといえましょう。

このバンドってリーダーはピートなんですよね?
4人のチカラ関係があまりよくわかっていないのですが。

>私はあえて大作「トミー」を推します。

みなさんそれぞれオススメのアルバムがあるようですが、評価がかなり割れますね。
ぷっきーは「トミー」を「つまらない」と言ってましたし。
それぞれ聴いてみて、自分は誰にすり寄るべきかがわかるかもしれません。

投稿: SYUNJI | 2006.03.20 23:12

SYUNJIさん、こんばんは。
>>このバンドってリーダーはピートなんですよね?
>>4人のチカラ関係があまりよくわかっていないのですが。

音楽的なリーダーは、やはりタウンゼンドです。
フーの4人は、ツェッペリンのメンバーとおもしろいほどキャラが
似ていているのですが、ペイジが他の3人がいなければツェッペリ
ンなしえなかったのと同じで、タウンゼンドとフーもまたしかり、
のようです。

タウンゼンド=ペイジ・・・・オフステージでドラマーと無茶苦茶する。
ムーン=ボーナム・・・・同上。かつ、唯一無二のドラム。
エントウィッスル=ジョーンズ・・・・一見物静か。本当は???
ダルトリー=プラント・・・・まじめ???

投稿: モンスリー | 2006.03.22 22:21

モンスリーさん、解説感謝です。
なるほどツェッペリンと照合してみると非常にわかりやすいですね。
こういう解説が一番ありがたいです。
キース・ムーンとボンゾは若くして亡くなったことまで共通してますね。
プラントがまじめってのはちょいと違うような気もしますが。

投稿: SYUNJI | 2006.03.22 23:21

キンクス好き、でもまぁ、ザ・フーも聴いているいしはらです。

キンクス好き的観点から言うと、一番すきなのは「フー・バイ・ナンバーズ」であります。
今はどうか知らないけれど、発売時の邦題は「ロックンロール・ゲームス」。なぜだ?

綺麗なメロディ。そこはかとなく寂しげな雰囲気。内省的な、そして爆発しないサウンド。
と書けば推察がつくとおり、フーのコアなファンにはあまり評判のよくないアルバム。

AORじゃないんだから、フーにこんなことを求めるのは筋違いなのですが、とにかくアルバム全体の雰囲気がいい。
いつもぎらぎら・ぎゃんぎゃんしている人がふっと力を抜いてお茶を飲んでいるところを見てしまったような、そんなアルバムです。

ある意味、フーのバンドとしてのアルバムというよりも、当時の(1975年)シンガーソングライター的なアルバムなのかもしれない。

でも、しみじみ、いいっす。

投稿: いしはらかっぱ | 2006.10.28 22:31

いろいろとコメント感謝です。

>綺麗なメロディ。そこはかとなく寂しげな雰囲気。内省的な、そして爆発しないサウンド。
>いつもぎらぎら・ぎゃんぎゃんしている人がふっと力を抜いてお茶を飲んでいるところを見てしまったような、そんなアルバムです。

これまたすごい説得力のある評価ですな。
キンクスもそうでしょうけど、ザ・フー、思ったより表現の幅がありそうなバンドですね。
キンクス好きのいしはらには申し訳ないけど、今んとこキンクスよりも聴きやすいとは思っているので、だいぶ意欲がわいてきました。
図書館で探してきます。(買うとは言わない貧乏人)

投稿: SYUNJI | 2006.10.29 00:13

The Who は当時にしては異常なくらいハイレベルですよね . 未だにあれが六十年代に作られた音楽だとは思えません .

因みに Led Zeppelin の名づけ親は他ならぬ Moon (お前らの行き先は“ツェッペリン号だ!”という Moon の指摘)だったり , Zep の 1st のジャケは Entwistle のアイディアだったりするので Zep のメンバーは大分 Who の影響を受けてるンじゃないかと思います .

投稿: 山口 弘 | 2008.07.30 21:25

山口さん、コメント感謝です。

>The Who は当時にしては異常なくらいハイレベルですよね .

同感ですね。
このあと「Who's Next」を聴いてますますそう感じました。

>Led Zeppelin の名づけ親は他ならぬ Moon (お前らの行き先は“ツェッペリン号だ!”という Moon の指摘)だったり

あーそうだそうだ、その話も聞いたことがあります。
キース・ムーンがいなければツェッペリンというバンド名もなかったかも・・と考えると、功績は偉大なものがありますね。

投稿: SYUNJI | 2008.07.31 23:11

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