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2005年の終わりに

BLOGを始めて丸2年が過ぎた。
すでにエントリは100回を超え、ありがたいことに今年のエントリには全てにコメントがついた。
しかしながら今年になって自分は特に何かが変わったわけでもなく、相変わらず三流素人リスナーのままではあるが、今年起こったBLOG関連のできごとの中で印象に残るものをあげてみようと思う。

1.モンスリー氏との会見
このBLOGの常連コメンテーターであり、自分にとってのプログレ指導者であるモンスリー氏に、お会いする機会を得たことは、音楽ブロガーとして至上の喜びであります。(大げさ?)
いやーでも実に楽しかったですね。
ロックに詳しい人と実際に会ってお話することなんて最近ほとんどありませんので、これからもこういう機会がもてればいいなと思います。

2.MP3プレイヤーを買った
「聴いてみた」シリーズで採り上げたアルバムは全てこのMP3プレイヤーで聴いてみました。
ipod全盛の昨今ですが、あえてアップルの戦略に屈せず、MuVo2を買ったことに満足しています。
いや、本気だって。(負け惜しみ?)
getsmart0086さんのご指導によりめでたくカセットアダプタを使ってカーステレオでも聴くことができました。
ありがとうございました。

3.ウルトラSYUNJI連載開始・終了
そもそもは自分がELPを聴いてみた時、実相寺昭雄の名前を挙げたことがきっかけだった。
これにモンスリー氏・ぷく先輩が反応し、お互いのウルトラ者の血が呼び覚まされることになる。
その後ぷく先輩は自らのBLOGにおいて、あろうことかあたしの名前を無断で使用したシリーズを発表。
それがBLOG界に改革旋風を巻き起こした「ウルトラSYUNJI」である。
シリーズ名のせいか人気は急上昇し、各界のウルトラ者が集う社交の場と化したのである。
にもかかわらず先日またしても無断でシリーズ名を「ウルトラJunk」に変更。
これを期にぷっきーとの仲はいっそう険悪なものになり、今では互いに毒キノコを投げつけ合う状態が続いている。(ロイター←大ウソ)

4.頭に来てもらったぷくちゃん
そのぷく先輩だが、日も経ったし書いてしまおう。
あたしのBLOGのあるエントリに、そのアーチストのファンの方から、他の方のコメントも含めて聴いてない自分をやや批判する書き込みがあった。
これまでもっと辛辣な事例はあったが、それに比べれば比較的紳士的な表現ではあったので、一応自分の考えを返しておいた。
自分としてはそれほど気にさわったわけではなく、また自分の考えにある程度自信というか信念は持っていたので、それを相手の方が受け入れてくれるかどうかは向こうの問題だと思っていた。

しかしぷく先輩はその人の書き込みに納得がいかず、自らのBLOGで「頭に来た」と宣言。
またしてもこのエントリに各界の著名ブロガーが数多く賛同し、ここにぷく組の「楽しく音楽を聴く同盟」の血の結束が固まったのである。

ぷく先輩の宣言、また多くの方がそれに賛同してくれたことは大変ありがたかった。
それ以上にありがたかったのは、ぷく先輩含め賛同してくれた方は誰一人として、あたしのBLOGの問題のエントリに反撃や意見などを書き込まなかったことである。
これをやってしまうと、非常に不毛な結果に終わってしまうことは、心あるオトナであればすぐにわかることだ。
しかしながら現実には互いに非難の応酬となり、いわゆる「荒れてしまう」サイトのなんと多いことか。
「頭に来た」と言いながら、実際には誰のBLOGのどのエントリかも特定はあえてしていないぷくちゃん。(わかる人にはバレバレですけど)
彼はネット上の作法を心得ている粋人である。
そして彼の元に集う方々も含め、この場で御礼申し上げる次第です。

再度宣言しますが、自分はロックを愛する者として、互いの趣味は理解できずとも決して否定はせず、また決して排他的にならずにネットを利用していく所存です。

5.ユリイカに載った
これを境になんとなくコメントしてくださる方が増えたような気はしますが、あまり関係ないのかな?
実際に「ユリイカで知りました」という方がどれくらいいるのか、少し知りたい気はします。

そんなわけで2年も続いてしまった愚かなBLOGですが、2006年もよろしくお願いいたします。
みなさま良いお年を。

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聴いてみた 第23回 キング・クリムゾン その3

大人のロック」によればELOもボストンもプログレだそうです。
従ってELOもボストンも聴いている、プログレリスナーのSYUNJIです。
・・・って、そんなの誰も認めないよなぁ。
ということで、真のプログレリスナーを目指し、久々にクリムゾンの世界に戻って参りました。

今回聴いてみたのは、以前から聴きたかった「ポセイドンのめざめ」。
「宮殿」に次ぐ2作目だが、作曲の要であったイアン・マクドナルドは脱退していて、ピート・シンフィールドのドラムもイマイチ精彩を欠き、グレッグ・レイクもアルバム作成中にすでにELP結成の準備をしていたりで、クリムゾン血の結束はすでにバラバラだったらしい。
そんな状況下で作られたためか、「宮殿のバージョンダウン盤」などという厳しい評価もあるようだ。

poseidon

まあ素人のあたしにはそんなこたぁどうでもいい。
何しろすでに「太陽と戦慄」「宮殿」を聴いており、精神的にはかなーり余裕がある。うははは。
しかしながら相変わらず薄気味悪いジャケット。
だがこの薄気味悪さが、なぜか期待のようなものを感じさせるのだ。
こんだけ気味わりぃジャケットなんだから、フリップ先生、タダでは帰すまい。

時間があいたわりにはなぜか余裕のクリムゾン英会話教室。
「今日はわかんなかったらフリップ先生に英語で質問したろうか」などとおかしなテンションのまま同級の人達に「ハァイ」などとスカした挨拶をカマし、かなり前のほうの席に着席して、ふんぞり返って聴いてみました。

・・・・聴いてみた。

1. Peace/A Beginning
雰囲気は「21世紀のスキゾイド・マン」と同じオラオラなノリである。
ただこっちがクリムゾンの音に多少慣れたせいもあるが、オラオラ度はそれほど強くはないと感じた。
なんだかミステリー映画のオープニングのような感じだ。
思ったより短い。

2. Pictures Of A City
メロディは1曲目と同じ部分がある。
というより、1曲目との境はよくわからない。
さすがプログレ、2曲目で早くも初心者を混乱させるに十分な構成。

3. Cadence and Cascade
一転、アコーステッィクギターとピアノとフルートの美しい旋律。
この展開は宮殿の流れによく似ている。

4. In The Wake Of Poseidon ["Including Libra's Theme"]
もの悲しい調べにのせて壮大な展開を見せる。
この曲の中ではドラムが重要なパートだと思う。
音は結構軽いのだが、ぱたぱた聞こえる連打が、ソリッドな印象を強くしている。
神話の世界を描きながら、世の中は様々なものが対となってバランスをとっている、といった内容を歌っているらしい。

5. Peace - A Theme
すいません、どこからどこまでがこの曲だったんでしょうか・・・

6. Cat Food
これまでとかなり雰囲気の違う曲だ。
かなりオラオラだが楽器の音に厚みがなく、即興のようにも聞こえる。
歌詞も神話や抽象的なものではなく、現代的な内容のようだ。
場面はスーパーマーケットらしいが、訳を見ても全然意味がわからない・・
お母さんが作ってる料理がキャットフード並ってこと?

7. The Devil's Triangle
アドベンチャー映画のBGMになりそうな曲。
かなり長いが、緊張を強いるサウンドだ。
主人公、危うし!
危険が迫っている!
少しずつ上がっていく音程は、こんな場面を連想させる。
徐々に和音が壊れ、それぞれの楽器が好き勝手に鳴り響いていく。
ビートルズの「A Day In The Life」を思わせる展開である。

8. Peace/An End
ラストは静かな語り口の曲。
エンディングはやや唐突に終わってしまう。
少し拍子抜け。
注意していないといつ終わったかもわからない。

確かに構成は宮殿とよく似ている。
初めにオラオラな曲があって、対照的な静かなサウンドが続く。
違うのは宮殿ほどのまとまりがないこと、「 Cat Food」のような別路線の曲があることだ。

感想。
「聴きやすい」というほどではないが、全体としては悪くない。
宮殿に比べるとインパクトに欠けるらしいが、自分にはピートのドラムにもグレッグのボーカルにも、特に宮殿との違いはわからなかった。
確かに宮殿のような壮大な展開がやや少ないし、また多少グレッグのシャウトがおとなしい気もするが、自分がクリムゾンの音に慣れたせいもあるのだろうか、いわれるほどの宮殿との差は感じない。
いずれにしても不必要に暗い曲や、やたら長い演奏などもなく、想定内のサウンドだった。
欲を言えばもう少しエンディングに凝ってほしかったとは思うけど。

2作目にして早くも脱退やら新グループ結成やらでむやみに楽しそうなクリムゾン。
結束がバラバラとは聞いてましたが、サウンド面において深刻な影響はあったんでしょうか?
聴いた範囲ではそこまではわかりませんでしたが・・・

ということで、今回はこれまでいただいたアドバイスをもとに、自主的にアルバムを選んでクリムゾンを聴いてみました。
ようやくプログレでも「自立した鑑賞」ができるようになったかと思うと、感慨無量です。(本当か?)
ちょいとイイ気になって聴くと痛い目に会うプログレですが、今後も慎重かつ大胆に鑑賞していきたいと思います。

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聴いてみた 第22回 ビーチ・ボーイズ

聴いてないシリーズで採り上げてきたアーチストは、基本的に聴いてないので、当然ですが「よく知らない」ことがほとんどです。
まあ中にはチープ・トリックのようにメンバー全員の顔も名前もわかってる場合や、パープルのようにモメ事だけは押さえてる場合もありますが、そんな例はあまり多くありません。
ビーチ・ボーイズもそんなバンドのひとつ。
長いこと海とクルマとお姉ちゃんを歌うアメリカンなお気楽バンド、だと思っていましたし、今でもそのイメージからは脱却できていません。
ところがどうも話はそう単純ではないらしい。

ビーチ・ボーイズ、ベスト盤と「ペット・サウンズ」を押さえておけばいいだろうと思い、図書館へ。
しかし残念なことにどちらも見あたらない。
で、あったのはこれ。

SMILY

「スマイリー・スマイル」という、昔流行った健康器具みたいなタイトル。(←それは「スタイリー・スタイリー」。)
曲やアルバムのタイトルだけではどんな時代のものなのかさっぱりわからない。
でも「グッド・バイブレーション」も入ってるし、まあ楽しいビーチ・ボーイズが満喫できるだろうと軽く考えて借りてみた。

しかし。
おうちに帰って、聴く前にネットで調べてみたら、どうも様子が違う。
このアルバム誕生についての大まかな経緯は以下のようなものだった。

まずこのアルバムの前に、最大の問題作と言われる「ペット・サウンズ」が発表された。
ブライアン・ウィルソンは、すでにクスリで精神も肉体もよれよれではあったが、次作「スマイル」を作成しようとする。
「グッド・バイブレーション」はものすごいおカネと時間をかけて録音され、このあたりでレコード会社やメンバー間の関係もおかしくなり、本来もっとアートなアルバムになるはずだったものが、半ば強引なレコード会社の方針で適当に曲をかき集めて作られるはめになった。
これが「スマイリー・スマイル」だそうだ。

当然ながらブライアン自身にとっても満足のいくものではなく、さらに世間(アメリカ)での評判は全然良くなく、セールス的にも失敗作で、ビーチ・ボーイズは危機的状況に陥ったという、因縁のアルバムらしい。
・・・・なんだか初めて聴くのにどうしてこうなるんでしょうか。
免許取り立てなのに族の改造中古車(しかも事故車)を間違えて買ってきてしまったような心境。
初心者マークをつけたデッパ竹ヤリ土禁チンチラ吊革箱ノリミラーボール3連ホーン。
あー何言ってんだろ。でも昔近所にホントに初心者の族車乗りっていたよなぁ。
それにしてもこういうヒネたアルバムを揃えてるM市立図書館、職員の中にすんごいマニアックな趣味の人がいることはもはや疑いの余地がなくなってきました。

先によけいな知識を入れるんじゃなかったと後悔。
まあ借りちまったものはしょうがない。
ぐったりしながら聴いてみました。

・・・・聴いてみた。

やはりイメージしていたサウンドとは随分違う。
「グッド・バイブレーション」もきちんと通して聴いたのは初めてだが、思ったよりもかなり複雑な構成だ。
コーラスは美しいが、決して一本調子ではない。
楽しいコーラスバンドの片鱗が聴ける曲もあるが、なんとなく難しい印象の曲が多い。
ビートルズの後期ほどの大胆な実験サウンドではないが、結構アレンジがあったり、回転数を上げたり笑いながら歌っているような曲もあって、煩雑な感じがする。
オルガンの音が聞こえる曲が多く、逆にドラムやギターがあまり前に出てきていない。
転調も結構あって、自分の感覚では「妙に明るいプログレ」といった表現になる感じだ。

感想。
さすがにコーラスは洗練されているし、クオリティは高いとは思う。
「グッド・バイブレーション」は悪くない。
・・・のだが、どうも曲ごとの出来というか品質にかなり差があるように思える。
海やサーフィンやクルマやお姉ちゃんを歌っている曲はなく、ベタなビーチ・ボーイズのイメージからはかなり乖離している気がする。
短い曲が多いせいか、聴いた後の余韻も充足感もあまり感じない。
気がついたらアルバム全曲聴き終わっていた、というのが実感。

モンスリー氏から「ビーチ・ボーイズのファンにはレアなものも含めてあらゆるアルバムをコレクションする人が多い」という話を聞いた時は非常に意外な感じがしたが、ネットで調べると確かに「激レア」「超貴重盤」などというアオリが踊るサイトに、けっこうビーチ・ボーイズのものが見られる。
そういう扱いを受けてるバンドだったんですねぇ・・・未だにイメージと結びつかない気はしているのですが。
ビートルズだってアイドル時代とスタジオ時代では音が全然違うのだから、それと同じだと考えればいいんですかね。

そのビートルズとビーチ・ボーイズだが、ブライアンはビートルズの「ラバー・ソウル」に衝撃を受けて「ペット・サウンズ」を作り、ビートルズは「ペット・サウンズ」に刺激されて「サージェント・ペパーズ」を作った、というライバル心に満ちあふれた関係だったらしい。
「サージェント・ペパーズ」はポールの主導で作られた部分が多いと思われるが、「ペット・サウンズ」を聴いて危機感を持ったのはむしろジョン・レノンのほうだったそうだ。
もうホントに今まで全然知らなかったのを恥じ入るばかりだが、ビーチ・ボーイズとビートルズって、そんなに関わりが深いとは思いませんでした。

そういったわけで、どうやらいきなり上級者向けから聴いてしまったらしいビーチ・ボーイズ。
さすがにこのアルバムは少し難易度が高かったようです。
ここはいったん初期のお気楽なビーチ・ボーイズを聴いて出直し、一方でブライアンをはじめとする人間愛憎関係の学習にも着手しようと思います。

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聴いてない 第79回 クラッシュ

ロンドン・パンクの代表的バンド、クラッシュ。
当然ですが余裕で聴いてません。
クラッシュに限らず、パンクはプログレやブルース同様、自分にとってはかなり遠く離れた音楽である。
もちろんピストルズやダムド、PILといったパンクバンドはどれも全く聴いていない。

聴いてない度は2。
「ロンドン・コーリング」というシングルたった1曲だけ、エアチェックの経験あり。
この時に感じたイメージが、その後の展開を支配したという状態。
簡単に言えば趣味じゃなかったということである。
最近日産X-TRAILのCMに使われている曲は結構楽しそうでいいが、これも終わりまで通して聴いたことは一度もない。
ステージ上でまさにギターをたたきつけんとしている写真のジャケットがあるが、例によって「もったいない・・」と感じてしまった。
メンバーで知っているのはジョー・ストラマーだけだ。
ミック・ジョーンズという人がいるそうだが、もちろんフォリナーのミックさんとは別人だろう。

たまたま録音できた「ロンドン・コーリング」だが、調べたら歴史的大作として名高い同名のアルバム収録曲だそうだ。
リアルタイムでエアチェックしたわけだが、その後全く聴く機会はなかった。
この曲はジョー・ストラマーのニワトリのような雄叫びがどうも楽しくなく、テープから消そうかとも思ったのだが、前後に気に入った曲が録音されており、しかたなくそのまま聴いていたという、残念ながら自分としては評価の低い曲である。

パンクに関する自分の知識は極めて貧弱だ。
聴いてないから当然なのだが、怒り・反体制・暴力・叫びといった抑圧から来るエネルギーが昇華した音楽、といったありきたりのイメージしかなく、「なんかうるさそう」「野蛮」という偏見を未だに持っている。
パンクに限らず、本来ロックそのものがそういう音楽のはずなんですけどね。

クラッシュはレゲエやジャズなど幅広いジャンルを採り入れた、パンクではむしろ変わってるタイプのバンドだそうだが、ジョー・ストラマーはどのジャンルにも根底に「抑圧への抵抗エネルギー」があることを知っていて、ジャンル共通のテーマとしてとらえていたらしい。
レゲエなんて音楽は最近日本でもふつうに流行ってて、なんとなくゆるいリズムに乗せてラム酒でも飲みながら楽しくやろうぜベイベーなどというお気楽なイメージになってるような気がする(錯覚?)のだが、源流はそんな生やさしいものではないんですよね。
これはジャズもラップも同じである。
いずれにしろゆるい日本で育った自分にとって、彼らの想いなど理解できるはずもないだろう。
もっとも「源流を理解しなければ聴いてはいけない」などとは思いませんが。

パンクな彼らも売れればセレブ。
レコードがヒットしたおかげでスターバンドとなったクラッシュは、労働者階級の反体制ソングをステージで歌い、ステージからホテル(もちろん高級)まではリムジンで移動という、極めて矛盾した活動を行うはめになったそうだ。
しかもいろいろなジャンルの音楽を採り入れ長く活動した分、太く短くカッコよくが信条のパンクにあっては、かえって厳しい評価を受けることもあるらしい。
これはしかたがないよなぁ。
ミュージシャンだって資本主義の中の職業なんだから、売れた分だけクラスが上がっていって当然なんだが、そうすると本来持っていた反体制のポリシーからはどうしたって乖離してきますよね。
ロックのファンなんて勝手なもんで、ひいきのアーチストが売れてどんどんビッグになると「体制に迎合した」「堕落した」などとこき下ろしたりするのだ。
気持ちはわかるが、こんなのはただのひがみである。

反逆のカリスマ→時代の寵児→暴力・ドラッグ・ヤケクソ→自暴自棄・破滅→早死に→伝説・・・といった流れが、カッチョイイ(死語)ロック・ミュージシャンのエリートコースなんだろうけど、こんな人はそうたくさんはいないよね。
カート・コバーンはこれに近い経歴のような気もするが、持っていたエネルギーの出し方は「反逆のカリスマ」とは少し違うと思いますが、どうなんでしょうね?

ジョー・ストラマーは2002年、心臓麻痺で亡くなったそうだ。
犬の散歩を終えておうちに帰ってすぐのことだったらしい。
「ドラッグの過剰摂取」「猟銃自殺」「自動車事故で激突死」「ニューヨークで凶弾に倒れる」などといった伝説的なパターンとはほど遠く、パンク・ロッカーとしてはあまりにも地味な亡くなり方だが、むしろ人間味にあふれていて、なんとなく興味がわいたりしている。

そんなわけでクラッシュ、自分が思っているよりもかなりバラエティに富んだ音楽のようなので、大作「ロンドン・コーリング」や「サンディニスタ」から試そうと思いますが、より初心者向けのアルバムがあれば教えていただきたいです。

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聴いてない 第78回 ロバート・パーマー

ダンディーなオトコの色気漂う、ロバート・パーマー。
基本的にダブルのスーツが似合うアーチスト、というイメージである。
「ちょい悪オヤジ」を目指して雑誌「LEON」なんか読んでる中年の、目標とすべき到達点はこのヒトあたりにあるのでしょうか。
まあダブルスーツはLEON系ファッションとは少し違いますけど。(←読んでんのかよ)

ロバート・パーマー、基本的にパワー・ステーションでしか聴いてません。
そもそも彼の名を知ったのもパワステがヒットしたからだ。
パワー・ステーションも「デュラン・デュランの分裂バンド」としての認識から聴いており、メンバーの中でロバートの名を最後に知ったという状態だった。
他の3人と違って出身バンドを持ってなかったロバート・パーマー、いったいどんな人なのか今も実はよくわかっていない。
ソロとしては「I didn't Mean to Turn You On」しか聴いておらず、聴いてない度は2。

パワー・ステーションの場合、デュラン・デュランの中でどっちかっつうと地味なほうのメンツで構成されているので、初めはあんなに売れるとは全然思わなかった。
サイモンとニックとロジャーという派手目なメンバーで結成されたアーケイディアは、デュランをさらに神経質にしたような音で、パワー・ステーションと比べるとあまり楽しくなく、アルバムもきちんと最後まで聴いたかどうかの記憶もあやふやである。
ロバート・パーマーとは何の関係もない話だが、エイジアの3枚目のアルバムのタイトルは実は「アーケイディア」となる予定だったが、ちょうど発売直前にバンド名として使われてしまったので、「アストラ」に変更になったらしい。

パワー・ステーションは「Some Like it Hot」「Get it On (Bang a Gong)」「Communication」のシングルをFMでエアチェックしている。
かなり頻繁にかかっていたし、「Some Like it Hot」「Get it On」はロング・バージョンも聴いている。
デュランではあまり聴けないアンディの派手なギターや、ロバートのいやらしいボーカル、トニー・トンプソンのヤケクソにでかいドラムが見事に調和していて、結構すんなりアルバムを借りに行った。
当時の雑誌の記事ではデュランが完全に分裂してなくなったとは報じておらず、パワステも「新バンド」というよりセッション・ユニットのように紹介されていた。

ジョン・テイラーはロバートのファンだったので、ボーカルをやってほしいと頼んだところからパワー・ステーションはスタートしたそうだ。
それまでロバートはデュランなんか聴いたこともなかったらしい。
で、とりあえずメンバー4人とプロデューサーのバーナード・エドワーズで始めてみたら、なんだかやたら楽しかったのでアルバムまで作ってみました、という話のようだ。

パワステの後のソロアルバム「Riptide」発売当時のFMステーションに、ロバートのインタビュー記事が載っていた。
「パワー・ステーションでアンディやジョンといっしょにセッションしてみて、あなたが一番得たものは何?」という記者の質問に、「あー、有り余るほどのドラッグ!(爆笑)」と答えていた。
ロバートはこのアルバムでもアンディやトニーやバーナードの演奏で歌っているとのこと。
だったらそのままパワー・ステーションでもよかったのでは?
このアルバムの中の「I didn't Mean to Turn You On」だけ聴いたのだが、パワステと比べるとなんとなく物足りず、結局アルバムは聴かなかった。

その後もロバートの音楽にふれることは全くなかったが、ベストヒットUSAに出演した時のことはよく覚えている。
この話は以前も書いたことがあるが、ロバートは小林克也に「息子の言葉や洞察に驚かされることが時々ある」と言い、息子が「We Are The World」のメイキングを見て、ブルース・スプリングスティーンのパートになったとたん、「パパ、この人どうしたの?」と言った、という話をしていた。
ロバートは神妙な顔で「真実だよね」と結んだのだが、見ていた印象ではどうも息子自慢というより、ブルース・スプリングスティーンやUSA For Africaなどの一連のエイドものを遠回しに批判している感じだった。
USA For Africaについても、ユニット名を自分から言わず、「ほら、あのアフリカ救済のチャリティーのユニット・・・」などと振って、小林克也が「USA For Africa?」と答えるのを待っていたように見えた。
真相は定かでないが、とりあえずロバート本人も「ブルース・スプリングスティーンはヘンだ」と思ったことだけは間違いないようだ。

90年代にパワー・ステーションは突然再結成された。
CDをタワーレコードで見かけて知ったのだが、試聴したかどうかもう覚えていない。
ジョン・テイラーも参加しておらず、日本でもあまり売れなかったようだ。

そして2003年、ロバート・パーマーは心臓麻痺で帰らぬ人となった。
ファンでもなんでもなかったので、それほどショックでもなかったのだが、ネットではあちこちのサイトや掲示板で彼の死を悼む声が続々と書き込まれていて、むしろその書き込み数や「よく聴いていた」「大ファンだった」「残念だ」という内容に驚いた。
自分が聴いてなかっただけで、聴いてる人はちゃんと聴いてるんだよなぁ・・
今さら何言ってんだよ。
そんなのロバート・パーマーに限りませんけど。

ネットで調べてみてさっき知った話だが、ロッド・スチュアートの「Some Guys(Have All the Luck)」はロバート・パーマーがオリジナルだそうだ。全然知らなかった・・・
ロッドのこの曲はかなり好きで、アルバムもよく聴きましたけど、ロバートのカバーだったんですね。
なんかまたロックの大きな常識を取りこぼしていたような・・・今ものすごく不安なんですけど、やっぱこんな話は常識でしょうかね?

彼の長いキャリアの中ではむしろパワー・ステーションが「異色の経歴」になるんだろうけど、ソロとしてのロバート・パーマー、いったいどんなジャンルの住人なのかも含めて、常識のない自分をご指導いただければと思います。

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買ってみた その2 カセット・アダプター

今年初めにMP3プレイヤーを買った。
通勤で聴くために買ったのだが、CDからプレイヤーに落とすのが楽で、非常に使いやすい。
調子に乗って家にあるCDからどんどん入れ、また図書館で借りたりしてぼんぼん入れるうちに60枚を突破した。
で、これをカーステレオで聴いてみたくなった。
聴くことができたら、CD60枚がクルマに積んであるのと同じである。
さっそくネットで方法を調べてみた。

MP3プレイヤーの音声をカーステレオで聴く場合、自分の条件に合う主な方法は2通りあるようだ。
1 トランスミッターでFMに飛ばして聴く
2 カセット・アダプターをデッキに入れて聴く

他にもあるかもしれないが、この2つが一番手軽そうだ。
ヨドバシに行ってみたら、2つとも同じコーナーに置いてある。
ただしトランスミッターのほうが高い。
どこかのサイトに「トランスミッターだと雑音が入る」ようなことも書いてあったので、カセット・アダプターを買うことにした。

買ったのはこれ

adapt

値段は1200円くらい。
これでドライブする時にMP3プレイヤーを持っていけば、BGMには困らない。
日本中の道路が自分のオーディオルームである。(←意味不明)

MP3プレイヤーのヘッドホン端子にアダプタのコードをつなぎ、アダプタをカーステレオのデッキに入れる。
これでプレイヤーのPLAYボタンを押せば音が聞こえるはずだ。
はずだ・・
はずだ・・・
はずだ・・・・
はず・・・・・・あれ?

なんか全然聞こえないんですけど。
PLAYにはなってるし、カーステレオ側も問題ないはずなんだが・・
少しプレイヤーのボリュームをあげてみたが、あまり変わらない。
カーステレオ側のボリュームもあげてみる。
・・・変わらない。
思い切って両方大音量にあげてみた。

・・・・聞こえた。
が。

・・・・音がAMラジオ以下だ・・・・
なんだよこれ?
「玉置宏の笑顔でこんにちは」以下じゃねえかよ。いや、音の質が。
とにかくまずステレオになっていない。
音が貧弱で汚い。
ボリュームを相当大きくしているので、ヒスノイズがひどい。
そのうちに「ぴゅう~~~」というハウリングのようなノイズも聞こえてきた。

・・・・これはダメだ・・
音質にこだわるほどのオーディオマニアではないが、これでは全く話にならない。
アダプタの説明書には「CDプレイヤー・MDプレイヤー・MP3プレイヤーどれでもOK」みたいなことが書いてあるが、要するにイヤホン端子かヘッドホン端子があればいいっつうことでしょ?

その昔ラジカセ同士をつないでテープを複製なんてことをよくやっていたのだが、よく考えたらヘッドホン端子の音声って、LINE INで拾っても全然まともな音量じゃなかったのを思い出した。
MP3プレイヤー側にはLINE OUT端子はない。
カーステレオ側にもLINE IN端子なんかない。(あってもこの組み合わせはダメだと思うが)
ダメじゃん。
どうすりゃいいの?

カーステレオ側に問題があるんだろうか?
「ドルビーをはずす」という手続きが必要らしいが、そんなんで変わるもんだろうか?(まだ試してません)
「音が出たんだから不良品じゃないです」ってこと?
ホントかよ?
こんな音で楽しくドライブなんかできっこねえっつうの。

先日友人のクルマでiPodの音声をカーステレオを通じて聴かせてもらったけど、CD聴いてるのと全然変わらなかった。
まあクルマやカーステレオのグレードが違うと言えばそのとおりなんだけど、玉置宏にも達していないこの音質はどうにかならんもんだろうか?

ということで、どなたかご指導いただけないでしょうか・・・
使用しているのは、MP3がMuVo2、カーステレオはクルマ純正ですがふつうのカセットデッキです。

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