聴いてみた 第21回 ガンズ・アンド・ローゼズ
生返事の得意なSYUNJIです。
「聴いてない」に比べて「聴いてみた」はなかなか回数が増えません。
そんなある日、さる高名なBLOG評論家から、「貴様は他人から情報やアドバイスを多々受けておきながら、実際全然聴いておらず生返事ばかりではないか。この非国民めが!めが!めが!・・(←エコー)・・プフォオー(←ほら貝)」といった痛烈辛辣先鋭罵倒な指摘を受けました。(大誇張)
そんなわけで、今回はその圧力に屈してガンズ・アンド・ローゼズを聴いてみました。
聴いたのは「Appetite for Destruction」。
彼らのデビューアルバムである。
「ああー全くよぅ、聴かねーとまた投げっぱなしトラックバックしてきたり妙な選手権始めたり毒きのこ送ってきたりでいろいろうるせえしなぁ・・しょーがねえ聴いてやるか」といった思いで、図書館からイヤイヤ借りてきました。(全部ウソ)
だいまつ師匠はそのあまりの良さに感動しすぎて妹にも強要したという非情のアルバム。
果たして自分にはどう聞こえるのでしょうか。
・・・・聴いてみた。
1. Welcome To The Jungle
FMで流れているのを聴いたことはあったが、イントロからきちんと聴くのは初めてである。
大きな感動といったものはないが、ガンズのイメージを決定づけるにふさわしいバイオレンス路線だ。
2. It's So Easy
アクセルのキーが低く、別人の声のようだ。
曲そのものはそれほど好みの音ではないのだが、むしろアクセルの多様な声に驚く一曲である。
3. Nightrain
最もガンズらしいのはこういうスピード感にあふれた曲だと思う。
後に発表される「You Could Be Mine」なんかもこの路線だ。
スラッシュのギターはやはり不世出のものだとあらためて思う。
エンディングがフェードアウトなのがちょいと物足りないね。
バシッと決めて終わったほうがいいと感じた。
4. Out Ta Get Me
この曲も調子は同じ。
アクセルは初めから終わりまでほぼシャウトしっぱなしなのだが、好みかどうかは別として、この声はやはりすごい。
5. Mr. Brownstone
またアクセルの別人のような低い声。
アクセルに関しては、自分はどうも高い声のほうが好みなようだ。
ギターは他の曲と変わらない音だが、ラテンのようなリズムが織り込まれていて、結構複雑な曲になっている。
6. Paradise City
少し不思議な曲だ。
全体の進行はなんとなくブルースのニオイ(香りではない)のするサウンドとリズムなのだが、サビの部分が意外とポップで明るい調子だったり、後半スピードチェンジがあって一気にアップテンポになったり。
7. My Michelle
可憐なタイトルと裏腹に、やはりヘヴィな曲である。
この曲はギターよりも、シンバルも含めたドラムの音のほうが目立つ気がする。
8. Think About You
これもスピードの早い曲だが、途中やエンディングに聞こえるアコースティックな音がかなりイイ。
どんな楽器の音かよくわからないが、ハープシコードのような音である。
9. Sweet Child O' Mine
この曲はこれまでずっとMTVから音声をテープに録音したものを聴いていた。
オリジナルを聴くのは初めてだが、ところどころMTVの音とは違う部分がある。
違いを聞き分けるために注意深く聴いてみたが、スラッシュのギター、アクセルのボーカル、聴きどころが一番多い。
これはやっぱ売れて当然という気はする。
10. You're Crazy
あんまりなタイトルだが、スピードもキーも一番トップな曲。
ただそれほどの細工やアレンジはなく、正統派のロックナンバーだ。
この音がダメな場合はガンズを聴いていくのは難しいんだろうね。
11. Anything Goes
「何でもあり」という意味の曲らしいが、他の曲に比べて楽しそうに演奏しているように聞こえる。
ギターソロの部分で少し音を歪ませたアレンジがあるが、その後のガンズの曲でも同じような音が聞こえるので、彼らはこのサウンドが好きなのだろう。
12. Rocket Queen
サウンドとしてはそれほど鋭いものはないが、ギターソロの合間にお姉ちゃんの艶めかしい声があったりする、青少年向けサービスソングである。
ガンズの曲に時々あるようだが、途中で曲の雰囲気が少し変わる。
感想。
それほど「気に入った」という感覚はないのだが、聴いてみて退屈だと思わなかったのは、自分でも意外だった。
アクセルのボーカルは今更説明の必要もないだろうが、あらためて聴いてみるとものすごい才能である。
陳腐な表現になるが、ロバート・プラントとデビカバとスティーブン・タイラーのいいところだけを持っていった感じである。
しかも他の誰にもまねできない表現力だ。
スラッシュのギターもやはりレベルが少し違うようだ。
奏でる音自体はどの曲でもそう大きく違わず、アレンジもそんなにバラエティに富んだものではないと思うが、むしろブレない力強さを感じる。
粗暴なイメージをウリにしてきたバンドで、歌う内容も暴力・ドラッグ・オカネ・お姉ちゃんといった猥雑なものばかり、実際暴力沙汰で騒がれたりもしてるが、このアルバムに関して言えば、かなり緻密に音を作ってきていると思う。
アクセル・ローズ、声や歌い方が特殊なせいで、「歌うまいね」という評価はあんまし来ないのかもしれないけど、個人的にはこの人歌うまいと思う。
これまで歌がうまいと思ったことなんかなかったんだけど、音楽の基礎はわかってやってると思いますね。
記者を殴ったり観客にマイクぶつけたりといったキャラクター面や、内紛とか仲違いとか内輪もめとか仲間割れなどの人間関係面ばっか注目していたのですが、本来の楽曲・演奏・歌唱といった音楽面で、これだけ高い水準を持っているとは思ってませんでした。
ひとつだけ注文をつけるとしたら、自分は「Patience」という曲が一番好きなのだが、このアルバムにも「Patience」調のバラードが1曲あったらもっと良かったのではないかと思う。
ということでガンズ、今回自分なりの評価はけっこう高いです。
他のアルバムにもそれぞれ知っている曲があるので、案外どれも問題なく聴けそうな気がします。
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