聴いてない 第73回 ダイアー・ストレイツ
ロンドンタウンのモト冬樹、マーク・ノップラー率いるダイアー・ストレイツ。
表記は「ストレーツ」ってのもありますが、ネットでは「ストレイツ」が多いようなのでそれに従うことにします。
さすがに「ダイヤー・ストレーツ」ってのは見あたらない。
オリジナルアルバムとベスト盤を1枚ずつ聴いているので、聴いてない度は4。
聴いたのは言わずと知れた大ヒットアルバム「Brothers In Arms」である。
「悲しきサルタン」をエアチェックしたこともあるので、一応初期の頃から知っていることになるが、他のアルバムは全く聴いていない。
初めて「悲しきサルタン」を聴いた時、マーク・ノップラーのあまりの適当な歌いっぷりに、「どうして楽器があるのにちゃんと合わせて歌おうとしないんだ?」と本気で思ったくらい驚いた。
まだ洋楽を聴き始めて日も浅く、もちろんマークのことも師と仰ぐディランのこともよく知らなかった時期である。
続いて「Tunnel Of Love」をエアチェックし、ようやくこの歌い方がマークの特徴というかウリであることに気づく。
決して音痴と言わせないムリヤリでズサンでテキトーでステバチな投げっぱなし歌唱法、慣れるとだんだんいいもんだと思うようになった。ギターサウンドは元々カッコイイし。
しばらくして登場したアルバム「Brothers In Arms」。
シングルヒットもたくさんあり、歌声や見た目に反比例してジャケットはなかなか美しく、貸しレコード屋で借りて少し高いクロームテープ(TDKのSA)に録音。
当時台頭してきたMTVを皮肉った「Money For Nothing」が大ヒット。
ポリスのファンだった自分としては、スティングの参加もうれしかった。
何よりマークにつられてズサンな歌い方になったりしなかったスティング、アナタは偉い。
スティング本人の意向に反して、作曲者名にスティングの名がクレジットされ、この曲の印税の一部がスティングに渡ることになったらしい。
MTVを皮肉ったわりに、この曲の妙なアニメのプロモ・ビデオも受けてしまい、「そういうオメーもMTVで売れてんじゃん」と世界中から突っ込まれたことも、味わい深いものがある。
この曲で歌われてる「飛行機を持ってるチビの金持ち」ってのはプリンスのことだそうで。
しかしなぜか他のアルバムには手を出すこともなく、今に至っている。
マーク・ノップラーはソロアルバムもたくさん出しているそうだが、1枚も聴いておらず、たぶん1曲も知らない。
ダイアー・ストレイツのベスト盤は聴いてみたが、「Money For Nothing」は編集されて短くなっていたのが気にいらなかったし、他の初めて聴いた曲もそれほどでもなかったなぁ。
一般にベスト盤てたくさん曲を詰め込むから、モノによっては曲の一部がカットされちゃったりすることがあって、この点は気づいてしまうとちょっとガッカリしますね。
マーク・ノップラーは映画音楽も数多く手がけ、ディランにも認められ、多くのビッグ・ネームと競演・プロデュース・曲を提供するなど、多彩な才能を持っている。
またマスコミ嫌いでもあるらしく、見た目でもかなり損してると思います。(失礼)
一方でダイアー・ストレイツというバンドは完全にマークの都合で運営され、マーク以外の人が書いた曲はアルバムにはなく、ライブでも他人の曲はやらないらしい。
昔雑誌で読んだのだが、「Brothers In Arms」もある日突然「やるぞ!」と言ってメンバーを召集して作ったものだそうだ。
なんだか突然呼び出されるメンバーも、かつてのたけし軍団みたいで気の毒ですね。
ギャラのお支払いはちゃんとしてるんでしょうか。
ダイアー・ストレイツ、日本ではその暗い印象からか、いまいち地味な評価だったように思う。
イメージとしては「ブルースが好きでギターの弾ける男が好むバンド」。
師と仰ぐディラン、また同じような歌唱スタイルのトム・ペティ、彼らについても自分は同じようなイメージをずっと持っていたし、今でもそう思っている。
しかし。
ネットでいろいろな音楽ファンの作るサイトを見てきたが、ディランもトム・ペティも、自分が思っていたよりも女性のファンが多いのだ。
マーク・ノップラーも、もしかして意外と日本の女性には支持されているのだろうか?
「マーク・ノップラーってステキ。彼のひたいがチャーミング」などと主張する女性はいるのだろうか?
ということで、できれば初期のアルバム「Dire Straits」「Making Movies」は聴いておきたいところです。
あとマークのソロの中でお勧めがあれば教えていただきたいと思います。
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コメント
こそこそ、別注の方完成しました。ぷくちゃんです。
さてSYUNJI先生もダイアー・ストレイツですか?こいつら(ひどい呼び方)、一発屋の扱いうけてる一方で、妙に変なコアなファンいますよね。厄介な奴らです。特撮で言うと「ミラーマン」と同じ位置に・・・・・
私も先生同様の聞いてるレベルで、スティングが参加しているなんて知る由もありませんでした。
ディランのスタイルを借りて、ディランよりずっとおしゃれになって、上手なポジションを獲得したような・・・・・
ウルトラシリーズは次回最終回、是非書き込みを!
投稿: ぷくちゃん | 2005.10.02 07:25
・・・ぷく先輩、活動が基本的に早朝ですね。
朝早くから辛辣なコメントありがとうございます。
ダイアー・ストレイツ、自分としては一発屋とは思ってはいないんですけどね。
昔FROCKLで教えてもらった話ですが、どんな映画かは知りませんが、「こういう時はつまらないことを思い浮かべるといいんだ。ダイアー・ストレイツの歌とかさ!」というセリフがあるそうです。
>特撮で言うと「ミラーマン」と同じ位置に・・・・・
いいなぁ、表現が絶妙。
>ディランのスタイルを借りて、ディランよりずっとおしゃれになって
どうなんでしょうね?
マーク・ノップラーもあんましオシャレとは思えませんが・・
>ウルトラシリーズは次回最終回、是非書き込みを!
え、何をおっしゃっている?
12話はどうするの?
「プロジェクト・ブルー」は?
「地底GO!GO!GO!」は?
投稿: SYUNJI | 2005.10.02 09:01
SYUNJIさん、こんばんは。
中古で購入したベスト盤を1枚所有しているものの、ほとんど
聞いておりません。
好きな曲もあります。「悲しきサルタン」「Money For Nothing」「Walk
Of Life」です。
ヒット曲の「Money・・・・」ですが、当然ながらMTVの影響で好きになりました。
あれは80年代プロモビデオの傑作ではないでしょうか。
「Walk Of Life」ですが、妙に明るいので、それで気に入ったのだと
思います。
この2曲を聴いた後、アルバム「Brothers In Arms」も借りましたが、
あまりにも重いので、カセットへの録音もしませんでした。
「悲しきサルタン」はクラプトン「レイラ」のような構成でかっこいい
のですが、基本がロカビリーで哀愁が漂っています。
なぜ私は先へ進まなかったのか、やはり「Brothers・・・・」の重さが
つらかったようです。
>>日本ではその暗い印象からか、いまいち地味な評価
私がマーク・ノップラー自身を知るようになったのは、88年のクラプトンバンドの
一員としてやってきたときです。この時のライブがNHK衛星で放送されましたので
友人に頼んで借りました。基本的にはバックに徹しているのですが、70年代の
曲ではいい感じでした。またノップラー自身も「Money・・・・」と「Solid Rock」
の2曲を主役で演奏しました。
投稿: モンスリー | 2005.10.03 21:55
こんばんは!当時、変ったギターと変った声だなと思いながら、でもけっこういい曲だなあとなんとなく聞いていました。アルバムを買うほどじゃなかったけど!ディランが気にいってプロデュースもまかせたんだっけな!あのころのディランいいですよね!マークのおかげかな?その後CDはかわないけど、嫌いじゃないバンドのひとつでした。6月だっけかな?ブラザーインアームスのSACDがでました。もちろん5.1サラウンドリミックス、こりゃいいねえ!かなりの愛聴盤になりつつあります。音は当然のようにすごいよくなってるし、サラウンドも積極的なミックスで気持ちよくこころよい!そういえば、ブライアンフェリーのボーイズ&ガールズのSACDでのノップラーもサラウンドになってより空間的な感じがでてて最高です。サラウンドもっと普及してSACD一杯でないかなあ?!と嘆くこのごろ!!
投稿: マルチオーディオ | 2005.10.04 22:55
SYUNJIさん、こんにちは。最終回アップしました。もう、テレビでウルトラものを見るのは・・・・この年で・・・・疲れた・・・・バタッ(倒れた・・・・)
投稿: ぷくちゃん | 2005.10.05 05:45
モンスリーさん、コメント感謝です。
>あれは80年代プロモビデオの傑作ではないでしょうか。
今でこそCGのプロモなんて当たり前というかむしろやや遅れてる感もありますが、当時はあんなポリゴンアニメでも新鮮でしたね。
>やはり「Brothers・・・・」の重さがつらかったようです。
確かに暗いよなぁ・・・ただあのアルバムの中で「Why Worry」という曲は驚くほど美しいですけどね。
マークのボーカルでなかったら、ヒットしてたんじゃないかとも思うくらいです。
マルチオーディオさん、コメント感謝です。
>ディランが気にいってプロデュースもまかせたんだっけな!
そのようですね。
今回いろいろ調べてみて知りましたが、作曲や歌う以外にもマルチな才能を持っているようですね。
そういう美しい話はイマイチこの日本には伝わってこないように思いますが・・
>ブラザーインアームスのSACDがでました。
コレ一度でいいから、それなりのセットでちゃんと聴いてみたいですなぁ。
そーいや今年のA&Vフェスタ、開催日を知らずに気づいた時には終わってました・・・
投稿: SYUNJI | 2005.10.07 00:04
このバンド、私はずっと「ダイア・ストレイツ」と覚えてました。(つまり、伸ばさない読み方をしてました)
ちょうど洋楽にものすごく興味を示した頃に「悲しきサルタン」をラジオで耳にしたけど、なんでこんなつまんなそうに歌ってんだろ?と思ってさして興味も示さず、「Brothers In Arms」のヒットは一応知ってるけどその時も興味を持てず、結局何の興味もないまま現在に至っています(苦笑)。
なので、Stingが彼らと共演していたことは今まで知りませんでした。
だからLIVE AIDで共演してたんですね!
ようやく理解できた。
SYUNJIさんありがとう(^_^;)。
セリフが出てくる映画を調べてみましたが、1997年公開の「フル・モンティ」だそうです。
(生活のためにストリップをする男たちを描いた話です…)
投稿: Saki | 2005.10.07 19:55
Sakiさん、こんばんは。
聴いてないのもスティングとの競演もご存じなかったのも、とても意外です!?
「Money For Nothing」のイントロとエンディングはスティングの「I Want My MTV・・・・」という声なのですが、これポリスの「高校教師」のリズムに乗せて歌ってるんですね。
ネットに書いてあったのを見て初めて気がつきました。
ダイアー・ストレイツという名前、直訳は「恐怖の海峡」らしいですが、転じて「絶体絶命」「すんごい貧乏」だそうで・・
>セリフが出てくる映画を調べてみましたが、1997年公開の「フル・モンティ」だそうです。
うわ、すごい!こちらこそありがとうございます。
どうやって調べたんですか?
さすが元FROCKL。(関係ない?)
「つまんない事」に例えられる彼らの歌ってのも気の毒ですけどね。
投稿: SYUNJI | 2005.10.08 00:23
SYUNJIさん、こんばんは。
>>あんなポリゴンアニメでも新鮮でしたね。
ポリゴン! 懐かしい(笑)。
ちなみにマーク・ノップラーは映画音楽にも力を入れて
いましたね。確か、ファンタジー映画を見に行ったときに、
ノップラーが担当だったような・・・・。
Sakiさん、SYUNJIさん、
私の場合、ライブエイドで共演があったことは、昨年のDVDで
初めて知りました。
86年の「プリンストラスト」なるイベントで共演していたのは
レンタルビデオで見たことがあります。
ちなみに、このイベントの88年版では、ロジャー・テイラー
とブライアン・メイをバックにリック・アストレーが「ネバ・
ゴナ・ギブユーアップ」を歌っていました。やたらかっこいい
演奏でした。
投稿: モンスリー | 2005.10.09 21:13
はじめまして。通りすがりのものですが、何を隠そう私こそ、女ダイアー・ストレイツおたくでございます(笑)
「彼のひたいがチャーミング」と思ったことはないですが、
ギターを弾く指が超セクスィ~、と思ったことはあります(爆)ソロは断然、映画「ローカル・ヒーロー」のサントラがベストワンですよ!
強引にライブエイドの感想記事のトラックバックも打ってしまいました。どうぞよろしくお願いします。
投稿: ぴむ | 2006.01.30 23:45
ぴむさん、初めまして。
こんなスカなBLOGにようこそ。
>何を隠そう私こそ、女ダイアー・ストレイツおたくでございます(笑)
いやー失礼しました。
やはり女性ファンもちゃんといるんですよね。
ひたいはともかく、ギターテクやセンスは一流ですし。
ライブ・エイドのDVDは未だに見てないんですけど、少し前に書いたエントリをTBさせていただきます。
他にも山ほど「聴いてないアーチスト」がごろごろしてますので、お好きなものについてご指導いただければと思います。
投稿: SYUNJI | 2006.01.31 23:18
はじめまして。通りすがりとはいえ、古い話題に入っていいのかしら、と思いつつ。
ダイアー・ストレイツのライブは、アンコールがかっこいいです。映画ローカル・ヒーローのテーマ曲・インストが定番。客電も全部つけメンバーが演奏する中、ステージにローディ達が出てきて、撤収を始める。マイクコードしまったり、照明おろしたり、不要なアンプをかたづけたりする中の演奏!このセンスだけで、ダイアー・ストレイツを信じたくなるのでした。YOU TUBEで観られるかも。
あと映画「フル・モンティ」でこんなシーンがあります。男性ストリッパーが初舞台を前に、ステージ裏で、
「ダメだ、緊張してきた」と震えている。そこに仲間が「そんな時は退屈な音楽を思い出せ」とはげまし、「たとえば?」という問いに、「ダイアー・ストレイツとかさ」という場面は笑ってしまいました。ちなみにこの映画、イギリス映画なんですけど。
長く書いてごめんなさい。
投稿: さと | 2011.01.06 07:06
さとさん、初めまして。
こんな辺境のBLOGにコメントありがとうございます。
>客電も全部つけメンバーが演奏する中、ステージにローディ達が出てきて、撤収を始める。
>マイクコードしまったり、照明おろしたり、不要なアンプをかたづけたりする中の演奏!
おもしろいですね!
彼らのライブにそんな演出があるとは知りませんでした。
>そこに仲間が「そんな時は退屈な音楽を思い出せ」とはげまし、「たとえば?」という問いに、「ダイアー・ストレイツとかさ」という場面は笑ってしまいました。
なるほど、そういうやりとりだったんですね。
日本人にはちょっとわかりにくいジョークですが、本国では「退屈な音楽」と皮肉られて笑いがとれる存在なんでしょうね。
ただ記事を書いたのは5年前ですが、結局まだダイアー・ストレイツは全然聴いておりません・・
投稿: SYUNJI | 2011.01.08 21:02
こんにちは どこからかたどりつきました。
マークノップラーは大好きです。
若いときも歳をとってからもかっこいいです。
歳をとって覇気のない気がするクラプトンとは大違い。まあそれはそうとこれ見てください。
お宝だと思っています。
http://www.youtube.com/watch?v=HL5DHL9QQYo&feature=related
投稿: 頑固なkaz | 2012.10.22 14:59
頑固なkazさん、はじめまして。
こんな素人BLOGにコメントありがとうございます。
最近のマーク・ノップラーの映像を初めて見ましたが、だいぶ丸くなってますね。
でもギターや声は相変わらずシブイですね。
他にも「聴いてないアーチスト」がたくさんありますので、お好きなものについてご指導いただければと思います。
投稿: SYUNJI | 2012.10.23 23:23