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聴いてない 第74回 ザ・フー

ブリティッシュ・ロック四天王の一つ、ザ・フー。
残り3つはビートルズ、ストーンズ、キンクスだそうだが、実は聴いてるのはビートルズだけで、最も聴いてないのがザ・フーである。
ふつうにバンド名として記述するなら「フー」だけでいいんだろうが、なんだか間抜けな感じなので「ザ・フー」で統一します。
今更ですが、今回も本格的にド素人全開な話ばかりになりますので、「バッカじゃねえの?」とお笑い下さい。

聴いてない度は2。
「Who Are You」1曲しか知らない。
「フ~~~アーユー、フッフッ、フッフー」というあの曲である。
「懐かしのPOPS大全」みたいな駅売りCDに入っていたのを聴いただけで、目的意識を持って聴いたことは全くない。

聴いてもいないくせにメンバーの名前や経歴や素行や人間模様や軋轢を探るのは自分の妙な趣味なんだが、ザ・フーの場合メンバー名をかろうじて3人まで言える程度である。
ピート・タウンゼンド、ロジャー・ダルトリー、キース・ムーンの3人だ。
もうひとりジョン・エントウィッスルさんという人がいるそうだが、今日調べて初めて知った。
しかも故人だった・・

顔まで一応わかるのはピート・タウンゼンドである。
寒いことにピート・タウンゼンドの正確な名前をさっき知ったばかり。
今までずっと「タウンゼント」だと思っていました・・
でもロビン・ザンダーだって絶対「サンダー」だと思っているヤツがいるはずだ、とにらんではいるが。(←負け惜しみ)

他に仕入済み知識としては、「やたら楽器を破壊するバンド」というのがある。
まあハードロックの人たちならそれほど珍しいことでもないんでしょうけど、ザ・フー、マイクは振り回すわギターはぶっ壊すわドラムはぶっ倒すわで、荒れる中学生みたいなライブが大人気だそうで。
ジミヘンの巻でも書いたんですけど、あたしゃ根が貧乏性なもんで、あんまし楽器を壊すミュージシャンてのはいまいち好みじゃないんですけどね。
少しはブライアン・メイを見習ってほしいもんです。
腕をぶんぶん回してギターを弾くのはピートがオリジナルだそうだ。
ホントかどうか知らないが、人呼んで「風車奏法」。
なんだかビル・ロビンソンみたいでステキなネーミングだけど、この奏法ってリック・スプリングフィールドもよくやってましたよね。(あ、知らない?)

そんなアナーキーくさい面も持ちながら、実はデビュー当時からほとんどの曲がオリジナルだそうですね。
ビートルズやストーンズと同じ頃に登場したバンドなのに、ザ・フーの場合曲はほとんどオリジナル、しかもピートが書いているとのこと。
これって結構すごいことなのでは?
キンクスもそうらしいけど、ヒットをねらったシングルとかチャートとかにはほとんど興味がなかったようだ。
おそらく自分がこれまでほとんど聴いてこなかった理由も、この点にあるのだろう。
「誰でも知ってる名曲」をザ・フーは持っていないのだろうし、あまり持ちたいとも思ってなかったんでしょうね。

ザ・フーの歴史を調べてみると、78年のキースの死後ケニー・ジョーンズというドラマーが加入するが、82年には解散し、85年にライブ・エイドのため再結成、とある。
いろいろ出入りはあったんだろうとは思っていたけど、ライブ・エイドに出てたんですね。
これも全っ然知りませんでした。

でもって、バンドの初来日が2004年だった、というのにも驚きである。
結成40年にしてやっと来日したのが昨年の話だそうです。
そういや去年来てたのはなんとなく覚えてるけど、あれが初来日だったとは・・・
ストーンズもずいぶん長いこと来てませんでしたけど、ザ・フーの来なかった理由は何なんでしょうか。
やはり破壊バンドだからだろうか・・?

ということで、プログレ同様ザ・フーとは全く縁遠い人生を送ってきたあたしですが、いったいどんなサウンドなのか、かすかに、本当にかすかに興味がわいているところです。
「ロックオペラ・トミー」「四重人格」といったアルバムが名盤として語られることが多いのはなんとなく知っているのですが、やはり聴くとしたらこのあたりになるのでしょうか。
宝の山を前に途方にくれる素人に、登山口を示していただければ幸いです。

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聴いてみた 第20回 シン・リジィ

聴いてみたシリーズ3連戦、今回はシン・リジィを聴いてみました。
シン・リジィ、聴いてないシリーズでは採り上げてこなかった。
このバンドについては1曲しか聴いたことがないし、フィル・リノットとゲイリー・ムーア、ジョン・サイクスを知っているだけで、それ以上の知識はないという寒い状態だったためである。
(それでもゲイリー・ムーアはかなりムリして書いてみましたが)
図書館でクイーンを借りるついでに手にとってみた、というのが真相で、「今日こそは聴いたる」などといった確固たる信念を持って臨んだわけではない。

今回聴いたのは「Black Rose」である。
BLACKROSE

借りてからわかったのだが、幸運にもゲイリー・ムーアの参加しているアルバムだった。
世間での評価も高いようだし、入門にも悪くはないだろう。
ちなみにフィルの本名はフィリップ・ライノットだと思うのだが、その昔ミュージックライフなどの雑誌では「フィル・リノット」という表記が一般的だったので、そっちに合わせることにします。

シン・リジィ、結成はアイルランド。
フィルはブラジル系のアイルランド人だが、メンバーの中にはアメリカ人もいるそうだ。
年表を見ると、この「Black Rose」あたりからフィルの死まではばっちりリアルタイムなのだが、「Chinatown」を半分エアチェックした以外全く彼らの作品にふれることがなかった。
チャートにがんがん登場するといった人たちではなかったし、日本での人気もいまひとつ地味だったのではないかと思う。
聴いてこなかった最大の理由もそこにある。
今さらだが、果たしてどんな音楽なのだろうか。

・・・・聴いてみた。

1.Do Anything You Want To
リズムはそれほど軽くないのに、ギターサウンドが明るい。
キッスの「エルダーの戦士」にちょっと似ている。
ツインギターなのかオーバーダブなのかわからんけど、このサウンドはかなり良い。
ブライアン・メイのギターのキーを少し下げたような音だ。

2.Toughest Street In Town
邦題は「無法の町」。
スピード感に満ちたオーソドックスなロックだが、全く重くない。
シン・リジィに対するイメージがかなり覆される。
サードアイ・ブラインドやグリーン・ディが今でもやりそうなサウンドである。

3.S&M
この曲はさらに明るい。
それぞれのパートの音は決して軽くないのに、なぜか非常に楽しそうな曲になっている。
ただ申し訳ないが、ジャンボ鶴田のテーマソング(「チャイニーズ・カンフー」だっけ?)を思い浮かべました・・

4.Waiting For An Alibi
イントロのギターがカッコイイナンバーだ。
ここまで聴いてわかったのだが、フィルのベースがどの曲にも非常にタイトに響いてくる。
ギターの音につい反応してしまいがちだが、このベースラインもシン・リジィの魅力なのだろう。

5.Sarah
一転、フォーク調のバラード。
ただし適度なリズム感があり、都会的なイメージである。
サビにはきっちりキューキューという音のギター。
これ、いいスね。

6.Got To Give It Up
ややブルージーなロック。
フィルのボーカルもコーラスも、他の曲よりもキーを下げて野太い声だ。
ギターソロがまたいいスね。
これゲイリー・ムーアでしょうか?
ギターソロは中間部分とエンディングの2回あるのだが、ちょっと印象が違うような気がした。

7.Get Out Of Here
再びソリッドなナンバー。
タイトルを叫ぶフィルのボーカル。
この曲がアルバム中最もパワフルでワイルドだ。

8.With Love
これもややブルージーな曲だが、スピード感は変わらない。
ギターが初めから終わりまで鳴りっぱなしである。

9.Roisin Dubh(Black Rose)A Rock Legend
ケルト音楽のメロディを採り入れたとされる名曲だそうだが、実際どのあたりがケルトなのか、わかるようなわからないような・・・
中間でギターを重ねた独特の音階のメロディラインが聴けるが、たぶんこのあたりのサウンドのことだろう。
(違ったらすいません)
結構長い曲なのだが、あまりそう感じない。
もう少し壮大な展開でエンディングにも凝ったりすればおもしろいのではないかと思ったりした。

感想。
これまでの20回の「聴いてみた」シリーズの中では、正直一番いいアルバムだと思う。
どの曲にも適度なリズム感があり、またギターもドラムもベースも非常に的確に音を刻んでいる。
ギター以外はそれほどアレンジはしていないと思うし、キーボードもホーンセクションもあまり聞こえないシンプルな編成なのだが、それがまた不思議なことに全く退屈しませんね。
この文章を書くために2度聴いたのですが、飽きることがないし、いわゆる捨て曲がない。

シン・リジィに抱いていたイメージは、もっとおどろおどろしくて重い暗いサウンドに、ブルース全開のギター、太いボーカルや不必要な叫び、暴力、ドラッグ、肥満、よれよれのギター(誰?)・・・といった苦手なものばっかだったのですが、少なくともこのアルバムは全く違いますね。
たぶんフィルの顔つきや薬物による早すぎる死、ゲイリー・ムーアの笑わない顔などの情報から勝手に苦手なものと決めつけていたんだろう。

想像と全く違っていたのはフィルのボーカルである。
もっと太くて低い声だと思っていたが、キーは意外とふつうの高さだ。
この声がギターにもベースにも合ってますね。
「メチャクチャ歌うまいじゃん」とは思わなかったけど、出過ぎず引っ込み過ぎず、ボーカルも楽器も対等な状態で曲が進行していっている。
もちろんギターサウンドがウリであるバンドなんだろうが、なんというかどのパートもイヤミがないですね。
「やたらうるさい」「むやみに暗い」「変に飛ばしている」といったムリな展開が全くなく、ハードロックなんだけど程良い心地よさというか、楽しさを感じました。

というわけでシン・リジィ、非常に良かったです。
同じような路線のアルバムがあれば、また聴いてみたいと思います。
聴いてみたシリーズ、なかなか良いと思えるアルバムに当たりませんが、「ロックは宝の山」というモンスリー師匠の啓示を胸に、これからもお勉強に精進して参ります。

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聴いてみた 第19回 クイーン

ええっ!!
お前クイーンて「聴いてない」に該当してたのかよ?!
・・・という非難の声が全国からうねりとなって突き刺さりそうです・・・が、とりあえず落ち着いて下さい。
今回聴いてみたのはクイーンの「The Miracle」というアルバムである。

miracle

実はこのアルバムこそ、クイーンのオリジナルスタジオ盤の中で唯一「聴いてない」アルバムだったのである。

「聴いてない」アーチストを量産してきた自分だが、クイーンは数少ない「聴いてきた」バンドだ。
聴いた順序はかなりバラバラだが、「戦慄の女王」から「メイド・イン・ヘヴン」までのスタジオ盤に加え、「Live Killers」「Live Magic」も聴いている。
ただしCDとして持っているのは「Queen II」と「華麗なるレース」だけだが。

自分のリアルタイムは「The Game」、シングルで言うと「Crazy Little Thing Called Love」の頃からだが、3歳上の姉はもう少し早くから聴いており、少なくとも「世界に捧ぐ」あたりから自分もクイーンの曲を耳にしてはいた。
ヒット曲ももちろん好きだったが、「You And I」「The Millionaire Waltz」「Bring Back Leroy Brown」「Rock It」「Coming Soon」などのアルバムにひっそり納められた名曲を掘り起こすのも好きだった。

リアルタイムで聴いていた頃、クイーンは絶頂と酷評をそれほど間をおかずに経験する。
絶頂はもちろん「Another One Bites The Dust」である。
それまでのクイーンサウンドとは明らかに違うファンキーなディスコティックナンバー。
全米1位を獲得したこの曲、しかもジョン・ディーコンの作品である。
酷評はその次のオリジナル盤の「Hot Space」。
さらにダンサボーな路線を押し進めたこのアルバム、世間の評価はさんざんだったし、自分も未だによいと思えない。

その後の「A Kind Of Magic」でさらに何かが違うと感じ、自分はいったんクイーンから離れることになる。
そして「The Miracle」がリリースされたが、聴くことはなかった。
「Innuendo」を聴いたのはフレディの死後である。

能書きはさておき、まずは聴いてみよう。
語るのはそれからだ。

・・・・聴いてみた。

1.Party
アップテンポのロックナンバーだが、路線としては「A Kind Of Magic」からの延長である。
悪くはないが、この路線にいまいちなじめなかったのも事実だ。
1曲目からなんとなく不安な立ち上がり。

2.Khashoggi's Ship
これもハードロックだ。
どこかエアロスミスやツェッペリンを思わせるサウンドである。

3.The Miracle
この曲は「Greatest Hits 2」で聴いていた。
後期ハードロック路線に、前期オペラ路線を融和させた感じ。
ただしオペラのニオイはもうそれほど濃くはない。
エンディングもかなり淡泊だ。

4.I Want It All
この曲も「Greatest Hits 2」で聴いたことがある。
雰囲気は「The Miracle」とそう変わらない。
フレディのボーカルが少し重く感じる。

5.The Invisible Man
ややファンクなナンバー。
歌詞にCIAやFBIが出てくるのは、ビートルズの「Dig It」の影響か?
フレディのボーカル、やはり声に少し濁りがあるように聞こえる。
すでに病気の影響がでていたのだろうか。

6.Breakthru
ここまで聴いた中では一番ノリのいい曲。
「The Works」あたりのサウンドにも近い。
クイーンとしてはむしろスタンダードな音だ。
4人のパートがしっかりしている。

7.Rain Must Fall
少し趣の異なる、サンバ風のリズム。
クイーンにしては珍しい試みかもしれない。
曲から連想する色はオレンジである。

8.Scandal
どことなく悲しげな、ミドルテンポの曲。
もう少し壮大なロック・オペラを期待したのだが、大きな転調もなく終わる。
ここまでのどの曲もそんな感じである。

9.My Body Does Me
さらに哀愁を帯びたブルース調のサウンドだが、いまいち盛り上がりに欠ける。
正直、かなり退屈になってきた。

10.Was It All Worth It
クイーンが手がけてきたサウンドやアレンジがたくさんちりばめられている。
しかしこれまでのクイーンを超えるようなものがない。

11.Hang On In There
これも残念ながら小さくまとまった作品にしか聞こえない。
所々転調はあるのだが、盛り上がる前に終わってしまった。

12.Chinese Torture
ブライアンのギター中心のインストナンバー。
これもなんつうか曲というよりギターの練習の音を録音した、という感じである。

最後にボーナストラックとして「The Invisible Man」の12インチバージョンが入っている。

感想。
うーん・・・
これが聴いてないことに長い間引け目を感じていた、クイーンの中で唯一聴いてないアルバムだったのか・・
もう少し感動があるものかと思っていたのだが。

正直、物足りないアルバムだと感じた。
「The Miracle」や「I Want It All」が目玉だと思うが、核となるような壮大な曲がもう1つあれば印象は違っていただろう。
全体としても思ったより短い曲が多く、エンディングにあまりこだわりがなく淡泊にフェードアウトしてしまう。
アルバムのコンセプトもあまり伝わってこないような構成だし、曲順が変わっても気にならないかもしれない。
後期クイーンに多いハードなナンバーが、このアルバムでも大半を占める。
楽しい感じの曲や壮大な組曲構成のオペラ・美しいバラードといったお得意の展開はなかった。

初めてクイーンを聴いてから(驚いたことに)25年以上の歳月が流れており、当然ながら自分もそれだけ歳を重ね、もはやラテカセの前でFM番組に耳を傾けてポーズボタンに指をかけるような純粋な感性はカケラも残っていない。
しかし、それを割り引いてもこの物足りなさはなんだろう?

同じアーチストの作品でも、曲によりアルバムにより好き嫌いや優劣感覚が生じるのは、ふつうのリスナーとしては当たり前なことだ。
もしリアルタイムで聴いていたら?
もし10代でこのアルバムを聴いていたら?
仮定はしてみるものの、感動する自分の姿に想像が及ばない。

敬愛するぷく先輩は、「オペラ座の夜」が最高傑作と主張している。
異存のないところだ。
自分の場合これに「華麗なるレース」「ザ・ゲーム」の2枚が加わるのですが。

クイーンは確かに前期はコーラスを当てた分厚いボーカルとブライアンのギター、それにロジャーのドラムと裏メロのジョンのベースが一体となったところに最大の特徴があったはずだ。
またロジャーやブライアンのメインボーカルが時々あり、バラエティに富んだアルバムが多かった。
「The Works」あたりからボーカルはフレディがほとんどつとめるようになり、コーラスやロジャーの声も少なくなっていったと思う。
このあたりに自分もクイーンから遠ざかった理由があるように感じる。

なぜ後期のクイーンはボーカルをフレディに頼ることになったのだろう?
「フレディの独裁が始まったから」という見方もあるらしいが、自分はむしろ「フレディの求心力が弱くなった」という説が当たっているのではないかと考えている。
フレディ以外の3人は、やはり歌うことよりも演奏のほうが好きなのではないだろうか。

前期はフレディがオペラチックな展開や曲ごとのバリエーションのために「よおし全員で歌うのだ」とバンドを牽引していったと思う。
様々なスタイルのサウンドをふんだんにゴージャスに採り入れ、アルバムやライブを楽しくしてきたのも、アイディアは4人のものかもしれないが、総合プロデュースしてきたのは間違いなくフレディだ。

一方ロジャーやブライアンはハードロックの住人であり、フレディと出会ってなかったらメタルをやっていたんじゃないか?とまで思うのだが、後期のクイーンにハードロックが多くコーラスが少なくなったのは、この2人の「ボクたちはとにかく楽器やるから、キミがひとりで歌ってよ」という意見が強く大きくなってきたからなのではないだろうか。

この勝手な推測に当てはめていくと、「Innuendo」はフレディの残り少ない余命を全員が覚悟した上でのアルバムなので、フレディの意志が尊重され、まだ「The Miracle」よりフレディ好みのサウンドに仕上がっていると思える。
つまり「The Miracle」はクイーン史上最もフレディに力がなかった時期のアルバム、となる・・・

こんな極東の末端リスナーの自分が、根拠もない仮説を語ること自体おこがましいことこの上ないですが、みなさんのお考えははいかがでしょうか。
自分としては最後に聴くことになった「The Miracle」、残念ながら自分の心に響くものはそれほどありませんでしたが、すべてのアルバムを聴くことができたという達成感はありました。
これからもきっと自分の中では「オペラ座の夜」「華麗なるレース」「ザ・ゲーム」がヘビーローテーションになるでしょう。
今後は自信を持って、「全アルバムを聴いた中でやはりこの3枚が最高だ!」と言うことにしたいと思います。

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聴いてみた 第18回 ディープ・パープル

「聴いてない」のもじゅうぶん恥ずかしいが、「聴いてみた」ってのもさらに恥ずかしいディープ・パープル
聴いてないことを白状してから1年以上立ちますが、先日ようやく聴く機会に恵まれました。

聴いたのは「Come Taste The Band」。

PURPLE

会場大ブーイング。
「えええ~?どうしてコレから聴くかなぁこいつ」
このBLOGをご覧いただいてるほとんどの方はそう思われたことでしょう。
しょーがないじゃない、これしか図書館になかったんだもん。
第4期唯一のスタジオアルバム、目玉はリッチーに代わって加入したトミー・ボーリンのギターワークと、カバのソウル路線ボーカルである。

頑固一徹・孤高の麺打ち職人リッチーに代わり、なぜかパスタ系のお店からやってきたトミー。
果たして荻窪の名店「深紫亭」で、トミーの麺は客を引きつけることができるでしょうか。

・・・・聴いてみた。

自分の知っているパープルの曲とは、全然違うサウンドだということだけはわかる。
カバのシャウトはやはりソウルフルだ。
「Burn」のボーカルとはまたひと味違う。
トミー・ボーリンのギターも少しカリカリした軽い感じだが、悪くはない。
「Comin' Home」は疾走感に満ちた軽快なロックナンバー。
「Gettin' Tighter」に至ってはギターサウンドが明らかにリッチーの音とは違い、アメリカン・ロックである。
メドレーやインストもあるが、全体の構成としてはそれほどの多面性はないように感じた。

全体を通して聴いた感想としては、「聴き慣れたアメリカっぽいロック」のようだ。
パープル史上初のアメリカ人メンバーであるトミー・ボーリンが吹き込んだ新しいサウンドは、当時は画期的だったかもしれないが、その後のアメリカ産業ロック界では多くのアーチスト達が採り入れてしまったものだ。
80年代産業ロックにまみれた自分にとっては、それほどの感動はない音になってしまっているのだろう。

「このアルバムはパープル名義で出すべきでなかった」とはジョン・ロードの後悔の弁だそうだが、それまでのパープルの様式美を好んできたファンにとっても、「なかったことにしたい」アルバムかもしれない。
ふつうのアメリカン・ロックバンドの作品として聴くなら、カバのボーカルは実に魅力的だし、なにより新加入のトミー・ボーリンの才能が随所に感じられるいいアルバムだと思う。

しかし。
パープルファンの間ではどうにも分が悪いトミー・ボーリン。
「パープルをダメにした男」という子牛の焼き印、じゃなかった烙印を押され、しかもすでに故人がゆえ、そんな評価も自力ではリカバリ不可能。
実際「ラストコンサート」というライブ盤では、ヘロイン中毒トミーのもんのすごくヘッタクソな演奏が聴けて、当時の全国のギター少年達に「オレのほうがうまい」と思わせた、という後世に残る迷盤となっているそうだが。(あー聴いてみたい・・)

トミーはパープル加入後のライブで、集まった多くのファンから「オマエ誰やコラ」「リッチー出さんかいワレ」等の罵声を浴びせられるというつらい目に合っている。
・・・この話を聞いて、かつて新日のリングにTPG総帥として登場したビートたけしが満場から帰れコールを浴びた、というあの事件を思い浮かべました。
すいません、全然関係ないですけど。
まあリッチーで売ってきたパープルであることに間違いはないし、ファンの心理も理解はできる。
でもそれを承知でトミーを加入させたんだとしたら、バンマスのジョンが責任を問われてもしかたがないような気もしますな。

でもさぁ、パープル全然聴いてなかったあたしが言うのもナンだけど、ジョン・ロードはこの「Come Taste The Band」ではいったい何をしてるの?
本人達もファンにとってもわかりきった話だろうが、パープルってのはジョンのキーボードとリッチーのギターのバトル、そこにギランやカバのボーカルがさらにケンカ売るような構成で売ってきたバンドなんでしょ?
このアルバムでジョンのキーボードがまともに聞こえるのは「You Keep On Moving」くらいだった。
「パープル名義で出すんじゃなかった」などと言うくらいなら、もう少し仕事したらよかったのに。
少なくともこのアルバムで、もうちょっとジョンが前に出ていたら、パープルの歴史もちょっとは違っていたのでは?と思いました。

多くのパープルファンが思うところだろうけど、トミー・ボーリン、やはりパープルに参加するのは早すぎたんじゃないだろうか。
結局パープルの人たちも、もう少し後にレインボーやホワイトスネイクでアメンリカンなロックを意識せざるを得なくなっていってるわけですよね。
むしろその時こそ、本場西海岸から来たトミーの出番だったのではないか?
これほど無意味な仮定もないとは思うけど、もしトミーがもうちょっと後でホワイトスネイクに加入していたら、結構すごいことになっていたんじゃないかなぁ。
ちなみにグレン・ヒューズは、トミーに対する世間の低ーい評価をなんとかしようと、トミーの残した優れた音源を発表する活動を続けているそうだ。

やはりパープル、こうした人間模様をふまえて鑑賞すると、がぜんおもしろくなってきます。
今回非常に微妙なアルバムから聴いてしまったが、やはりこのバンドはきちんと初期から順に追いかけて聴いていくのがいいのかもしれない。
これで「パープルを聴いた」ことにしようとは全く思っておりませんので、引き続き勉強したいと思います。

・・・それと、トミー・ボーリンのソロアルバムのジャケットに「富墓林」て書かせたのは誰?

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聴いてない 第73回 ダイアー・ストレイツ

ロンドンタウンのモト冬樹、マーク・ノップラー率いるダイアー・ストレイツ。
表記は「ストレーツ」ってのもありますが、ネットでは「ストレイツ」が多いようなのでそれに従うことにします。
さすがに「ダイヤー・ストレーツ」ってのは見あたらない。

オリジナルアルバムとベスト盤を1枚ずつ聴いているので、聴いてない度は4。
聴いたのは言わずと知れた大ヒットアルバム「Brothers In Arms」である。
「悲しきサルタン」をエアチェックしたこともあるので、一応初期の頃から知っていることになるが、他のアルバムは全く聴いていない。

初めて「悲しきサルタン」を聴いた時、マーク・ノップラーのあまりの適当な歌いっぷりに、「どうして楽器があるのにちゃんと合わせて歌おうとしないんだ?」と本気で思ったくらい驚いた。
まだ洋楽を聴き始めて日も浅く、もちろんマークのことも師と仰ぐディランのこともよく知らなかった時期である。
続いて「Tunnel Of Love」をエアチェックし、ようやくこの歌い方がマークの特徴というかウリであることに気づく。
決して音痴と言わせないムリヤリでズサンでテキトーでステバチな投げっぱなし歌唱法、慣れるとだんだんいいもんだと思うようになった。ギターサウンドは元々カッコイイし。

しばらくして登場したアルバム「Brothers In Arms」。
シングルヒットもたくさんあり、歌声や見た目に反比例してジャケットはなかなか美しく、貸しレコード屋で借りて少し高いクロームテープ(TDKのSA)に録音。
当時台頭してきたMTVを皮肉った「Money For Nothing」が大ヒット。
ポリスのファンだった自分としては、スティングの参加もうれしかった。
何よりマークにつられてズサンな歌い方になったりしなかったスティング、アナタは偉い。
スティング本人の意向に反して、作曲者名にスティングの名がクレジットされ、この曲の印税の一部がスティングに渡ることになったらしい。
MTVを皮肉ったわりに、この曲の妙なアニメのプロモ・ビデオも受けてしまい、「そういうオメーもMTVで売れてんじゃん」と世界中から突っ込まれたことも、味わい深いものがある。
この曲で歌われてる「飛行機を持ってるチビの金持ち」ってのはプリンスのことだそうで。

しかしなぜか他のアルバムには手を出すこともなく、今に至っている。
マーク・ノップラーはソロアルバムもたくさん出しているそうだが、1枚も聴いておらず、たぶん1曲も知らない。
ダイアー・ストレイツのベスト盤は聴いてみたが、「Money For Nothing」は編集されて短くなっていたのが気にいらなかったし、他の初めて聴いた曲もそれほどでもなかったなぁ。
一般にベスト盤てたくさん曲を詰め込むから、モノによっては曲の一部がカットされちゃったりすることがあって、この点は気づいてしまうとちょっとガッカリしますね。

マーク・ノップラーは映画音楽も数多く手がけ、ディランにも認められ、多くのビッグ・ネームと競演・プロデュース・曲を提供するなど、多彩な才能を持っている。
またマスコミ嫌いでもあるらしく、見た目でもかなり損してると思います。(失礼)

一方でダイアー・ストレイツというバンドは完全にマークの都合で運営され、マーク以外の人が書いた曲はアルバムにはなく、ライブでも他人の曲はやらないらしい。
昔雑誌で読んだのだが、「Brothers In Arms」もある日突然「やるぞ!」と言ってメンバーを召集して作ったものだそうだ。
なんだか突然呼び出されるメンバーも、かつてのたけし軍団みたいで気の毒ですね。
ギャラのお支払いはちゃんとしてるんでしょうか。

ダイアー・ストレイツ、日本ではその暗い印象からか、いまいち地味な評価だったように思う。
イメージとしては「ブルースが好きでギターの弾ける男が好むバンド」。
師と仰ぐディラン、また同じような歌唱スタイルのトム・ペティ、彼らについても自分は同じようなイメージをずっと持っていたし、今でもそう思っている。
しかし。
ネットでいろいろな音楽ファンの作るサイトを見てきたが、ディランもトム・ペティも、自分が思っていたよりも女性のファンが多いのだ。
マーク・ノップラーも、もしかして意外と日本の女性には支持されているのだろうか?
「マーク・ノップラーってステキ。彼のひたいがチャーミング」などと主張する女性はいるのだろうか?

ということで、できれば初期のアルバム「Dire Straits」「Making Movies」は聴いておきたいところです。
あとマークのソロの中でお勧めがあれば教えていただきたいと思います。

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