« 聴いてみた 第13回 ジョージ・ハリスン | トップページ | 聴いてない 第66回 オリビア・ニュートンジョン »

聴いてみた 第14回 イエスその2

前回「危機」を全く予備知識もないまま突然購入し、ハードルの高さにめまいがした自分ですが、これでもう二度とイエスは聴くまい・・・と決心するほどの男気はありませんでした。
案外懲りないあたし。

ジョン・アンダーソン先生のテンションにどうにもなじめず、しばらく講義をさぼってしまい、結構時間が経ってから再度受講の手続き。
受付のお姉さんに「ずいぶん間空いちゃいましたね」などといったよけいなツッコミにひきつり笑いで対応しながら、またカネ払ってふるえる足取りで部屋に入ってしまった英会話教室・・・・のような心境。

さて今回は諸先輩方のご指導に従い、「こわれもの」を聴くことにしました。

yes-fragile

「危機」でロシアンフックからフロントチョークを食らった自分、果たして「こわれもの」ではマウントポジションを取れるのでしょうか。(←意味不明)

・・・・聴いてみた。

今回は少し丁寧に曲を追ってみよう。
「Roundabout」、出だしはもの悲しいギターの調べ。
・・・と思ったら一転疾走感あふれるビートはさすが「転調のイエス」。
さすがにもうこの程度ではとまどいませんね。
どうぞどうぞ、なんぼでも転調してくれっての。
そうこうしてるうちに「Cans And Brahms」。
短いインストナンバーである。
これはブラームス作曲の旋律をリック・ウェイクマンがアレンジした曲らしい。
「We Have Heaven(天国への架け橋)」も同じ歌詞の繰り返しによる短い曲である。
美しい調べと思って聴いてるうちにすぐ終わる。
ここまで非常に早い展開である。
曲の切れ目がわかりにくい。
相変わらずイエス、ド素人置き去りなプロ仕様。かなり勝手です。

「South Side Of The Sky(南の空 )」。
ピアノ中心の旋律にジョンの「ラーラーララ~」というボーカル、コーラス。
つかみどころがいまいちわからないまま、また転調。
今聴いてるここ、同じ曲なの?
ストーリーが把握できないまま見ているミステリー映画のような状態。
正直、少し苦しくなってきました。あ、終わったのかな?

「Five Per Cent For Nothing」はなんだかジェフ・ベックっぽいギター・インスト。
・・・などと表現してますが、ベックも大して聴いてないんですけどね。
あっこれすごい短い。

「Long Distance Runaround(遥かなる想い出 )」、再びジョンのボーカル。
うーん・・・この曲も美しいのか楽しいのか怪しいのか、つかみどころがわからない。
転調かと思ったら次の「Fish」。
この曲も短いなぁ。

スティーブ・ハウ作の「Mood For A Day」。
フラメンコ調のギターサウンド。
これはなかなかいいですよ。
なんかボーカルがない方が聴きやすい気がする。

さて、「Heart Of The Sunrise(燃える朝焼け)」。
ある意味最も期待していた曲である。
タイトルから、もっと叙情的なサウンドを思い浮かべていたのだが、ドラムが効いたソリッドな音だ。
これまで聴いたイエスの曲の中では一番「オラオラ」な曲である。
でもって予定どおり転調。
静かで深いジョンのボーカルだが、根底には「スキあらばいつでもオラオラな状態に変えたるぜ」という各パートの「たぎり」みたいなものが伝わって来るような気がする。
ところどころ細かい転調があって、これがまた微妙。
あーあーあーそこで転調ですか?もう少しそのまま演奏しておいていただけると・・・という感じ。
難しい。
他の曲が短い分、この曲はかなり長く感じる。
ラストのドアが突然開く音に続くアウトロは、後期のビートルズを思わせる。

・・・・ということで、感想。
イエス、やはり、微妙です。
やっとわかってきたんですけど、イエスって「転調」のバンドですね。
いろいろ戦略はあるのだろうが、突然の切り替えで客を引きつける作戦のように思う。
これを「いい意味でいつも裏切られる」として受け入れられれば、ジョン先生の講義も楽しく聴講できるはずだ。
しかし。
まだロクに話せない自分にとって、ジョン先生の突然の話題変更、正直かなり負担です。
「慣れてない」とはこういうことを言うのでしょうが、「こわれもの」、やはり手強いです。

それでも不思議と「もうイエスはええわ・・・」とはならないんだよなぁ。
例えばニール・ヤングはこないだライブ盤を聴いてしまい、そのボーカルに全くなじめなかったんでおそらく今後の展開もほぼ絶望なのですが、イエスはもう少しいけるような気がする。
錯覚か?

結局ジョン先生の講義、何言ってるか全然わかんないまま授業は終了。
ふらふらしながら教室を出ようとしたら、ジョン先生に「また来週もおいでよ」なんてすんごいフレンドリーに言われてしまい、うっかり「ハイ喜んで」などと答えてしまったバカなオレ・・・・のような心境。

そういうわけで生涯通算3枚目となったイエスのアルバム「こわれもの」。
全く前進はしていませんが、このまま後退するのもシャクなんで、もう少し聴いてイエス検定初級合格を目指したい・・・などと資格オタクOLのようなことをぼんやりと思っております。

このエントリで楽しんでいただけた方はクリック願います・・→ banner_03.gif

|

« 聴いてみた 第13回 ジョージ・ハリスン | トップページ | 聴いてない 第66回 オリビア・ニュートンジョン »

コメント

私の大好きな、そしてプログレへの扉となった『こわれもの』を聴いてくれましたかー。
文章を読みながら、曲が頭に浮かんで来ましたよ、ちゃんとSYUNJIさんの文章で伝わってます。

>転調
その緊張感がたまらないのですよ、大きく裏切ってくれて心臓ドキドキ。“Sharp”“Distance”カツ入れられます(オラオラですね)。
ムード・ミュージックなんて聴いてたら眠くなっちゃって、音楽を楽しむどころじゃないと思うんですよ。
『こわれもの』を聴く時は何かしながらじゃなく、ステレオの前に立って(本棚の上にあったから)ジャケットやらライナー片手に聴いていた中学生でした。

「Mood For A Day」はちょっと悲しげでたたみかけるようなギター、終わり方がいいです。

あまり人気の無い初期3枚も私は好きで、ポップでとっつきやすい曲です。しかし、ジョンのボーカルには変わりがないので、バグルス付近の方がいいかも。でも、私80年代頃からフォローしてないからよく分かりません。

投稿: hello nico | 2005.07.09 16:22

nicoさん、コメントありがとうございます。

昨年イエスを採り上げた時のnicoさんのコメントに、「燃える朝焼け」を聴いて感動した、とありましたので、今回かなり期待して聴きました。
想像とはだいぶ違う曲でしたけど。

>その緊張感がたまらないのですよ、大きく裏切ってくれて心臓ドキドキ。

やはりそういう楽しみ方ですか。
まだ自分は「楽しむ」領域には達していませんけど、だんだんわかってきた気がします。

>ステレオの前に立って(本棚の上にあったから)
>ジャケットやらライナー片手に聴いていた中学生でした。

いいですねえ、日本の正しき中学生の姿。
想像するとちょっと笑ってしまいますけど。

投稿: SYUNJI | 2005.07.09 23:48

たまにはちょっと真面目にコメント。私はプログレ好き、イエス好きですが、この「こわれもの」はそれほど繰り返し聞いていないアルバムです。何か雑多なものがごちゃ混ぜに入っており、聞いていてすっきりとした流れを感じることが出来ない。実験を重ねているような感じを受けました。そのあたりが「転調を重ねている」に通じるような・・・・
SYUNJI先生の聞いているもう一枚が何かわかりませんが、「究極」あたりで再チャレンジしてみたらいかがでしょうか?
ところで「オラオラ」というからにはジョジョ通なんですか?もしそうなら次回は私ではなく私のスタンドでコメントします。(何のこっちゃ?)

投稿: ぷくちゃん | 2005.07.10 06:20

はじめまして。YABIと申します。ジャンルを問わずといういう意味で広く、しかも浅く、自分の心にとまったものだけ聴いて今日にいたっている私です。
なので、コメントするのに勇気が必要でした。
でも!「危機」「こわれもの」をお聴きになったのなら、ぜひライブ盤である「イエスソングス」を、おすすめしたいなとおもいまして・・・・。
ここまでライブでできるものなんだという衝撃は今も生々しくて、私にとってのイエスを決定的な存在にしたライブです!

個人的には「時間と言葉」と「リレイヤー」 「究極」もお気に入りです。でも、「イエスソングス」いいです!

SYUNJIさんの表現力ある文章やみなさんのコメントを楽しく読ませていただきながら、勉強させてもらっています。どうぞこれからもよろしくお願いします♪


投稿: YABI | 2005.07.10 06:51

ぷく先輩、コメント感謝です。

毎晩先輩のBLOG見に行ってるのですが、夜間はどうも重く、コメントもままならない状態です。すいません・・
ウチADSLで交換局も近いのに。変だなぁ。
ちなみに生涯最初のイエスのアルバムは「90125」でした。
「こわれもの」の感想はほぼ先輩のご指摘のとおりですね。

ちなみに「オラオラ」はジョジョではなく蝶野です。
というか自分ゲームやアニメ系は全く関心がありません・・

YABIさん、はじめまして。
こんな偏差値の低いBLOGへようこそ。
ライブ盤ですか・・・スタジオ盤がまだ理解できたわけではない段階でライブ盤に行って平気なんだろうか・・という不安はありますが。
お勧めの「究極」「リレイヤー」も試してみたいと思います。

>楽しく読ませていただきながら、勉強させてもらっています。

あ、本文は何の役にも立ちませんので、みなさまのコメントだけご参考下さい。
今後ともご指導よろしくお願いします。

投稿: SYUNJI | 2005.07.10 12:15

SYUNJI先輩、すいません、プログ重くて・・・体重も。もう少しでプログ別の会社に乗り換えるかもしれません。どこかよいところないでしょうか?教えてください。

投稿: ぷくちゃん | 2005.07.10 19:52

やはり、、「オラオラ」は蝶野でしたか。
私はいつもですね、ビックマッチ前の蝶野がインタビューに答える所が大好きで、、。
ヘルレイザーズとの一戦で、「おら!健介!へんなタッグ名じゃねーか!俺と橋本で、5分だ!5分で叩きつぶしてやる!」と言って逆に7分でやられたのが良い思い出、、。
もしくは、馳との一戦を控えて、「オラ!馳、俺はな、おまえのやけに甲高い声が前から気に入らなかったんだ!」とか、、。それ聴いてやけに受けてしまった私、、、。

さて、イエス。ロンリーハートしかろくに聴いたこと無い私ですが、これは聴くしかなさそうですね。
しかし、ベスト盤リスナーの私には、、イエスをベストでは、、ね、、という気持ち、、。

投稿: だいまつ | 2005.07.10 21:11

ぷく先輩、すみません変なことを言ってしまって。
自分の環境だと、重いのは先輩のサイトだけじゃないんですよ。
夜間はサイト開ける時間にものすごく差があるんです。
早いサイトは何の問題もないのですが、重いサイトは本当に数分かかってしまうことがあります。
ホントにADSLかよ?

だいまつさん、コメント感謝・・・ですけど、
>やはり、、「オラオラ」は蝶野でしたか。

だからぁ、音楽ブログなんだからそこに食いつくなっての。(笑)
まあマイクパフォーマンスと言えば「こんばんは」にトドメをさすと思いますが。

あ、イエスの巻だった。
あたしも去年までは「ロンリー・ハート」の「90125」しか聴いてなかったんですけど。
ハードルは相変わらず高いですが、もう少し聴いてみようかと思っています。

投稿: SYUNJI | 2005.07.10 21:58

こんばんわ、ラッシャー木村です。やっぱりそこに食いつくなんて、このプログももう少しで「戦ってみた。」というシリーズが始まりそうな気がする・・・・・な訳ないか。

投稿: ぷくちゃん | 2005.07.10 22:32

こんにちは、TBありがとうございました

講義お疲れ様でした、詳細な感想とても興味深く拝見しました
「こわれもの」は黄金期のメンバーでの最初の作品、ところどころメンバーのソロ的楽曲をちりばめた、良く言えば豪華な、悪く言えばまとまりに欠ける作品と言えます
私はバンドとしてのイエスが大好きなので「危機」に比べると散漫なこの作品はあまり聴かないのですが、その後のイエス的アンサンブルが確立されたといえる代表曲「Heart Of The Sunrise」や「Roundabout」等が収録されているということで重要作品であることには変わりありません

SYUNJIさんにはそのイエス的アンサンブルがまだきつかったようですので、その後の「Yessongs」「海洋地形学の物語」「Relayer」は同じ様な感想をもたれるでしょうから、次の講義にはお奨めしません

「究極」、「トーマト」、「ドラマ」あたりの次の変遷期の作品か、思い切って1st、2ndあたりを聴いてみるというのも面白いかもしれません
個人的には「こわれもの」以降の流れをくみつつ、新たな時代に踏み出した「究極」が3時限目には良いような気がします(ドラマもお奨めですがジョンがいませんからね)

次の挑戦も楽しみにしています

投稿: francofrehley | 2005.07.11 10:45

francofrehleyさん、ご指導ありがとうございます。

>ところどころメンバーのソロ的楽曲をちりばめた、良く言えば豪華な、
>悪く言えばまとまりに欠ける作品と言えます

なるほど。
自分にはまだあまりよくわかりませんでしたが、バラエティには富んでいるようですね。
(その多様性についていけない部分も多かったですが)

「究極」のご推薦が多いようですので、次回はそれを試してみたいと思います。

投稿: SYUNJI | 2005.07.11 23:46

SYUNJIさん、こんばんは。
>>受付のお姉さんに「ずいぶん間空いちゃいましたね」
爆! なんだか「経験者語る」のようですが(^^;)

冗談はさておき、イエスの初期5枚はまあ聞いている方かなあ
と自分では思うのですが、最もハードルの高い作品が「こわれもの」
でした。聞く前に、
「ウェイクマンが初加入で黄金期のメンバー揃う」
「ラウンドアバウト収録!」
など予備知識を付けていたのですが、ある意味で私にとって
プログレらしさが強すぎました。その理由としては、

>>美しい調べと思って聴いてるうちにすぐ終わる
>>今聴いてるここ、同じ曲なの?
>>うーん・・・この曲も美しいのか楽しいのか怪しいのか
私にとってあまりにも多彩過ぎる、といったところでしょうか。
故に、「ラウンドアバウト」と「燃える朝焼け」以外はきちんと
聞いていない体たらくです。この2曲も「ロック色が強い」から
気に入っているのだと思います。実際に「朝焼け」のギターや、
みなさんのおっしゃっている転調は非常にスリリングですね。

>>イエスって「転調」のバンドですね。
これなんですが、聞いているこちらが難しいと感じるということは、
演奏している側はさらに難しいようで、ミーティングにつぐミー
ティング。ドラムのビル・ブラフォードはこれに嫌気が差して
イエスを脱退したと言われています。移籍先のクリムゾンでは
オラオラモード全開となりました。

投稿: モンスリー | 2005.07.12 22:50

師匠、この度はいろいろお世話になりました。

>故に、「ラウンドアバウト」と「燃える朝焼け」以外はきちんと聞いていない体たらくです。

ありゃ、そうなんですか?
師匠も「ハードルが高い」とは意外ですね。

>演奏している側はさらに難しいようで、ミーティングにつぐミーティング。

なんか想像するだけでこっちまで疲れる話だなぁ。
実際音合わせとかレコーディングの時も、納得するまで繰り返し演奏したんでしょうね。
やっぱ理数系のニオイがする・・

投稿: SYUNJI | 2005.07.15 23:36

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/9509/4885034

この記事へのトラックバック一覧です: 聴いてみた 第14回 イエスその2:

» 図書館へいらっしゃい [eclipse的な独り言]
   色々プログを渡り歩くと、思い出のあの曲が聞きたくなる私。でもできるだけ物を減らそうとしているのに、新たにCDを買うことは許されない。そこで図書館である。  この考えはSYUNJIさんのプログの物真似。図書館で聞いていないものを借りて聞いているという姿勢に大きい感銘を受けたからである。(大げさ)  物欲が強い私は以前ならCDを借りるなんて考えもつかなかった。しかも図書館で。でもこれが結構揃っているんだよね。今回借りたのも イエス「海洋地形学の物語(紙ジャケ!)」 ジェネシス「コーリング・オール... [続きを読む]

受信: 2005.07.14 23:15

» イエス「Roundabout」 [“コーヒーをもう1杯” Bobliotheca Dylanica]
 世の中にはロック名曲の歌詞の内容を解説してくれる本がいろいろ出てるし、意味はない、もしくは意味不明、もしくはロクなことを歌ってないことを直訳で歌って示した王様なんていう人もいますが、意味がわからなくたって、これはいい!と感じる例なんかわんさかあるんだわさ。YESの「Roundabout」とかそうじゃない?  意味のわからない奴はバカとか、意味を解説出来る奴は偉いとか、意味のわからないことを歌ってるジョン・アンダーソンは頭が変とかいう意見は、当たってもいるしハズレてもいるんだけど、とにかくそういうこ... [続きを読む]

受信: 2005.08.05 01:38

» イエスのこの名盤を聴いて、恥ずかしいやらカッコいいやら。 [音楽酒場]
今夜のBGM・・・ YES / FRAGILE [続きを読む]

受信: 2006.05.29 03:19

» イエス 4 [まい・ふぇいばりっと・あるばむ]
NO.00828 イエスのアルバム『こわれもの』 『洋楽初心者に薦めるアルバム表と裏「AtoZ」』 【Y】(表) イエスはイギリス出身のプログレ・バンドですが、クラシック音楽の様な格調高さとメンバーのテクニック、そしてもちろん独創性豊かな楽曲が見事な....... [続きを読む]

受信: 2007.05.06 10:11

» Going for the One/YES (イエス) [OOH LA LA - my favorite songs]
Going for the OneYes Rhino/Elektra 2003-08-25  プログレッシブ・ロック・ブームの衰退期にYESの新境地を開くべくPatrick Moraz(Key.パトリック・モラーツ)を迎えて制作されたジャズ・ロック、フュージョン志向の名盤『Relayer(リレイヤ...... [続きを読む]

受信: 2010.05.15 13:48

« 聴いてみた 第13回 ジョージ・ハリスン | トップページ | 聴いてない 第66回 オリビア・ニュートンジョン »