聴いてない 第65回 スターシップ
バンドの変遷とともに名前も変化した珍しいバンド、スターシップ。
元はジェファーソン・エアプレイン、その次がジェファーソン・スターシップであることはよく知られた話だろうが、すべての時代をくまなく聴いてきた人はあまりいないのではないかと思われる、息の長いグループである。
乱暴に言うと60年代がエアプレイン、70年代がジェファーソン・スターシップ、80年代がスターシップらしい。
自分にとってのリアルタイムは当然スターシップ時代なので、今回のタイトルもスターシップ。
で、いずれの時代も基本的に聴いてません。
スターシップのアルバムを1枚と、それぞれの時代のヒット曲を集めたベスト盤を聴いたことはあるが、ジェファーソン時代の曲はほとんど知らない。
最初に聴いたのはジェファーソン・スターシップ時代の「Jane」という曲である。
特にものすごく感動したというわけではないのだが、この曲をエアチェックしたのは洋楽入門間もない頃で、作ったテープを毎晩サルのように聴いていたので、記憶はかなり深いものがある。
ちなみにエアチェックの際バンド名が聞き取れず、長いこと「ジェパーソン・スタシップ」だと思っていた。
数年後、名前がスターシップに変わって「シスコはロックシティ」という大ノリな曲でチャートに登場。
この時は以前のバンド名がジェファーソンであることも知っていた。
友人の大半はスターシップから初めて聴くことになるのだが、ひそかに自分はジェファーソン時代から一応聴いていたことを自慢に思ったりした。
・・・といっても聴いたの1曲だけで、しかもバンド名間違えて覚えてましたけど。
いやーまわりに言わなくてよかった。
「フープラ」という妙な名前のアルバムは、「愛は止まらない」「セーラ」などの全米ナンバー1ヒットも収録し、日本でも相当売れたはずだ。
「シスコはロックシティ」はその名のとおり都会的なイメージで、買ったばかりの中古クルマで都内を走る時によくかけたものだ。
途中ラジオDJの声が入るという演出も、臨場感があってとてもカッコイイ。
実際にはサンフランシスコという都市そのものを歌ったわけではないそうですが。
スターシップのキーパーソンはポール・カントナーとグレイス・スリックだが、エアプレイン時代からのメンバーでもある彼らはスターシップが売れた頃にはすっかりベテランで、雑誌でもグレイスはおばちゃん扱いが定番になっていた。
まあ要するに「老骨に云々」「寄る年波にもめげず云々」などといった、グレイスの年齢を揶揄する表現が多かったということですね。
失礼な話だけど。
で、今回調べて知ったのですが、マーティ・バリンてエアプレインのメンバーだったんですね。
我々の世代にとっては「ハート悲しく」というややスカシアダルト系なヒット曲で有名なのだが、エアプレインの人だとは知らなかった。
同じ頃に売れたバーティ・ヒギンス(「カサブランカ」のヒト)と、どうしても混同してしまいますけど。
ちなみに発音に忠実に表記するとマーティ・ベイリンだそうだ。
アドリアン・アドニスと同じですね。(←わかんねえよ)
ジェファーソン・エアプレインというバンドは、「サイケデリック・ムーブメントの先鋭」などといった紹介が、あちこちのサイトに書いてある。
スターシップの甘いサウンドを思い描いて聴くと返り討ちに会うかもしれませんね。
ジェファーソン時代の代表作品を少し追っかけてみるとしたら、どんなアルバムがお勧めなのか、ご指導いただければと思います。
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コメント
名前に関しては非常に複雑で、今でも集まった面子によってはエアプレーンだったりスターシップだったりします。やっぱり基本はエアプレーン時代のアシッド色プンプンの『Surrearistic Pillow』だと思いますが、ヒッピー連中には、ここから派生したブルース・バンド、ホット・ツナのほうが人気があったりして。
しかし、それよりも、記事がアップされて24時間たつのに、私以外誰もコメントをつけてないというのが、ちょっと寂しいです。
ところで、SHUNJIさん、グレイトフル・デッドもついでにいかがですか?
投稿: loveminus0 | 2005.06.27 19:18
最初に彼らの曲を知ったのは、たぶん映画「地獄の黙示録」で使われた「White Rabit」だと思います。この曲の印象が強かったので、僕の中では彼らイコール"サイケデリックサウンド"の図式が出来てしまいました。よって、MTVで「シスコはロックシティ」が流れたとき、受け入れることができませんでした。このあたりの懐の狭さが僕のいけないところですね。
だけど、60年代のグレース・スリックはかっこいいんですよ、本当に。
ちなみに僕も「ハート悲しく」と「カサブランカ」のイメージは重なってます。
投稿: getsmart0086 | 2005.06.28 00:08
こんにちは。
自分が最初に聴いたのはジェファーソン・エアプレイン時代の「あなただけを」でした。うわぁ、ヴォーカル凄い!と思った記憶があります。次が「ホワイト・ラビット」で、うわぁ、何この雰囲気!と思い、それから追いかけようとは考えなくなりました・・したがってこの2曲しか知りません。
スターシップの曲は80年代らしく聴きやすくて嫌いではありませんが、前に挙げた2曲の方がインパクトが強くて好きですね。
投稿: Junk | 2005.06.28 11:22
SYUNJIさん、またおジャマします。洋楽オンチの私は、SYUNJIさんとは逆で(逆とは言わないか?)、スターシップは聴いたことなく、あの有名なジェファーソン・エアプレインを昨年初めて「聴いてみた」という状態です。でも、歴史の長いバンドにくっつきがちな大仰な評価にビビらないで、直接音に触れてみると、意外な発見や素直な感動があったりするものですね。SYUNJIさんのように勇ましくとはいきませんが、これから私も徐々に幅を広げていきたいです。というわけで、「サイケデリックという言葉にビビらずにジェファーソン・エアプレインを聴いてみたら案外よかった」てな感じの過去記事をおそるおそるTBさせていただきますね~。
投稿: moonlightdrive | 2005.06.28 14:05
SHUNNJIさん、こんばんは。
3代にわたって続いているスターシップ家ですが、ほんの少しだけ
聴いております。
1.J.A. 「シュールリアリスティック・ヒーロー」(1967)
2.J.S. 「レッド・オクトパス」(1975)
「スピットファイア」(1976)
3.S. ヒット曲を2,3曲
この中で一番最近聴いたのが1です。loveminus0さんがおっしゃって
いる通り、まるでヒッピーのような音楽でした。ちょっと聞き続ける
のが難しかったです。
2の2枚は数年前にきいたのでうろ覚えですが、かなりロック色が
あり、一番おすすめできそうです。
3ですが、これがリアルタイムのはずなんですが、「シスコは・・・・」
は楽しいものの、今ひとつのめり込むことができませんでした。
多分、このころはブライアン・アダムスやブルース・スプリングスティーン
にはまっていたからだと思います。
>>マーティ・バリンてエアプレインのメンバーだったんですね
この人ですが、ヒット曲もあり有名なんだそうですね。いまだに聴いたことが
ありません(^^;;)。
投稿: モンスリー | 2005.06.28 21:52
こんにちは!あなただけをはモントルーポップフェスでみたかな?NHKでやってた!サイケデリックは当時流行ってましたね!でも日本ではファッションと音楽はずれてましたね!唯一買ったレコードはレッド・オクトパスだけですが、当時はよく聞きました!パパジョンクリーチもいたしね!
投稿: マルチオーディオ | 2005.06.28 22:25
こんばんわ。
ベスト盤しか聞かないリスナーだいまつです。
例によって、ベストでスターシップ持ってました・聞いてました。
きっかけはですね、、「シスコはロックシティ」「セーラ」がやはりラジオでガンガン流れていた時に中高生だった私の耳に残っていて聴いてみるか、、と。それでもって、マイケル・ダグラスの映画にエンディングで流れていた曲も入っていて、これもスターシップなのか!と、、。当時は音楽よりも映画ばかりで、、。
チラッと音楽史を見ると名前の変遷も複雑なのでこのエントリーの今後が楽しみですね。
以上、はやくこのブログが本にならないかとブログランキング押しまくりのだいまつでした。
投稿: だいまつ | 2005.06.28 23:04
ありゃ、24時間経過時点ではコメントは確かにloveminus0さんだけだったのが、48時間たったらコメントがこんなにたくさん。
みなさまコメント&TBありがとうございます。
さすがに息の長いグループだけあって、みなさん聴いてこられた時代も様々ですね。
で、エアプレイン時代ってのはサイケだったんですかね?
といってもサイケがどういう音楽なのか、いまいちよくわかってはおりませんが・・
クリームはジャケットがサイケですが、中身もサイケに該当するのかな?
バニラ・ファッジもサイケでしょうか?
あと「地獄の黙示録」で彼らの曲が使われた、というのも初めて知りました。
ドアーズの巻でも書きましたが、あの映画は意味がさっぱりわからず、見たことを後悔したくらい痛い思い出なのですが・・
曲もドアーズのものしか覚えていません。
「ハート悲しく」と「カサブランカ」のイメージは重なっている、というgetsmart0086さんのコメントがなんとなくありがたいです。
エアプレイン時代をご存じの方からは叱られそうですが。
ちなみに郷ひろみがカバーしてたのが「カサブランカ」ですね。
聴いてないとはいえ、さすがに3時代をいっぺんに語るエントリは少しムリがあったかなぁ?
投稿: SYUNJI | 2005.06.28 23:38
SYUNJIさん、こんばんは。
サイケというのが、これまたわかりにくくかつ縁のない分野ですが、
>>クリームはジャケットがサイケですが、中身もサイケに該当するのかな?
一部、サイケ的と言われています。ジミ・ヘンにもサイケ的なものがあるそうです。
>>バニラ・ファッジもサイケでしょうか?
これは1stと2ndを聞きましたが、サイケ的なものがありました。ですが、J.A.
とは異なり、サイケでもハードです。私はハード面の強い「Keep Me Hunging
On」あたりがやっぱりよかったですね。
「サイケ」といってもクリーム、ジミ・ヘン、ヴァニラファッジ、J.A.、
全部違って聞こえました。
ちなみに、loveminus0さんがおっしゃっているデッドですが、「ライブデッド」
を聞く限り、やはりサイケ的な曲もありました。こちらはブルースサイケです。
投稿: モンスリー | 2005.06.30 22:34
モンスリー師匠、こんばんは。
バニラ・ファッジは1枚しか聴いてませんが、「Keep Me Hunging On」のハエのようなイントロ音は非常に印象的ですね。
このアルバムにはビートルズの「涙の乗車券」や、ベックもカバーした「ピープル・ゲット・レディ」もあって聴きやすかったです。
結局80年代のポッピーなスターシップしか知らないので、エアプレインがサイケと言われても、あまり結びつかないですね。
全く違うバンドと認識してもいいのかもしれません。
ちなみにloveminus0さんお勧めのグレイトフル・デッド、残念ながら全く聴いておらず、名前しか知らない状態です。
投稿: SYUNJI | 2005.07.02 00:07
こんばんは。
ジェファーソン・エアプレインの記事、アップしましたのでTBさせていただきました。
SYUNJIさん同様、ジェファーソン・エアプレインについては、今回初めて「聴いてみた」といった感じです。
グレイス・スリック、最近はおばちゃん通り越しておばあちゃんになってしまったようです。
(当たり前の話ですが)
投稿: カナ | 2005.08.12 03:35
カナさん、毎度お世話になります。
グレイスの写真拝見しました。
思ったよりきれいに歳とってますね。
もっと傷みが(失礼)激しいのかとビビリながらクリックしたのですが・・
最近どこかの楽しいBLOGのおかげで、スターの変わり様にはかなり慣れてきてしまいましたね。
ルー・グラムはありゃさすがにやばいよなぁ・・
投稿: SYUNJI | 2005.08.13 18:13
はじめまして、TBさせていただきました。
このアルバムは良く聞きました。特にNo.1ヒットとなった2曲は大好きです。
投稿: taha | 2005.09.24 12:11
tahaさん、初めまして。
TBありがとうございます。
自分もこのアルバムだけですけど、よく聴いてました。
ご覧のとおり素人なBLOGですが、AOR系のアーチストもいくつか採り上げておりますので、お好きなところへコメントしていただければ幸いです。
投稿: SYUNJI | 2005.09.24 22:24