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聴いてみた 第12回 ボブ・ディラン

誰でも「実は聴いてないアーチスト」「実は聴いてないアルバム」はあるだろう。
自分の場合、それが「やたら有名な人」「むやみに売れたアルバム」「誰もが知っている名盤」であることがとてーも多い、というところが問題なわけですね。
しかもふつうそういうことはあまりネットで公にしないものだと思うのですが、自分、聴いてないシリーズ、もう1年半ほど続けています。
我ながらバカなBLOGだとは思うけど、その聴いてないシリーズ第1回を飾ったのが、他でもないボブ・ディランである。

今日も図書館でややダレ気味にCDを物色。
「自由にお好きな講義を見学していただいて結構ですよ」という受付のお姉さんに言われたのを真に受けて、あちこちのクラスのドアを勝手にあけて座ってみるも、盛り上がる生徒と先生の会話についていけず、次回の講義予定も決めないまま途中退出してしまったが、それでも週明けにはまた来てムダ金を支払ってしまう駅前の英会話教室・・・・のような心境。(長いって)
ニール・ヤングも厳しい展開だったし、どうしたものか・・・と身の振り方を考えながら、目にとまったボブ・ディラン。
第1回で採り上げておきながら、今日まで全く聴く気にもならなかった。
半ばヤケクソで借りてみました。
なんで音楽を聴くのにこんな思いをせねばならんのだ。

借りてみたのは「ブロンド・オン・ブロンド」というアルバムである。

Bob

アナログは2枚組だったらしいが、CDでは1枚である。
どうりで曲数が少し多いと思った。
そうは言っても全編ボブ・ディランだしなぁ。当たり前だけど。
最後までついていけるんだろうか。
かなり不安定な精神状態のまま、聴いてみました。

・・・・・聴いてみた。

バカな感想だけど、とりあえず。
・・・トム・ペティやマーク・ノップラーに似てる・・・
「バカモノそりゃトムやマークがディランに似てるんだろうが」と、今かなりの人数の方々が同時多発的に思われたことでしょうが。
そりゃそうですよね。

自分、ディランの声をきちんと聴いたのは「We Are The World」が最初です。
もうこの時点でド素人全開ですけど。
その後はトラベリング・ウィルベリーズとかデビュー30周年コンサートでディランの歌を聴いてますが、それに比べるとこのアルバム、声が若いですね。
当たり前だって。

歌い方や音程のはずし方(はずれ方?)はこの当時から変わってないみたいだけど、声質が思ったよりシャープ。
「I Want You」「Just Like A Woman」のようなシンプルでメロディが美しい曲もあるぞ。
ハーモニカの音がとても叙情的だ。
今更自分のようなド素人に言われるまでもないが、こういう曲を作るディランってのは、やはりスゴイですね。
このあたり、悪くないです。素直に感動。
んーでもやっぱトム・ペティにもマーク・ノップラーにも似てるよなぁ。

アルバムの大半はどっちかっつうとブルースで、このあたりは少しなじみにくい感じもあるけど、全般としては悪くはなかったです。
もっとアップテンポな、ギターかき鳴らし系フォークソングばかりかと思っていました。

以前も書いたけど、自分の知り合いによればディランは「歌はヘタクソだけど、こんな美しい曲を作る人が世の中にいるのか・・と感動する」アーチストだそうだ。
1枚聴いただけではそこまでの感動はなかったが、少しわかるような気もしました。
「声がきれいでない」のはやむを得ない部分だが、「目つきがコワイ」「ジャケットがコワイ」といった子供じみた理由で遠ざけるのも、あまりよろしくはないよなぁ・・・と、この歳になって反省したりしている。

ちなみにダイアー・ストレイツは「悲しきサルタン」からリアルタイムだが、まだ洋楽を聴きはじめて間もない頃だったので、最初聴いた時は「げー洋楽ではこんなふまじめな歌い方もありなの?」と本気で思ったくらい驚いた。
マーク・ノップラーも投げやりで皮肉っぽい「Money For Nothing」とか「Brothers In Arms」みたいな暗ぁい歌が印象に残るアーチストなんだが、アルバムの中には「Why Worry」なんていう信じられないくらい美しい曲も持っているのだ。
トム・ペティもそうだが、やはりディランの影響は相当に大きいものがあると感じる。

そういう意味では、ボブ・ディランももう少し聴いていくと好きな曲やアルバムに出会えるかもしれない・・・
そんなかすかな期待を抱かせた、「ブロンド・オン・ブロンド」でした。

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コメント

ども、おばんです。だいまつです。
さて、ボブ・デュランを聴いたのですね。
私は、武道館にボブ・デュランを見に行ったのが思い出です。しかも、全くCDを聴かず武道館に突入!
アリーナ席でした。圧倒されましたね、、。
その事を自分のブログでも取り上げようと思っていたところでした。
それではまた、、。

投稿: だいまつ | 2005.06.18 21:04

ディラン。嫌いです。というかほとんど聞いたことがないのです。そもそもアコースティック・ギターからエレキに変える人はあまり好きではなく、「お前、アリスか?チャゲアスか?」と突っ込んでしまうからです。でも美しい曲がある?でもCSNYにも「ティーチ・ユア・チルドレン」なんて曲があるから、危険だなあ。手を出すのは止めて置きましょう。

投稿: ぷくちゃん | 2005.06.19 00:23

よかったですねえ。そのアルバムはかなーりイイです。次は「欲望」かな。間違っても「地下室」には手をださないでね。

投稿: とおりすがり | 2005.06.19 14:04

だいまつさん、コメント感謝です。

>しかも、全くCDを聴かず武道館に突入!
>アリーナ席でした。圧倒されましたね、、。

大胆ですね!
ではだいまつさんのBLOGでのご紹介をお待ちしております。

ぷくちゃんさん、コメント感謝です・・・が、
お嫌いですか。ばっさり。
まあ自分も決して「いっぺんにファンになりました」などと変化したわけではないのですが。
もう少し聴いてみてもいいかなと思った程度です。

とおりすがりさん、はじめまして。
ご指導ありがとうございます。

>次は「欲望」かな。間違っても「地下室」には手をださないでね。

そうですか・・参考ににいたします。
でも「手を出してはいけない」と言われると、気にはなるのが自分のイヤシイところですが・・

投稿: SYUNJI | 2005.06.19 17:01

図書館に行ったらあるわあるわ、ディランの山、『BLONDE ON BLONDE』を借りてしまいました。あんな事言い放って世の中のディラン・ファンを敵に回した上で、借りるなんて私ってやはり馬鹿?聞いたら又ご報告します。

投稿: ぷくちゃん | 2005.06.20 20:06

SYUNJIさん、こんばんは。
お聞きになった「ブロンド・・・・」は、数多いディラン作品の中でも
名作中の名作だそうです。ちなみに、評論家の中山康樹氏による
とロック始まって以来の2枚組作品だったとか。
以上、例によって知ったかぶりばかりでしたが、ほとんど聴いたこ
とがありません、ディラン。そのディランを手に取られたSYUNJIさん
の勇気に脱帽です。

私がディランを苦手な理由ですが、
>>・声質があまり好きではない
(↑第1回より拝借)
これもあります。よくわからない声質と歌唱です。
それから、「ものすごく難しそう」という先入観が強く、とても
聴く気になれません。その壁たるや、ビートルズやレノンを
遙かに上回るものがあります。
お聞きになった「ブロンド・・・・」は既にロック化した後なんですね。
となりますと、私でもいけるかもしれないのですが・・・・

実は1枚だけめちゃくちゃ好きなアルバムがあります。ザ・バンドと
のライブ盤「偉大なる復活」です。「ロックにおける迫力とは何か」
を確認したい時、これに収録されいてる「Like A Rolling Stone」を
聴きます。それくらい各曲とも強烈な演奏です。
ですが、ディランファンには賛否両論あるようです。

投稿: モンスリー | 2005.06.21 23:14

ぷくちゃんさん、モンスリーさん、コメントありがとうございます。

>図書館に行ったらあるわあるわ、ディランの山

おや、そうですか?
ウチの近所の図書館にはそんなに置いてないんですよ。
借りたときも在庫は1枚だけでした。
ぜひ感想をぷくちゃんさんのBLOGでご紹介下さい。

モンスリーさんも意外にディランが苦手のようですね。

>「ものすごく難しそう」という先入観が強く

自分も「聴いてないアーチスト」に対してはたいていそう思ってます。
プログレなんか未だにそうですけど。

これまで聴いてない64回に対して聴いてみたのはまだ12回なのですが、当たり前ですけどやはり聴いてみないとわからないもんですよね。
聴いてもいないうちからグダグダと語りたがるのは自分の悪いクセなんですけど、「やっぱこれくらいは聴いてないと・・・」というのがまだたくさんありますので、みなさまのご指導を受けつつ挑戦してみたいと思っております。

投稿: SYUNJI | 2005.06.23 23:05

すいません、関係のない内容でトラックバックしまして。SYUNJIさんの考える一発屋って誰でしょう?すごく興味があります。

投稿: ぷくちゃん | 2005.06.26 08:02

こんにちわ。
見ず知らずの方に(いえ、きっと音楽と人生の先輩に)恐れおおいのですが……最初にこれを聴くなんて、ものには順序というものがあって、と、書きたくなった寒い夜です。
わたしは父がそうなのでディランのファンです。ずっと聴いてきて思ったのは、リリース数が膨大なアーティストの場合、全部持ってるという愛し方もありだけど、これと決めた数枚を一生かけて聴くのもありじゃないかと。ディランは「ざけんなよ」という盤も多いことですし、わたしは後者の愛し方をしています。その数枚のうちに本作は、どどん!と入っていて、ちょっと誇り。
レコード店の主人を主役にした「ハイフィデリティ」という映画で、店員が客に、「ブロンド・オン・ブロンドを持っていないなんて、人前で言うなよ」とレコードを押し付けているシーンは、ファンとしてにんまりでした。
またとりとめもなく。

投稿: さと | 2011.01.11 20:53

さとさん、コメント感謝です。
申し訳ありませんが、ディランもこのアルバムを聴いたきりで放置しています・・

>わたしは父がそうなのでディランのファンです。

そうでしたか。
なんかいい話ですね。
自分は成人前に父親を亡くしているので、趣味を共有できる親子という関係がうらやましいです。

>レコード店の主人を主役にした「ハイフィデリティ」という映画で、店員が客に、「ブロンド・オン・ブロンドを持っていないなんて、人前で言うなよ」とレコードを押し付けているシーンは、ファンとしてにんまりでした。

しまった・・
この映画はめずらしく観てるんですが、このセリフは全く記憶にありません。
当時ディランのアルバム名なんか全く知らなかったんで覚えられなかったんだと思います。

投稿: SYUNJI | 2011.01.15 23:18

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