聴いてみた 第10回 ポール・ロジャース
前回ジェネシスの体験入学に失敗し、失意のどん底にいた自分だが(ウソです)、気を取り直して新たなプログレ授業を受けるべく図書館に足を運びました。
しかしながらやはりELPやクリムゾンは見あたらず、イエスは「Open Your Heart」という90年代のCDはあったが、聴きたいのはこれじゃないしなぁ。
で、見つけたのはポール・ロジャース。
このアーチストだって「聴いてない度1」のハードなお題目である。
「Now」という97年頃のソロアルバムだが、最近クイーンも始動してるそうだし、どんなサウンドなのかくらいは押さえておいたほうがよかろう・・・
ということで借りて来ました。
プログレ講義は今週はお休みってことで。
・・・・聴いてみた。
当然だが、全部初めて聴く曲である。
まず少し意外だったのはポール・ロジャースの声です。
もっと低くて太い、館ひろしのような声を想像していたが(←こればっか)、かなりクリアな声質である。
97年当時だと50歳前後と思うが、声が若いですね。
これまで聴いてきた様々なボーカリストの誰とも違う。
シャウトがパープル時代のデビカバにも少し似ているとも感じますが。
通して聴いてみて特に聴きにくい曲もなく、まあ普通のロックである。
「ギンギンのハードロック」という形容は、とりあえずこのアルバムには当てはまらない。
サウンドは実に正統派であり、土台にはブルースがあるのだろうが、かなりポップな音でもあると思う。
いろいろな曲があるが、テンポの早いハードなナンバーや凝った音が仕込まれているような曲はなく、ポールも淡々とかつ楽しんでボーカルをこなしているように思える。
「Love Is All I Need」などはビートルズの「Oh! Darling」を思わせるような曲だ。
なるほどこのヒトが今クイーンとともにステージに立って歌ってるわけですね。
もちろんフレディ・マーキュリーとは全く違うタイプだが、ブライアンのギターやロジャーのドラムとは案外合うかもしれない・・などと感じた。
これだけの歌唱力と安定した声質があれば、どんなプレイヤーとでもうまくやっていけるんじゃないだろうか。
ところでポール・ロジャースはジェフ・ベックを非常に高く評価しているそうで、世の中のギタリストを「ベックとベック以外」に分類してるらしいが、そのわりにペイジとバンド組んだりしてるんですけど、ポール自身ザ・ファームでの活動はどんな風にとらえてるんでしょうね。
ザ・ファームって、ペイジとポールのどっちを主体として聴くものなんでしょうか?
でもってリッチー・ブラックモアはポール・ロジャースを非常に高く評価しており(「永遠の恋人」などという形容もあり)、レインボーで歌わせたがったという話もどこかのサイトで見た。
でもポールはリッチーを「ベック以外の人」としか見てないとしたら、リッチーが気の毒。
やっぱこの業界はこうした愛憎関係がとても楽しいですね。
とりあえず初めて聴いてみたポール・ロジャース。
彼の経歴からすると今回のアルバムが入門に妥当だったのかどうか不安だが、まあ悪くはなかったです。
ただこれに続いてフリーやバッド・カンパニーを聴いていくかどうかはまだわからない。
今回悪くはなかったけど、どこかに物足りなさを感じたのも確かである。
むしろクイーンとして歌った曲を聴いてみたいと思いました。
でも今このクイーンの公演にジョン・ディーコンは参加してないんだよね。
ポール・ロジャースとは関係ないが、このユニットについてはジョンの不参加が不満です。
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コメント
SYUNJIさん、こんばんは。
私もロジャースは、フリーの「ライブ」を友人に聞かせていただいた
だけです。
>>土台にはブルースがあるのだろうが、かなりポップな
>>音でもあると思う。
なるほど~。バッド・カンパニーは結構聞きやすいと聞いたことがあります。
ブルース一直線というわけでもないのですね。
ちなみに、上記フリー「ライブ」は、ポール・コゾフの太くて、かつ泣きの
ギターとも相まって、ヘヴィ&ブルースでした。
>>ザ・ファームって、
ひょっとすると、私がロジャースとペイジを初めて聞いたのは、彼らのヒット曲
「レイディオ・アクティブ」かもしれません。後日、ZEPを知るにいたって、
そのギターがやっぱりZEP風のリフだったなあと思いました。(うろ覚えですが)
ザ・ファームはアルバム2枚も出しているのですよねえ。
投稿: モンスリー | 2005.05.17 22:10
モンスリー師匠、こんばんは。
ポール・ロジャース、聴いてみて確かに安定したボーカルだと感じましたが、一方でそれほど特徴的・個性的な声でもないかなとも思いました。
ザ・ファームはこのボーカルとペイジのギターが楽しめてお得?なバンドなのかもしれませんが・・・師匠いかがでしょうか?
ちなみに90年代ペイジ系ユニットのカバペーとペープラについては、カバペーのほうが好きです。
テレビでペープラのライブ映像も見ましたが、もはやZEP前期の歌唱力はのぞめないプラントが痛々しく・・・
そう思うとやはり次回はファームを聴いたほうがいいかな?
投稿: SYUNJI | 2005.05.18 23:19
SYUNJI兄キ、こんばんは。
>>ザ・ファームはこのボーカルとペイジのギターが楽しめてお得?
お得だとは思うのですが、意外とうれなかったようですねえ。
やはり、ペイジ=ZEP、ロジャース=フリー
の構図が相変わらずファンの頭の中にあり、新たなユニットを
受け容れにくかったのではないでしょうか。何よりこの頃のペイジは、
ちゃんとギターを練習していたのかどうか怪しいです(聞いてもいませんが、笑)。
>>カバペーのほうが好きです
これも1枚で終わってしまいましたからねえ。
ベテランが、自身のキャリアの最高峰となるバンドを解散または脱退後に、
他のビッグネームと組んだバンドは、どうも長続きしませんね。
ジンジャー・ベイカー+ジャック・ブルース+ゲイリー・ムーアの
「BBA」とか。
>>もはやZEP前期の歌唱力はのぞめないプラントが痛々しく・・・
高音やシャウトは苦しいですが、その分味わいが広がりましたね。本人も
そのあたりを十分に意識しているようで、そちら方面を全面に出している
ようです。ロジャースも、92年頃のライブ映像では、結構朗々と歌って
おりました。
>>そう思うとやはり次回はファームを聴いたほうがいいかな?
私もこちらを拝見して気になってきましたが、輸入盤は
でているようです。うーん、しかし購入するにも度胸が(^^;;)。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=166469
投稿: モンスリー | 2005.05.19 23:18
モンスリーさん、ご指導感謝です。
今回ロジャースを採り上げてるBLOGをいくつか参照させてもらいましたが、もうほとんどがクイーンの話題でした。
他はやはりフリーが強いようで、自分の聴いた「NOW」を評するサイトはあまりありません。
やっぱポール・ロジャースといえばご指摘のとおりフリーなんでしょうかね。
少しフリーやバッド・カンパニーに興味がわいてきたところです。
ファームは国内盤てCDないんですか?
>他のビッグネームと組んだバンドは、どうも長続きしませんね。
BBMも1枚だけでしたっけ。
ブラインド・フェイスもハニー・ドリッパーズもそうですね。
投稿: SYUNJI | 2005.05.20 23:33
SYUNJIさん、こんばんは。
クイーン+ロジャースですが、やはり公式CDとDVDが出るそうです。
http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=8921
せっかくのライブ盤ですが、個人的には見送りの予定です。
ファームですが、うろ覚えですがワーナージャパンから廉価盤CD
になったと思うのですが、その後廃盤になったようです。
カヴァーデイル・ペイジもアマゾンドットコムには国内盤が掲載され
ていますが、在庫は怪しいと思います。
>>BBMも1枚だけでしたっけ。
>>ブラインド・フェイスもハニー・ドリッパーズもそうですね。
全部1枚で終了ですね。BBMは買いました。クリームっぽいリズムの
曲がよかったです。ハニドリは気に入っておりまして、プラントと
ペイジはこの路線でやってもらってもいいと思います。
投稿: モンスリー | 2005.05.24 23:07
モンスリー師匠、情報ありがとうございます。
やっぱ出ますね、クイーンとして。
フリーよりも気になるところです。
>カヴァーデイル・ペイジもアマゾンドットコムには
>国内盤が掲載されていますが、在庫は怪しいと思います。
なんだか悲しい話だなぁ。
でもカバペーは中古屋で案外簡単に買えますけどね。
ハニー・ドリッパーズは「シー・オブ・ラブ」しか知らないのですが、ジェフ・ベックがこのユニットをどう評価してるのか、聞いてみたい気がします。
ところでポール・ロジャースとベックって、競演したことあるんでしょうか?
投稿: SYUNJI | 2005.05.26 22:46
SYUNJIさん、こんばんは。
>>でもカバペーは中古屋で案外簡単に買えますけどね
しかも、結構安かったりしますね(^^;;;)。
>>ハニー・ドリッパーズは「シー・オブ・ラブ」
結構ベックもオールディーズは好きなんですが、どんなもんでしょうか???
この後にでたバン・ヘイレンのデイブ・リー・ロスのソロ「ゲット・ア・ジゴロ」
も楽しかったですが、個人的にはハニドリの方が好きでした。
>>ポール・ロジャースとベックって、競演したことあるんでしょうか?
ここで1曲共演しております。個人的にはもちろん聞いておりません(^^;)。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=745591
ちなみに、ロジャースは、92年くらいのイベントライブで、ブライアン・
メイ他有名ギタリストを多数従えて、「オール・ライト・ナウ」を
朗々と歌っております。
投稿: モンスリー | 2005.05.27 22:13
ご回答ありがとうございました。
そうだそうだ、これgetsmartさんに教えてもらったんだっけ。
そうそうたるメンバーが参加してるアルバムですよね。
いずれにしても、クイーンの曲をどんな感じにロジャースが歌っているのか、興味がわいてきました。
発売されたら、買わないけどCD屋で試聴はすると思います・・・
投稿: SYUNJI | 2005.05.29 00:06
初めまして、おじゃましますm(_ _)m
5年くらい前にQueenが好きになり
当然ライヴ経験は無理だったことから
今回の Queen+Paul Rodgers にとびつき
先月イギリスまで飛んでって観てきた者です。
私も最初ポール・ロジャースは
「な、名前は聞いたことあるなぁ( ̄▽ ̄:」
程度だったのですが
Free, Bad Company を予習し
おまけに生で観て、歌声を聴いたら
ものの見事に惚れて帰ってきました。
"Now" で物足りないという感想をお持ちになったなら
個人的には、Free のファースト・アルバム
"Tons Of Sobs" と
Bad Company の、同じくファースト
"Bad Company" がおすすめです。
"Bad Company" は名前とちがって
全然ワルとかヤバいとかいう印象はありませんよ。
開幕の "Can't Get Enough" は
シンプルでノリやすく (でもミック・ラルフスのギターが耳にひっかかりまくり。Q+PR でブライアンがやるのも、なかなかです)
すぐに覚えて歌いたくなるような感じで
ラストの "Seagull" はとても綺麗です。
ポールが世の中のギタリストを
「ベックとベック以外」 に分けているという話は
楽しませていただきました。
ブライアンはどうなるんだろう。
しかしブライアン自身がベックのファンなので
「ベック以外でいいです」 って言いそうな気もします (笑)
投稿: Yukari | 2005.06.04 22:14
Yukariさん、初めまして、コメントありがとうございます。
これまで多くの方にフリーやバッド・カンパニーをお勧めいただいていますので、やはりいずれも聴いてみないとポール・ロジャースの評価はできないようですね。
自分、「聴いてない」自慢を延々してるわりにクイーンはアルバムをほとんど聴いておるのですが、やはりクイーンの曲をポール・ロジャースがどう歌うのかは興味がありますね。
>ブライアン自身がベックのファンなので「ベック以外でいいです」
>って言いそうな気もします (笑)
あー言いそうですね(笑)。
会ったことないけど(笑)。
しかしペイジは「ベック以外」とされてることにイキドオリとかそういう感情はないのかな?
この発言、ホントにポール・ロジャースはそう言ったとしたら、かなりヤバイ話だなぁ。
(あたしが心配してどうなるもんでもないんですけど・・)
投稿: SYUNJI | 2005.06.05 23:46
こんばんは、はじめまして。
楽しく拝見させて頂きました。
だいぶ前の記事にコメントつけて、申し訳ないっす。
リッチーがポール・ロジャースに接近したのは第3期パープルに参加を打診した時だったと思います。
当時、ポールはフリーの後、バッド・カンパニーをスタートさせる前で、リッチーの誘いを断ったとの事。
ポールにふられたリッチーは似たようなタイプのデヴィッド・カヴァーデールを見つける訳ですね。
投稿: ボビー2号 | 2011.05.31 21:31
ボビー2号さん、初めまして。
こんな辺境BLOGの昔の記事にコメントいただいて恐縮です。
そういえばポール・ロジャースも結局これっきりになってます。
>当時、ポールはフリーの後、バッド・カンパニーをスタートさせる前で、リッチーの誘いを断ったとの事。
なるほど、そんないきさつがあったんですね。
もしポールがパープルに参加してたらどうなっていたんでしょうね?
>ポールにふられたリッチーは似たようなタイプのデヴィッド・カヴァーデールを見つける訳ですね。
そうだったのか・・
ポール・ロジャースを聴いた時はカバを連想することはなかったですが、リッチーはカバを「お、ポール・ロジャースっぽい新人」と見て採用したのかもしれませんね。
ご覧のとおりド素人全開なBLOGですが、よろしければまたお立ち寄りください。
投稿: SYUNJI | 2011.05.31 23:28