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聴いてない 第48回 ボズ・スキャッグス

BLOGを始めて1年が経ちましたが、今回のエントリでちょうど100回目となります。
聴いてないシリーズもこんなに長続きするとは思ってませんでした。
ネタが尽きないのはそれだけ聴いてないアーチストが多いという、情けない事態の現れでもあるのですが、みなさまの親切なコメントに支えられて、ここまで来ることができました。
今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

今回はAORの第一人者、ロック界の杉サマことボズ・スキャッグス。
適当に言葉並べてますけど、今回も相当自信がありません。
「ぼず・すきゃっぐす」で合ってんのかも未だによくわかりませんが。
どの字に濁点がつくんだこのヒトは?

AORという言い方も、日本でしか通じない業界用語だそうだ。
本来AORとは「Album Oriented Rock」の略で、シングルよりもアルバム全体を重視した作りの音楽を指すらしい。
ツェッペリンなんかは正しい意味でAORと言えると思うが、日本では誰もそんなことは言ってません。
ボズやボビー・コールドウェルなんかに代表される、本当はAC(アダルト・コンテンポラリー)と呼ばれるアダルトな香りを漂わせたスカシ系ロック、が日本で言うところのAORである、という定義付けで、このBLOGも進めたいと思います。
ちなみに自分は高校生のころ「アダルト・オリエンタル・ロック」と覚えてしまっていました。
成人東洋的ロック。意味不明。

ボズ・スキャッグスですが、聴いてない度は3くらいで、ベスト盤も含めアルバムは1枚も聴いていません。
聴いてる曲は「We're All Alone」「Jojo」「Look What You've Done To Me」くらいである。
実はもう1曲エアチェックしているのだが、未だにタイトルが不明。
ボズの曲だということは確実なのだが、タイトルが聞き取れずそのまま20年放置。
もう調べる気もあまりないんですけど。

久しぶりに聴いてない理由を整理してみる。

理由その1。
・コドモだった
ボズと言えば我々80年代を生きてきた世代にとっては、なんと言っても「Middle Man」である。
全国の青少年のリビドーを刺激するようなジャケット。
中身は聴いてなくてもジャケットは知ってる元青少年のみなさんも多いと思う。
ジャケットの絵柄に騒いでいただけで、曲をたしなむにはちと人生経験が足りず、リアルタイムではあったけど「ぼくたちのレベルに降りてきてはいなかったアーチスト」という印象である。
早い話がボズ聴くにはまだ子供だったわけです。
名曲「We're All Alone」を聴いたのは「Middle Man」の頃よりもずっと後である。

なおウチの学校は自由な校風と言えば聞こえはいいが、いまひとつアタマの良い学生さんが少なかったせいか、「Middle Man」のジャケットそのものが生徒会室の壁に掛かっていたりしました。(バカだ・・)
そういうあたしも教室のドアにマイケル・シェンカーのポスターなんか貼ったりしましたけど。

理由その2。
・思ったより軽い声
「ダンディー」という形容詞が付くことも多いボズですが、そのわりになんというか少し声が軽い。
もっとハスキーで低い声の持ち主かと、ジャケットを見ながら勝手に想像してましたが・・・
ピーター・セテラのようなハイトーンというわけでもなく、いまひとつ好みでない。
うっかり振り込んじゃった時この声で「ローン!」とか言われるとハラ立つだろうなぁ。

理由その3。
・雑誌にダメ出し投稿があった
その昔ミュージック・ライフに、ボズのコンサートを見に行った人の投稿があったのだが、「なんかおっさんが歌ってるなという感じでぜんぜん良くなかった」などというものすごいダメ出しで、それ読んで「あーそういう音楽なんだ・・」と聴いてみる意欲が失われていくのを感じた。
元々大した意欲もなかったけど、こんなことでくじけてる自分も情けないですが。
今思うとそもそもミュージック・ライフに投稿するようなヤツが、AORを好意的にとらえるはずもないですね。
いずれにせよこの頃からボズ・スキャッグスは縁遠い音楽という位置に置かれたままである。

他にボズまわりで知っていることと言えば、ジェフ・ポーカロやデビッド・ペイチなど、ボズのアルバム制作に参加したミュージシャンが後にTOTOを結成した、ということくらいだ。
自分にとっては知ったのも聴いたのもTOTOのほうが先ですけどね。

ネットでボズの経歴を調べると、昔はスティーブ・ミラーやデュアン・オールマンらとブルースバンドのボーカリストとして活動していた、なんてことがわかった。
西海岸の都会的なニオイが先行するイメージがあるが、ボズ本人はオハイオ出身・テキサス育ちでどっぷり南部のR&Bが根底にあるようだ。
スティーブ・ミラーは「アブラカダブラ」しか聴いてないので、ボズが活動をともにしていた、というのが自分の中でどうも結びつかない。(どっちも聴いてないんだから結びつかなくて当然ですけど)
ちなみにスティーブ・ミラーは日本人が好きではなく、日本のメディアの取材にはあまり丁寧な対応をしてくれない、といったような話をなにかの雑誌で読んだ記憶がある。
ボズとは何の関係もありませんが。

とりあえず名曲「We're All Alone」と「Middle Man」のジャケット、という貧弱なイメージしかないボズ・スキャッグス。
90年代以降はほとんど引退同然で目立った活動もしていないようですが、日本での彼の評価はどんな感じなのでしょうか?


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コメント

ボズ・スキャッグスのアルバムと言えば、やっぱり『Middle Man』と『Silk Degrees』でしょうね。僕は、ジェフ・ポーカロ好きなので、『Silk Degrees』に収録されている「Low Down」でのイントロのドラムを聴くと、「もうたまりましぇーん!」って感じです。
彼の音楽はあまりリアルタイムで聴いていません。ラジオなんかでは聞いていましたが、LPは持っていませんでした。当時は『Middle Man』のジャケ写のとおり「大人の音楽」という印象でした。
ボズと言えば、映画「フィルモア最后のコンサート」で、ビル・グレアムがラストコンサートに出演できなくなったと電話してきたボズに悪態をついていた事も思い出されます。

投稿: getsmart0086 | 2004.12.26 23:03

きっと皆さんと全く違うこというかも知れませんが・・・・・
Silk Degreesを初めて聞いた時、演奏そのものより、その音の悪さが気になりました。「ロウ・ダウン」「We Are All Alone」は曲がいいのになんて抜けが悪く、低音の無いサウンドだと感じました。プログレとフィーリーソウルを聞いていた自分にはたえられないサウンドでしたね。このころのバンドにオーケストレーションを足したサウンドは大体こんな音してたんだけどね!ただ、We Are All Aloneはパーティーでの必需品の曲だったんでね!聞いたというより何度もかけました。自分の曖昧な記憶からして、実際にこのアルバムを聞く羽目になったのは、80年代にはいってからかもしれません。We Are All Aloneはセシリオ&カポノや、リタクーリッジのカバーの方がたくさん耳にしている気もします。もちろんこのアルバムは持っていない気がします。自分でほしくて買った唯一のアルバムは「Down To Then Left」です。これは音もよし!ルカサーがはいったからかな?ヴァンヘイレンのギターのせい?むちゃくちゃソウルフルなボズのボーカルも大好きです。「ミドル・マン」はもう食傷気味で聞く気になれなかったですね!ていうことで、今でもこの一枚はたまに聞きますが、他は全く興味ありません。SACDや普通でもいいんですけど、リミックスでSilk Degreesはでないんでしょうかね!We Are All Aloneは誰もが認める名曲でしょう?このオリジナルが名演とかを問いただす曲じゃないわけだから、少しは聴ける音にしてくれないかなあ?といっても歌もすごくいいわけじゃないけどね!誰かのイイカバーがでればそれでもいいのかなあ?!

投稿: マルチオーディオ | 2004.12.27 13:41

私もボズ様の中で好きなアルバムは「Down To Then Left」です。
「Silk Degrees」よりも遥かに好きだったりします。
ボズ様(笑)のソウルフルな歌いっぷりと共にこのアルバム全体の
時間の流れがすごく気持ちいいので大好きです。
オススメよ~ん♪

投稿: 祥之介 | 2004.12.27 19:16

みなさまコメントありがとうございます。
と言ってもなんせ聴いてないもんで、みなさまのコメントのほとんどについていけてないんですけど。

「Silk Degrees」と「Down To Then Left」の人気が高いようですね。
ヴァン・ヘイレンがギターで参加していたんですか?!これは知りませんでした。

投稿: SYUNJI | 2004.12.27 23:14

マルチオーディオさん、祥之介さん、こんばんは。
お二人とも『Down To Then Left』が好きなんですね。確かに、全体のサウンドにまとまりのあるアルバムですよね。僕の場合、『Middle Man』と『Silk Degrees』が好きはは、それぞれ「Jo Jo」と「Low Down」が好きと言いかえることができるのかも知れません。僕には『Down To Then Left』に「これだ!!」という曲がないんですよね。アルバムを通して聴くには非常に気持ちよいアルバムですけどね。
ルカサーですが、今クレジットを確認してみましたが「A Clue」と「Gimme the Goods」のソロだけの参加のようですよ。基本は、ジェイ・グレイドンとレイ・パーカーJr.みたいです。詳しくは知りませんが、カッティングがレイ・パーカーJr.、その他がジェイ・グレイドンというパート分けでしょうか。

SYUNJIさん、勝手にコメントしちゃってゴメンナサイ。

投稿: getsmart0086 | 2004.12.27 23:24

トラバありがとうございました。
私のブログでも紹介しましたが、ボズの最新ライヴDVDいいですよ。
渋い!

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2004.12.28 11:50

getsmart0086さん、こんばんは。

>勝手にコメントしちゃってゴメンナサイ。

あ、全然構いません。今回自分は皆さまのコメントにほとんどついていけてませんので、ぜひ盛り上げていただければと思います。
レイ・パーカーJr.は「Woman Needs Love」を歌った人ですよね?

蘊恥庵庵主さん、コメントありがとうございます。
TBしっぱなしですみませんでした。
蘊恥庵庵主さんのページ、実に渋いです。

ちなみに先週我が家もスキージャンプペア1と2を買いました。2はまだ見てませんが、妻は1で結構楽しんでいました。

投稿: SYUNJI | 2004.12.29 21:08

SYUNJIさん、こんばんは。
スキャッグスですが、友人に自選のベストを、そして82年頃の
来日ライブの映像を見せてもらったことがあります。聴いている
度はこれだけです。
スキャッグスについては聴いてもいないのに、AORの表看板の
ためか、一言言いたくなってしまいますね。

>>アダルトな香りを漂わせたスカシ系ロック、
>>が日本で言うところのAORである
そうなんですよね。ここに日本のAORが集約されてしまっている
のですよね。私のHPでも書いたことなんですが、AORはクロスオーバー
な音楽といいますか、ロックやR&Bやジャズのエッセンスを集約して
再構成しているところによさがありますよね。私の場合、黒人音楽を
直接聞くのは苦手ですが、AOR系ミュージシャンが洗練させたものを
聴くのは好きです。
ですが、なぜか日本では「女性とドライブするときのBGM」的に
販促が行われています(多分今も)。これでは、AORのよさが伝わり
ません。
スキャッグスにしても、「We Are All Alone」は確かに素晴らしいで
すが、ベスト盤やライブ映像で聴いた豪快にR&Bするような曲の方が
もっとよかったです。

>>そのわりになんというか少し声が軽い
爆! 意外とルックスと異なる声質なんですよね(^^;)。マイケル・
マクドナルドはイメージと近いものがあります。クリストファー・
クロスもかなり違うかな???

投稿: モンスリー | 2004.12.29 21:36

レイ・パーカーJr.で一番有名なのは「ゴースト・バスターズ」だと思います。彼は自分自身のバンドでも活躍してますが、セッションギタリストとしても超売れっ子で、確か参加している曲は1000曲を軽く越していると思います。昔雑誌で読んだんですが、セッションギタリストとしては、彼が一番参加曲が多かったと思います。

投稿: getsmart0086 | 2004.12.30 12:34

モンスリーさん、コメント感謝です。

>なぜか日本では「女性とドライブするときのBGM」的に販促が行われています

うわはは、その販促作戦に引っかかってる男があたしです。
ボズ・スキャッグスのアルバムには手を出しませんでしたが、「We're All Alone」だけはエアチェックしていたので、なんとそのテープを野郎4人でクルマで聴いて「この曲ならイケル!」と浅はかに盛り上がったという、果てしなくバカな思い出があります。(誰もイケてませんでした)

getsmart0086さん、コメントありがとうございます。

>レイ・パーカーJr.で一番有名なのは「ゴースト・バスターズ」だと思います。

そうでした!忘れていました。
確かこの曲はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「I Want A New Drug」と似ていると指摘を受けて、レイ・パーカーのほうが謝ったりしてませんでしたっけ?
それにしても参加曲が1000を超えてるってのはスゴイですね。

投稿: SYUNJI | 2004.12.30 21:55

SYUNJIさん、こんにちは。
>>そのテープを野郎4人でクルマで聴いて
爆! 女性とドライブというシチュエーションには全く縁がなかった
私ですがこれはうけました!

ちなみに、妻に「まだ告白もされていないが、気があるのが見え見え
な男性とのドライブ中のBGMとして適なものは?」と聴いてみました。
(なお、妻は私が聞いている以下のミュージシャンは全部知っている
のでその辺りを差し引いてご覧ください)
1.マイケル・マクドナルド→いいかも。でも下心が見える。
2.ブルース・スプリングスティーン→暑苦しい
3.レッド・ツェッペリン→その男性がロックマニアなのが見え見えで、
  ロックについていろいろウルサイことを言われそうなのでイヤ。
  (ビートルズも同じ)
4.ドゥービー・ブラザーズ→単純にドライブミュージックとしてはOK。
5.スティーリー・ダン→good。ドナルド・フェイゲンの「ナイトフライ」
  ならモアベター。
総じてAOR系はよいとのことでしたが、逆にスキャッグスは基本的に好きでは
ない、とのことでした。

投稿: モンスリー | 2004.12.31 12:38

モンスリーさん、新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

>「まだ告白もされていないが、気があるのが見え見えな男性とのドライブ中のBGMとして適なものは?」

自分の場合2と3しか聴いてないので、どちらかになるのでしょうけど、たぶん2。
でもボスで女が口説けるとは思えんしなぁ。
AOR系でならたぶんボビー・コールドウェルを使いますね。ってもう使う機会すらあり得ませんけど。
もし今そういう機会に恵まれたとしたら、クイーンを使うと思います。
(果たして評価やいかに?)

投稿: SYUNJI | 2005.01.06 23:40

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