聴いてない 第39回 ホワイトスネイク
先週また書店で、滅多に買わない雑誌「BURRN!」の表紙が目にとまった。
「WHITESNAKE」の文字にデビッド・カバーデイルの写真である。
表紙をめくると巻頭にカバのインタビュー記事もあった。
カバは「BURRN!創刊20周年おめでとう」と日本語で書かれた紙を手にしている。
きっと編集の人が書いたんだかカバに書かせたんだかどっちかだと思うけど、「おめでとう」のわりにカバの表情はいまいち楽しそうじゃないんですけど。
・・・で、記事をながめていて思い出したのですが、ホワイトスネイク、実は聴いてません。
パープルの巻でも白状しましたが、聴いたのはヒットした4曲くらいで、アルバムなんか1枚も聴いてない。
聴いてない度は3です。
「Bloody Luxury」「Here I Go Again」「Is This Love」「The Deeper The Love」が、おそらく聴いた全曲のはずである。
ホワイトスネイク、ネットで少し調べてみましたが、やっぱもうホントにメンバーチェンジが複雑。
アルバムごとに全部メンバー違うんじゃないの?
こんな状態だから聴かないんだよなあ。
あ、いやいや、メンバーがころころ変わるのがイヤなのではなく、それがおもしろいので興味がそっちにしか向かないのである。
パープル・ファミリーは音よりも人。
しかもまたメンバーがこらえ性のないような方々ばかりで、それぞれがものすごく様々な経歴を持っている。
おもしろすぎる・・・
出入りが激しいのはパープル・ファミリーの特徴だが、ホワイトスネイクの場合さらに流動的で、カバが「その時盛り上がったのでいっしょにやってみました」という感じで曲を作ったり録音したりしていたらしい。
自由・おおらかと言えば聞こえはいいけど、きっと支払いの時はもめたんだろうね。
パープルが最初に解散した時、カバは自分のバンドとしてホワイトスネイクを結成するのだが、後からそこにジョン・ロードとイアン・ペイスが加入する、というくだりはとてもおもしろい。(ワタシ変ですか?)
そもそもジョンはパープルのリーダーで、カバはオーディションで加入した後輩なのだ。
その後輩が自前で立ち上げたバンドに、先輩二人が後から入るという図式は、小学生がドッジボール持って「ボクたちも入れてくれる?」とお願いしてるような、そんな場面を想像してしまうのである。
実際にはそんなカワイイやりとりがあったはずがないのですが。
さらにパープルは第2期メンバーで80年代半ばに復活するのだが、そん時メンバーそれぞれがバンドをちゃんと運営していた、というのも、スゴイというかヒドイというか、いい話だ。(やっぱワタシ変ですか?)
レインボーなんてセールス的には相当成功していたはずなのだが、リッチーのパープルへの復帰により、解散してしまった。
カバにとっても自分のバンドのホワイトスネイクに、ドッジボール持って(持ってねえって)入ってきたジョンが、「じゃ、パープルに戻るんで・・」といって去っていった、ってことでしょ?ハラ立ったんじゃないかなぁ。
逆にカバがジョンも含めて全員クビにした、という話もあるみたいですけど。
自分はとにかくこうしたバンドの経緯が大好きで、ファミリー・ツリーなんか追っかけるのが楽しくてしょうがない。
以前タワーレコードにそういったバンドの系譜を集めた分厚い本(洋書)が置いてあって、日本円で1万円以上してたと思うのだが、買うかどうかかなり迷ったことがある。(結局買いませんでしたが。)
ホワイトスネイクは、そのパープルが復活してジョン・ロードがいなくなった後で、「白蛇の紋章」で大成功している。
ここがカバのいいところだ。
ディープ・パープルというスーパーグループ出身でありながら、その後パープルの名を引きずることなく、自分のバンドを成功させている。
誉めてるわりに聴いてないんですけど。
カバと言えばはずせない問題作、「Coverdale Page」。
実はこのアルバムは聴いており、結構気に入っています。
世間での評価は必ずしも高くなかったようで、最近中古CD店では数百円で売られている。
年齢のせいもあるが、パープル時代・白蛇時代とはかなりカバの声が変わってしまった気がする。
カバペーの後ペイジはペイジ&プラントのユニットを成功(?)させるのですが、このカバーデイル・ペイジ、どうやらペイジ&プラントのためのスパーリング用ユニットだった、という見方があるようだ。
FROCKLでも「カバはペイジの実験台にされた」なんていう意見が出ていた。
実際当時の雑誌でカバは「ロバート・プラントのバカ野郎から横やりが入った」というようなことを言っていたので、カバペーやる前からペープラは予定されていたのかもしれない。
カバペー特集のテレビ番組を見たが、カバはペイジと競演できることがうれしくてしかたがない様子だった。
話は今のカバに戻るが、BURRN!には「今のリッチーもジョンもいないメンバーでディープ・パープルを名乗るのもどうかと思う」ようなことも書いてあった。
パープル以降様々な人達と活動してきたカバだが、やはり愛着はあるのだろう。
ジョンやリッチーのことを決して悪く言っているわけではないようだし、今のリッチーのクラシック回帰にも肯定的だ。
これからカバがホワイトスネイクで何をするつもりなのかよくわからないが、聴くとしたらやはり「白蛇の紋章」をまず選ぶと思う。
それぞれのアルバムで誰が参加しているのかを確認しながら聴く、というのがパープル・ファミリーとしての正しい鑑賞でしょうか。
結局どの時代にもパープル出身者が在籍してるので、どうしても紫色のフィルムを通して見てしまうのだろう。
純粋に白いホワイトスネイクや原色のレインボーを鑑賞する、というのは自分にとっては案外難しいかもしれない。
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コメント
名前を知っているだけ、聞いたこともラジオでぐらい!もちろん、積極的に聞いたことなんてありません。コメントの仕様がないんですが、昔、VowWowに元ホワイトスネークのベースの人がいるっていうライブ、みました。人見元気がまだ、元気でヘルタースケルターとかやってるころです。恭司くんは相変わらずでした。そんなコメントしかかけなくてすいません
投稿: マルチオーディオ | 2004.10.20 12:40
マルチオーディオさん、コメント感謝です。
>昔、VowWowに元ホワイトスネークのベースの人がいるって
>いうライブ、みました。
ニール・マーレイですね。
コージー・パウエルやジョン・サイクスといったメンバーとともにホワイト・スネイクを盛り上げたベーシストだそうです。
VOWWOWはもちろん聴いてませんが。
ネットで検索すると「人見元基は千葉で学校の先生をしてるらしい」などといったサイトがいくつか見あたります。
投稿: SYUNJI | 2004.10.20 23:10
SYUNJIさん、こんばんは。
ホワイトスネイク、全く聴いたことがありません。
>>カバと言えばはずせない問題作、「Coverdale Page」
これは私も買いました。ですが、気に入ることができずの同僚に譲って
しまいました。どうも、カバーデイルのボーカルが合わなかった
ようです。同僚はパープルやホワイトスネイクが好きで、特にカバ期の
パープルを好んでおり、「あのソウルフルなボーカルがたまらない」との
ことでした。
この同僚と、カバーデイル・ペイジの大阪公演にも行きました。私は
ペイジ目当てで、当然m、ZEP解散後の初来日なのでハイライトはZEP
ナンバーのオンパレードに違いないと期待していたのです。
ですが、カバペジ、ZEP、ホワイトスネイクの曲がほぼ均等に演奏されま
した。
しかも、ZEP曲よりスネイクの曲の方が盛り上がっていました。特に
「Here I Go Again」が最高潮だったようです。どうも、コンサートに来る
層はスネイクのファンが多いと、事前にリサーチしていたのでは、とも思います。
>>こうしたバンドの経緯が大好きで、ファミリー・ツリーなんか
>>追っかけるのが楽しくてしょうがない。
ああ~、となりますと、プログレ素質120%です(笑)。特に、クリムゾン
+イエス+ELPの複雑怪奇なツリーは圧倒的です。是非そちらから入って
いただければ(^^;;;)。
>>滅多に買わない雑誌「BURRN!」の表紙が目にとまった
確か2ヶ月前のプレイヤー誌だったか、ジミー・ペイジとジェフ・
ベックのツーショット、もちろん対談付きで、欲しかったのですが我慢
しました。確か、5年前にも同じ企画があり、そのときは買った
のですが。
投稿: モンスリー | 2004.10.24 21:45
モンスリーさん、コメント感謝です・・・が、
>ホワイトスネイク、全く聴いたことがありません。
え?そうなんですか?カバペー見に行かれたと聞いていたのでてっきり白蛇もクリア済みだと思っていましたが・・
カバペーもおそらく二度と再結成はなさそうなユニットなので、コンサートに行かれたのは貴重ですね。
当時ロバート・プラントがこのカバペーユニットにいろいろちょっかい?を出していた話を雑誌で読み、「プラント&ブラックモア」などとあり得ないユニットを想像してしまいました。
ファミリーツリー好きは案外聴いてないアーチストにも及ぶこともあり、イエスの主なメンバーは言えたりします。
(何の役にも立ちませんけど)
一時期アルバムのプロデューサー名まで覚えようとしたこともあり、デフ・レパードとブライアン・アダムスのあるアルバムのプロデューサーが同じで「やっぱ音が同じじゃ~ん」などと勝手に納得したりしていました。
投稿: SYUNJI | 2004.10.24 23:06
SYUNJIさん、こんばんは。
>>イエスの主なメンバーは言えたりします
爆! イエスは「危機」くらいまでなら何とか言えますが、それ以降は
メンバーの出入りが激しすぎて無理です。昨年、リック・ウェイクマンが
復帰してツアーを行いましたが、復帰直後のイエスファンの方々の話題は
「ウェイクマンはいつ脱退するか」でした(笑)。
>>デフ・レパードとブライアン・アダムスのあるアルバムの
>>プロデューサーが同じで
ジム・バランスでしょうか。確か、「炎のターゲット」と「レックレス」
(か、「Cuts Like A Knife」)が同時期にヒットしましたね。
あ、レパードは一度も聴いたことがないことを白状しておきます(^^;)。
投稿: モンスリー | 2004.10.25 22:29
お題はホワイト・スネイクだけど話題はデフ・レパード。
自分が覚えたのはロバート・ジョン・マット・ラングです。
ジョン・マット・ランジの名のほうがとおりがいいかな?
デフレパの「炎のターゲット」とブライアン・アダムスの「ウェイキング・アップ・ザ・ネイバーズ」をプロデュースした人物です。
ブライアンの「Thought I'd Died And Gone To Heaven」はまるでバックコーラスにデフレパを起用したような音です。
(この話は「月刊炎」にも書いてありました)
ちなみにランジはカーズの「Heartbeat City」、フォリナーの「4」なども手がけています。
ナイル・ロジャース、スティーブ・リリーホワイト、トレバー・ホーン、ロイ・トーマス・ベイカーなど、80年代はプロデューサー名もけっこう覚えたもんです。
ちなみに「レックレス」のプロデューサー、調べたらボブ・クリアマウンテンという人のようです。
>あ、レパードは一度も聴いたことがないことを白状しておきます(^^;)。
平気平気、あたしも聴いてませんから。(何が平気?)
いつか採りあげますから、お待ちあれ。
投稿: SYUNJI | 2004.10.26 21:10
こんばんはー。数日前にTBで参加させていただきました。
ホワイトスネイクは私もアルバムを全部(もしくはたくさん)聴いているアーティストではありません。が、聴いたことのあるアルバムの中では1980年にリリースされたライヴがダントツにインパクトありました。アルバムもその頃はよく聴きました。ですが、長続きせず、そこで終了。
バンドはその後メンバーを換えて出直し「サーペンス・アルバス」がヒットしましたが、自分の中じゃ正直「ちょっと違う」と違和感を感じたものです。
妹のアルバムだったし自分じゃあまり聴かなかったので「サーペンス・アルバス」にはほとんど思い入れがありません。シングルヒット曲しか思い出せないことも白状します(笑)。
それと細かいことですが、Whitesnakeはひとつの単語なので、「ホワイトスネイク」と繋がっている方が正しいと思うんですけど・・・・
投稿: Saki | 2004.10.27 00:20
SYUNJIさん、こんばんは。
>>「レックレス」のプロデューサー、調べたらボブ・クリアマウンテン
あっちゃー、実はブライアンはかなり好きだったのです(^^;;)。
そのクリアマウンテンさんでした。当時人気で、プロデュース業
以外でも、エンジニアとして参加したアルバムも結構あったと
思います。
>>ブライアン・アダムスの「ウェイキング・アップ・ザ・ネイバーズ」
このアルバムですが、なんだか若向け過ぎるような気がして、
これを最後にブライアンから離れてしまいました。ジャケは一番
好きなんですが。レパードと似た曲を聴いてみようと思ったのですが、
押入に入っていて断念しました。
>>80年代はプロデューサー名もけっこう覚えたもんです
ナイル・ロジャース:マドンナ、ホール&オーツ?
トレバー・ホーン:イエス、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド
もそうでしたっけ? 他の人はわかりませんでした。
バン・ヘイレンを手がけたテッド・テンプルマンは
ドゥービーのプロデュースもしていましたので親しみがあります。
投稿: モンスリー | 2004.10.27 23:16
Sakiさん、こんばんは。
TBありがとうございました。
(自分もSakiさんのエントリにTB返ししたはずなのですが、なぜか受け付けてもらえない・・)
>Whitesnakeはひとつの単語なので、「ホワイトスネイク」と繋がっている方が正しいと思うんですけど・・・・
するどい・・さすがFROCKL出身(←意味不明)
なるほどそうだったんですね。あとで訂正しときます。
ほら、あたし聴いてないから・・(言い訳)
「スーパートランプ」もそういや「・」はないですもんね。
ありがとうございました。
投稿: SYUNJI | 2004.10.27 23:27
モンスリーさん、コメント感謝です。
話題はプロデューサーへ。
ロイ・トーマス・ベイカーはクイーンの「QUEEN II」やジョー・リン・ターナーのソロなんかを手がけた人です。
スティーブ・リリーホワイトはXTCやピーター・ガブリエル、U2をプロデュースしています。(聴いてるのはU2だけですけど)
>バン・ヘイレンを手がけたテッド・テンプルマン
この人の名もあちこちで見かけますよね。
VH加入前のサミーが在籍したモントローズというバンドのプロデュースもしてるそうです。
VHと言えばサミー加入直後の「5150」は、フォリナーのリーダーのミック・ジョーンズがプロデューサーです。
ミックはビリー・ジョエルの「Storm Front」も確か手がけたはずです。ただし「5150」と何の共通点も感じませんけど。
投稿: SYUNJI | 2004.10.30 09:38
初めまして
Rikoさんのブログから来ました。
初めてなのにトラックバックもしちゃいました。
昔、リッチー・ブラックモアは「首切り魔」なんて呼ばれてましたね。
パープル系のバンドはほんとにメンバーチェンジが激しくて、覚えられない・・・・
イエス・クリムゾン・モー娘。といい勝負ですね。
投稿: htsgis | 2005.02.06 19:30
htsgisさん、初めまして。
先ほど自分もRiko姉さんのBLOGからhtsgisさんのBLOGへたどりついて拝見させてもらったばかりです。
ジャンルがとても幅広いですね。
あたしなんぞ洋楽のみですし、おまけに「聴いてない」ときてるから内容がスカスカですけど・・
>昔、リッチー・ブラックモアは「首切り魔」なんて呼ばれてましたね。
きっとツアーやアルバム作成の最中も、オモテに出ない末端のスタッフが山ほどクビになったんだろうなぁ・・と思うと(ホントか?)少しせつないですね。
ちなみにちょうど「紋章」の頃、以下のメンツによるスーパーバンドが結成される!といったガセネタが、自分のまわりで流行ったことがありました。
ジェフ・ベック
ジョン・ロード
デビッド・カバーディル
ジミー・ペイジ
コージー・パウエル
真相は自分の友人が勘違いして、白蛇にコージー加入の話にハニー・ドリッパーズの話が混ざったモノだったようです。
ガセとはいえ最初はそりゃあ驚いたもんです。
・・・といったような軽薄なBLOGなんですけど、今後ともよろしくご指導下さい。
投稿: SYUNJI | 2005.02.06 21:05