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聴いてない 第38回 ゲイリー・ムーア

孤高のギタリスト、ゲイリー・ムーア。
無論聴いてないのだが、まず知識が圧倒的に欠落しているアーチストである。
ブルース、アイルランド、シン・リジィ、BBMといったかすかな断片情報しか持ち合わせていない。

聴く機会が全くなかったわけではないのだが、自分にとってゲイリー・ムーアの場合どうも不運な状態が多い。
エアチェックしたことのある曲は「Listen To Your Heartbeat」(85年頃)と「Story Of The Blues」(92年頃)の2曲なのだが、2曲とも途中でテープが終わってしまい、全編聴いていないのである。

カセットテープの場合、録音できる残り時間を確認するのは結構難しい。
エアチェックは基本的に出たとこ勝負なので、これから録音する曲がどれくらいの長さなのか、また残りわずかなテープに最後まで録音できるかはわからない。
「では3曲続けてどうぞ!」なんてやられると、テープの残量からみて3曲目を断念するかどうかの判断は相当難しく、結局回転してどんどん薄くなってくるテープの残量を見つめながら「たのむここで終わってくれ」と神に祈るしかないのである。
で、ゲイリー・ムーアの場合やっぱりテープが足りず、尻切れ状態で録音されてしまった。

こういう尻切れ状態を嫌って、「切れてるくらいなら消してしまう」という人もいると思う。
自分は貧乏性なので、テープの最後に数分の空白ができるくらいなら「切れてもいいから入れたれ」という主義だった。
フェードアウトというワザもあるが、当時使っていた「ラテカセ」にはそんな高等な機能はなく、結果ほとんどのテープはA面もB面もぶつ切れ状態となった。
ちなみにシン・リジィも「Chinatown」という曲だけエアチェックしているのだが、これまた尻切れである。
この曲自体にゲイリー・ムーアが参加してるかどうかも知らない。

それでも気に入った曲が尻切れのままだとくやしいので、後日あらためて余裕のあるテープに録音し直すこともあったが、そもそもその曲がいつ再度オンエアされるかわからないので、あまりうまくいったことはない。
ゲイリー・ムーアの2曲はそんな追いかけ根性すらわかず、未だに尻切れのままである。

えーと説明が長くなりましたが、そういうことです。
切れちゃったまま放置してしまって、ファンの方には申し訳ありませんが、聴いた2曲については、特にいいとも悪いとも思わなかった。
ベックやペイジと違って、歌えるギタリストなのだが、声も好みというわけでもない。
これ以外に聴いた曲はなく、もちろんアルバムは1枚も聴いてない。

ネットでゲイリー・ムーアについて少し調べてみたら、けっこういろんな人と活動してるんですね。
グレン・ヒューズ、コージー・パウエルなどパープル・ファミリーとも縁が深いようだ。
本田美奈子ってのもあったが、どういう組み合わせなのだろうか・・

90年代後半だったと思うが、ゲイリーはジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーとユニット「BBM」を組みアルバムを発表した。
クリームのクラプトンがゲイリーに変わった、というグループである。
メンバーの名にひかれてHMVでふらふらと試聴はしてみたのだが、やはり好みの音ではなかった。
(もうどんな音だったか覚えていない・・)
確かBBMはこのアルバム1枚きりで終わってしまったはずである。

ゲイリー・ムーアって、雑誌やWebで見る写真では、笑顔が少なく、ムっとした顔が多いように思う。
まあゲイリーに限らずクラプトンやブライアン・フェリーなんかもそんなイメージですが。
なんとなく女性ファンというのは少なそうな気がするのですが、どうなんでしょう?
どこかのサイトに「チャウチャウを思わせる顔」って書いてあったなあ。
シン・リジィと言えばフィル・リノットもちょっと変わった顔してますけどね。

ゲイリー・ムーアと全然関係ないが、トム・ペティについては「シブイ」「でも女性ファンは少なそう」という勝手なイメージでおったのですが、実は女性が運営するファンサイト(日本語)もちゃんとあって、しかも結構な盛り上がりだったりして、非常に驚いたことがあります。
ロックは奥が深いね。

実際ゲイリー・ムーアというヒトは日本ではどういう評価なのか、全く想像がつかない。
聴いてないからムリもないが、「普通はみんな聴いてるだろ」というもんなのか、「ゲイリー・ムーア聴いてんの?変わってるね」という扱われ方なのか、これまた全然わかりません。

聴いたのがソロ2曲だけなので、なんとなくグループ時代のゲイリーを聴いてみたいと思っている。
シン・リジィやBBM以外にも所属していたグループはあるようですが、みなさまの評価、ぜひお聞かせください。


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コメント

この名前は昔からしってマスネ!シン・リジィにしても、なんとなく聞いてますが、積極的に聞いたことはありません。
ずっとこんなでしたが、数年前、細君がラジオを聞いていてCDがほしい曲があるといいだし、インターFMのサイトでしらべ、それが、ゲイリー・ムーアでした。そこで、ベスト盤、バラード&ブルースとかいうのを買いました。細君は気に入っているようです。自分は相変わらず、この手のブルースは苦手だし、バラードというにはメロディーがいまいち!自分には必要のない音楽のひとつです。ちなみに自分あギタリストがそんなに好きではありません。もちろん、著名なものはもっていますが、基本的にはヴォーカルであったり、バンドプレイがすきです。といった意味からもどうかなあ?この手の人は誰であれ苦手です。クラプトンも実は461オーシャンブルーバードだけが唯一の愛聴盤です。どうもSACDでマルチチャンネルがでそうです。これ購入しちゃうとレコードから数えて4枚目になっちゃうかな?!

投稿: マルチオーディオ | 2004.10.04 17:13

マルチオーディオさん、いつも早いコメントありがとうございます。

>自分には必要のない音楽のひとつです。
あー自分も結局はそういう評価ですね。
ミもフタもない言い方ですけど。

>基本的にはヴォーカルであったり、バンドプレイがすきです。

これもよくわかります。
世に著名なギタリストはたくさんいますが、バンドの中で各パートのチカラや才能がぶつかり合っている状態のほうが、やはりおもしろい作品になるんじゃないでしょうかね。
まあソロ作品であっても実態はバックバンドやセッションミュージシャンが参加してることがほとんどですが。

ゲイリー・ムーアの場合はどうなのかわかりませんが、自分はやはりクラプトンよりはクリーム、ペイジよりZEP、ポールよりビートルズ、というのが基本的な評価になってしまいます。
もう1回BBMをちゃんと聴いたほうがいいかなあ?

投稿: SYUNJI | 2004.10.04 22:41

 ども、はじめましてです。

 えっと、メタル畑では結構有名人なんですよね。特にソロ時代が。”アウト イン ザフィールズ”とか、”パリの散歩道”とかで・・・。売れ始めた時期が、シン・リジィからだから、皆ハードなのを期待してるのに、ブルースに行って、最後はドラムンベース。っていうので、ファンが多少引いてしまった感があったり。
 個人的にも、一番好みなのは80年代のロックな感じのだったりしますしね。確かに、マルチオーディオさんが言ってらっしゃるように歌メロにはあんまり魅力が無いですよね。やっぱ、こいつは先にギターありきなんじゃないかと思います。ソロとか、リフとか、インスト曲のメロディなんかは結構格好よかったりしますよ。
 思うに、なんとなく彼はジェフ・ベックの後追いになろうとしてベックが引退しないからなりきれないでいる。っていう感じがしてます。道の歩み方とか。ってことは、まだしばらくドラムンベースを続けるのかなぁ・・・。

投稿: imaginary_rain | 2004.10.05 16:51

SYUNJIさん、こんばんは。
ゲイリー・ムーア、全く聞いていません。
顔が怖いですが、実は非常にきまじめな人物だと聞いたことがあります。
確か、ドラッグやアルコールにも縁のない人だったと思うのです。

>>シン・リジィ
「やつらは街へ(でしたっけ? Boys Are Back In Town)」のバンド
ということしか知りません。原曲を一度聴いてみたいものです。
そういえば、クワ・ライでヒットした「Come On Feel The Noise」の
原曲はスレイドでしたっけ? これも原曲を聴いてみたいものです。

>>BBM
発売当時、何となく買ってしまったのです。1,2曲、思いっきりクリーム風
の曲があったのは覚えているのですが、ほとんど聞くことがなく、CD購入資金
捻出のため、中古屋に売ってしまいました。

>>「たのむここで終わってくれ」と神に祈るしかないのである
爆笑! そうなんですよ、エアチェッカーの悩みです。
私は特にライブものを録音していました。親切な番組は、23分×2くらいで
編集してくれるので(間にはコメントかCM)テープをひっくり返す
余裕がありましたが、たまにNHKで「ライブ完全放送、ノンストップで
100分間!」などと気合いの入った放送もあり、そんなときは泣く泣く
曲の途中でひっくりかえしました。
先日話題にあがりました、ジェフ・ベックの軽井沢ライブも、A面→B面
に曲がかかってしまいました。
もっと悲惨なのは、途中でテープが足りなくなるパターンです。つまり、
放送が長かったり、A面からひっくり返すのが早いと、最後に盛り上がる
一番いいところで、切れてしまいます。何度か泣きました(笑)。

マルチオーディオさん、
>>クラプトンも実は461オーシャンブルーバード
これは私も大好きな1枚です。私はデラックスエディション盤を購入
しようと思っています。
http://www.hmv.co.jp/Product/Detail.asp?sku=1796663

投稿: モンスリー | 2004.10.05 22:05

imaginary_rainさん、初めまして。
ドラムンベースですか・・ゲイリー・ムーアってそんなこともしてるんですね。(ドラムンベース自体あまりよくわかっていませんが)

この人のボーカルにいまいち魅力を感じないのは、声質によるところもあるような気がします。ちょいと太いですよね。
もう少しハイトーンかハスキーかどちらかだったら良かったかもしれません。

モンスリーさん、毎度です。
>「Come On Feel The Noise」の
>原曲はスレイドでしたっけ?

そうですね。これはだいぶ後に原曲を聴きました。
思ったよりクワライは原曲に近いですよ。
自分はケビン・ダブロウのヤケクソな声のほうが好きですが。

>たまにNHKで「ライブ完全放送、ノンストップで
>100分間!」などと気合いの入った放送もあり

自分はジャーニーの日本公演放送で確か同じ目に会いました。
なんとか曲間の歓声の合間にテープをいったん止め、死ぬほど急いで裏返し(オートリバースなんぞついてない)、さらに死ぬほど急いでテープを最初まで巻き戻し、そして次の曲の出だしに間に合わない・・・もう生きてるのがイヤになりましたね。

ラジオじゃないけど、クイーンの「ライブ・キラーズ」A・B面も、90分テープの片面に入らず、がっかりしたもんです。

投稿: SYUNJI | 2004.10.06 21:17

ゲイリームーアといえば「なきのギター」。
イングヴェイの速弾きに対し中身のある、味わい深いギターを奏でることで一目置かれていましたよね。
「Still got The Blues」以降、HMではなくブルースの世界に行ってしまったみたいですよね。
顔がいまいちなのでMTV向きの人じゃないですが、あと皆言ってますが声もいまいち。。なのであまり彼の歌が前面に出る曲は魅力を感じません。でも、ギターソロの「ザ・ロナー」とか「パリの散歩道」とかおなじみの「スティルゴットザブルース」なんかは、ゲイリーの声もはまっているし、名曲中の名曲なんじゃないかなぁ・・と思います。

投稿: ようこ | 2010.10.14 01:36

ようこさん、さらに古い記事にコメントありがとうございます。

>「Still got The Blues」以降、HMではなくブルースの世界に行ってしまったみたいですよね。

そのようですね。
ジャンルとしてブルース自体にあまり興味がわかないんで、ゲイリーを聴くこともなかったのが実状です・・

>顔がいまいちなのでMTV向きの人じゃないですが、あと皆言ってますが声もいまいち。。

確かにそうですねぇ。(って失礼ですけど)
記事にも書いたんですが、この人はメディアに登場する時に笑顔がほとんどないような・・

投稿: SYUNJI | 2010.10.16 00:27

ヤズーからの20年の時を越えてのコメントです。時をかける少女ならぬ、時をかける初老。

20年前にすでにゲイリー・ムーアを採り上げていたとは…生まれていないとはいえ(←ウソ)、心からお詫び申し上げます。

しかし、2曲…それも途中とはいけません!かくゆう私も特に好きというわけではないのですが、兄貴が所有しているほぼ全てのCDから盗み聞きして(?)、次の3曲を未だに健在なiPodで愛聴しています。…兄貴といってもその筋の関係者ではなく、2親等の実兄です。

“Back On The Street”(1978)
“Murder In The Skies”(1984)
“hiroshima”(1985)

ソ連に撃墜された大韓航空機撃墜の悲劇を歌った“Murder In The Skies”と、広島への原爆投下の怒りを歌った“hiroshima”。単なるテクニカルなギタリストではなく、社会への熱い眼差しを持った骨太なロッカー!イカス男です。

羽生結弦くんがオリンピックで使用した“パリの散歩道”を採り上げるのはいいけど、8月6日にガンガン“hiroshima”をかけまくれや!ヘタレのマスゴミがー!…失礼いたしました。ちょっと熱くなりました。

ゲイリーが結成した三流バンド、G-FORCEのチョーポップな“You”(1980)もおすすめです。あっ、グレッグ・レイクと共演した“Nuclear Attack”(1981)、本田美奈子さんに提供した
“the Cross -愛の十字架-”(1986)も捨てがたいっす。

どのアルバムがおススメかと問われたら…判りません。盗み聞きで好きな曲だけをピックアップしていますので。でも、2曲…それも途中というよりはかなりマシでしょ?

SYUNJIさんには、是非ともゲイリー・ムーアに再チャレンジしていただきたい、と20年の時を越えて心から切に願います。

投稿: えふまる | 2024.12.12 22:19

えふまるさん、20年前の記事にコメントいただき恐縮です。
しかし自分も20年前から適当なことばかり書いてますね・・
この1年後にシン・リジィは1枚聴いたんですけど、ゲイリー・ムーアは結局放置したままです・・
http://kotodama.air-nifty.com/essay/2005/10/post_19a5.html

>“Back On The Street”(1978)

これ「冬の散歩道」が収録されてるんですね。
フィル・リノットのボーカル曲もあるんで、聴けそうな気がしてきました。(本当か?)

>“Murder In The Skies”(1984)
>“hiroshima”(1985)

>ソ連に撃墜された大韓航空機撃墜の悲劇を歌った“Murder In The Skies”と、広島への原爆投下の怒りを歌った“hiroshima”。

そういうテーマだったんですね。
ご指摘のとおり、思ったよりも社会派なミュージシャンのようですね。知らなかった・・

>ゲイリーが結成した三流バンド、G-FORCEのチョーポップな“You”(1980)もおすすめです。あっ、グレッグ・レイクと共演した“Nuclear Attack”(1981)、本田美奈子さんに提供した
“the Cross -愛の十字架-”(1986)も捨てがたいっす。

すごいな、なんかバラエティに富んでますね。
想像以上に間口の広いギタリストのようですね・・
パープル・ファミリーの人たちとの共演が多いことはなんとなく知ってましたが・・グレッグ・レイクとも共演してたんですね。

ご指導ありがとうございます。
20年間ほったらかしでしたが、おすすめのアルバムから学習してみようかと思います。

投稿: SYUNJI | 2024.12.13 18:27

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