聴いてない 第34回 J・ガイルズ・バンド
少し意表をつく題材ですが、聴いているようでやはり聴いてないJ・ガイルズ・バンド。
「聴いてないシリーズ」、もう自分でも展開が読めません。すんません。
聴いてない度は3か4というあたり。
80年代に流行ったシングルを数曲とベスト盤のみを聴いてます。
最初にエアチェックしたのは「One Last Kiss」で、79年頃である。
他「Come Back」「Centerfold」「Fright Night」などをエアチェックしている。
「Centerfold」(邦題「墜ちた天使」)はつい最近もCM(確かビールか発泡酒)に使われていたので、聴いたことがある人も多いだろう。
「Centerfold」の収録されたアルバム「Freeze Flame」は日本でも大ヒットし、姉が貸しレコード屋で借りてきた。
「姉ちゃんどうだった?」「・・・なんか頭痛い」
どうやら姉の好みの音ではなかったらしい。
自分も一応テープにダビングしたのだが、あまり聴かないうちに消去。
数年後ベスト盤を借りてダビングし、これは今でもたまに聴いている。
J・ガイルズ・バンドも位置づけが難しい。
デビューは70年代初めだそうだが、デビュー当時からきちんと追ってきたという人はむしろ少数派ではないかと思う。
「世界最強のB級ライブバンド」などといったよくわからない評価があるようですけど。
知ってる曲はいくらもないが、「One Last Kiss」「Come Back」といったパンクとブルースを混ぜたような音よりも、「Centerfold」「Freeze Flame」などのガヤガヤした曲のほうが楽しそうだ。
どの曲もそう悪くはないんですけどね。
70年代から聴いてきた人にとっては、「Centerfold」のようなチャラチャラした曲はむしろ厳しい評価かもしれない。
このバンドの生命線はボーカルのピーター・ウルフにあったことだけは間違いなさそうである。
ピーターはDJあがりだそうだが、メンバーの中でも客をノせるテクニックやパフォーマンスにたけていたらしい。
83年頃ライブでの「ダンス天国」をエアチェックしたことがあるが、この中でピーターは「Everybody,help me!」と客に呼びかけてサビの「ナ~ナナナナ~」を大合唱させている。
で、バンドが売れてモメ事が起こり、ピーターは脱退。
その後サントラ「Fright Night」を最後にバンドは解散。
ちなみに「Fright Night」は映画もB級ホラーだそうだ。
脱退後のピーターのソロ「Can't Get Started」1曲だけ聴いたことがある。
この人の声は少しミック・ジャガーに似ている。
バンド名にもなっているJ・ガイルズは、実はリーダーでもなんでもなく、バンド名をつける時に適当に決まったものらしい。
「おかげでオレだけ税金がやたら高いんだ。リーダーでもないのに」というJ・ガイルズのグチをミュージックライフで読んだことがある。
こういう中学生のフザケあいみたいなノリもなかなかおもしろい話だ。
エアロスミスのように徹底した(しかも継続中)B級バンドというわけでもなく、ガンズのような派手なエピソードもなさそうな、微妙なB級バンドといったところだろうか。ファンの方には申し訳ありませんが。
音楽性は相当異なるのだろうが、自分のイメージとしては「ちょっとワルの集まったハートブレイカーズ」という印象である。
自分はトム・ペティはマジメな人だと感じるんですよ。
でもなんとなくJ・ガイルズ・バンドとハートブレイカーズは似ている気がするのだ。
「ボーカルがあまり歌がうまくない」というのは共通点かもね。
ちなみにトム・ペティのほうはJ・ガイルズ・バンドよりは聴いてます。
というわけで、正直どうしていいかわかんない状態のJ・ガイルズ・バンド。
もし聴くとしたら、70年代のブルース色が濃いと言われるあたりのアルバムを試してみようかと思います。
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コメント
もう、長いこと聞いていませんが、一枚もってます。それはGeilsという名前でだしたMonkey Island - 1977です。どんなだったかもう記憶は薄いです。ただ、このころ"Live" Blow Your Face Out - 1976をFMで聞いて新譜ってことでMonkey Island を買った覚えがあります。なんでかなあ?ブルースって苦手なんだけどこのアルバムはポップだった気もします。当時は日本のTinPanAlley系とムーンライダース、サンセットギャングとか聞いてたし、洋楽はオールマンとか、ライクーダー、リトルフィートとか、それと76年にファニアオールスターズを横浜野音でみたばっかりで、サルサとかいわゆるトロピカル系もかなりきいてたなあ!そんな中でなぜ、ガイルズ買ったのかなぞです。まあ、その後ホール&オーツの赤い断層、Xスタティックへの流れでいけば自然かも??
80年代、ベストヒットUSAでかかったFreeze Flameは許しがたい曲です。もう永久に聞かないとおもいました。
でもピーターウルフって奥さんフェイダナウェイなんだよね!
うらやましい!
投稿: マルチオーディオ | 2004.09.07 18:39
マルチオーディオさん、コメント感謝です。
>80年代、ベストヒットUSAでかかったFreeze Flameは
>許しがたい曲です。もう永久に聞かないとおもいました。
ありゃ、厳しい評価ですね。
自分はこのあたりのがちゃがちゃした音も嫌いじゃないですけど。「Centerfold」もそうですが、ややコミックバンド的なノリですよね。
>でもピーターウルフって奥さんフェイダナウェイなんだよね!
これも知りませんでした。「タワーリング・インフェルノ」に出てた人ですよね。(古い・・)
ネットで調べたら、もう離婚してるそうですが・・
投稿: SYUNJI | 2004.09.07 23:15
SYUNJI
フェイダナウェイ情報ありがとうございました。
自分はこのまえチャイナタウンをBSでみました。
「タワーリング・インフェルノ」でのポールニューマンの奥さん役、あのエレベーターの閉まるシーンの表情忘れられません!チャイナタウンはポランスキーのレイモンドチャンドラーへのオマージュですが、フェイダナウェイはファムファタール的魅力にあふれています。いまや、LAコンフィンデンシャルのキムベイジンガーのほうが色っぽいかな!?細野晴臣のはらいその中でのファムファタールという曲はチャイナタウンでのフェイダナウェイをイメージしているそうです。
投稿: マルチオーディオ | 2004.09.08 11:01
SYUNJIさん、こんばんは。
Jガイルズバンド、実は中学生の時に名前だけ知っておりました。
理由は、FMレコパル?のミュージシャンのバイオグラフィーを描く
マンガで取り上げられていたからです。「堕ちた天使」で
やっとこさ華咲いたとか、
>>実はリーダーでもなんでもなく、
>>バンド名をつける時に適当に決まったものらしい
このエピソードも紹介されていました。ピーター・ウルフを全面に
出したバンド名の方がよかった、と悩む場面もあったような気が。
私も、ずっと後に「堕ちた天使」だけを聞いただけです。90年代の
FM雑誌や音楽誌ではとうとう「一発屋」の扱いでした。
>>パンクとブルースを混ぜたような音
>>チャラチャラした曲はむしろ厳しい評価
なるほど~、そんな音楽性を持っているのですか。
私は、「堕ちた天使」での優れたポップ性はいいなあと思っていました。
底抜けに明るく、いかにもアメリカンロックという感じがします。
>>つい最近もCM(確かビールか発泡酒)に使われていたので
これなんですが、恐らくトキオが露骨にぱくった曲ではないでしょうか。
「乾杯ラガーッ!」のかけ声が入るやつなんですが???
投稿: モンスリー | 2004.09.12 22:05
モンスリー様、コメント感謝です。
>私も、ずっと後に「堕ちた天使」だけを聞いただけです。
>90年代のFM雑誌や音楽誌ではとうとう「一発屋」の扱いでした。
うーむ・・
聴いてない自分でも、その扱いは不満ですねえ。
少なくとも一発屋ではないんですけど。
アルバム「Freeze Flame」までに10年以上のキャリアがあるはずですがね。
で、CMの件、調べてみました。
http://www.suntory.co.jp/enjoy/cm/log/br44.html
サントリーの発泡酒「炭濾過 純生」でした。
J.ガイルズ・バンドの音がそのまま使われたはずです。
2年くらい前からオンエアされ、その後木村佳乃と加藤浩次のバージョンに変わり、今は山口智子が出ているようです。
TOKIOの出ていたCMはキリンですね。
投稿: SYUNJI | 2004.09.14 16:39
SYUNJIさん、こんばんは~。
TB、そしてたくさんの熱いコメントどもでした♪
いや~、SYUNJIさんの熱い想いで私まで影響受けちゃって80年代ものを引っ張り出して聴いてしまいましたよ(笑)。
いいものはいいんですよね!ふふふ。
で、J.ガイルズ・バンドに関してはまだまだ勉強不足ですのでこれからまた聴いていかねば!と思いました。
ここにくるとたくさん勉強させてもらい、感謝感謝です。
ではまた80年代で盛り上がりましょうね~♪
投稿: 祥 | 2005.03.09 22:03
祥さん、こんばんは。
いやー自分も80年代バカなんで、そっちの話題に特化してBLOGでもやりゃいいとも思ったんで、少し文章書いてみたんですけど、いまいちおもしろくないんですよ、中身が。
バカなせいもあるんですけど、どこかで見たような内容ばかりになってしまい、「これじゃあ誰も読んでくれんなぁ・・」と思って、始めたのが「聴いてない」シリーズでした。
(もっとバカな企画ですけど)
なのでよそのBLOGで80年代の話題が出ると、つい反応したくなるんですよ。
これからも80年代、ふっていただければかけつけますんで・・・
投稿: SYUNJI | 2005.03.09 23:02
Jガイルズ・バンドを1970年代より聞いている53歳のオッサンです。アトランテック時代は、レーベル・カラーのブルース色がありましたが、EMIアメリカに移籍した後にあの大ヒット曲をリリースします。正直、あの大ヒットにはびっくりしました。このバンドにはシングル・ヒットなんぞ無縁だと思っていましたからね。アトランテック時代にベストを除き9枚もリリースしています。そのうち2枚がライブ・アルバムです。奴らがいかにライブ中心のバンドだったかがわかります。そしてアルバム・チャートでは1973年リリース‘ブラッドショット’が10位、シングルにいたっては1974年リリース‘Must of got lost’が12位でありましたからね。
まあEMI時代もそれなりポップで良いのです。永遠のB級ロック・バンドは永久にB級のままで良いのですよ。
なんてね。53歳のオッサンのたわごとでした。
投稿: 塩田 克太郎 | 2006.12.31 14:22
塩田さん、初めまして。
こんな辺境BLOGの、しかも2年以上も前のエントリにコメントいただいてありがとうございました。
>アトランテック時代にベストを除き9枚もリリースしています。そのうち2枚がライブ・アルバムです。
>奴らがいかにライブ中心のバンドだったかがわかります。
なるほど。
J.ガイルズ・バンドってレコード会社を変わってから音楽性も変わったようですね。
自分は売れてからの80年代の彼らしか知らないので、機会があれば70年代のアルバムも聴いてみようかと思っていたのですが、結局未だに聴いていません。
まずはスタジオ盤から試してみようと思います。
ごらんのとおり聴いてないアーチストを100組も紹介している間抜けなBLOGですが、J.ガイルズ以外でもお好きなアーチストについてご指導いただければと思います。
投稿: SYUNJI | 2006.12.31 23:42