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聴いてない 第30回 スティング

聴いてないシリーズもいよいよ30回目ということで、節目にふさわしいアーチストをご用意させていただきます。
その名はスティング。
いつものパターンだと、「ポリス時代も含めて全然聴いてません」となるところだが、そうはいかないのだ。
聴いてないのはもちろんソロになってからである。
ポリスのアルバムは全部聴いているし、日本公演も見に行ったのである。

ポリスについては、以前書いた文章がこのBLOGのの方にあるので、そちらを見ていただくとして、問題はソロになってからである。
ソロとして最初のアルバム「ブルータートルの夢」は一応聴きましたよ。
しかしアプローチはあくまでポリスファンとしてである。
悪くはなかったが、ポリスの音とはやはり違っていた。

自分が好きなのは、パンク・レゲエ・スカの要素を採り入れた尖った音を出していた頃のポリスである。
パンクやレゲエ自体が好きなわけではないのだが、ポリスのアルバムではファーストが一番好きである。
「Next To You」「It's Alright For You」なんてのはかなり尖ったシングルだし、日本公演でラストナンバーだった「So Lonely」も捨てがたい。
またヒットしたシングル以外でも、「Peanuts」「Born In A Fifty」「Be My Girl - Sally」あたりがよい。

アルバムリリースを重ねるごとにポリスの音楽性は多様化していったが、スティングのソロはどれとも違っていたと思う。
ジャズに傾倒していったという話だが、ジャズも聴かないのでどこがジャズっぽいのかよくわからなかった。
いずれにしても「ブルータートル」の中にパンク色を漂わせる曲はなかった。
自分にとってはこれが非常に物足りなかったのだ。

その後もソロアルバムを出し続けたスティング。
その間ポリスは一向に再結成される気配がない。
ソロアルバムが出る度に再結成が遠ざかる気がして、勝手にがっかりしていた。
実際再結成は未だにされていない。
世間ではそれなりに評価され、「Englishman In New York」などもヒットしたし、シーガイアのCMに使われた曲もあった。

なんとかポリスの片鱗だけでも感じ取れないかと、わずかな期待をもって「Nothing Like The Sun」「The Soul Cages」などのソロアルバムを引き続き聴いてみたが、やはりダメだった。
アンディとスチュアートがいないとポリスではないのだ。

結局90年代以降はとうとうアルバムも聴かなくなった。
新盤リリースのニュースを見ても何も思わなくなってしまい、すっかりなじみの薄いアーチストになってしまった。
「あー新しいの出てんのね。ふーん」くらいの感想で、聴こうとも思わない。
かつて本物を生で日本武道館で見たことがあるのに、だ。

友人にポリスからソロまで抵抗なく聴き続けてきたヤツがいるが、そいつはジャズも守備範囲なので、受け入れは容易だったと話していた。
偏向している自分には、スティングは残念ながらムリだと思った。

ポリスはオリジナルアルバムはたった5枚のバンドで、活動期間は10年以下である。
5枚の中でも多少路線変更はあったのだが、その後のスティングの活動からすると、なぜポリスではパンク・レゲエをやっていたのか、けっこう不思議だ。
3人のうちの誰かの意向だったのか、レコード会社や事務所の戦略だったのかよくわからないが、スティング本人はポリスやってて楽しかったのかなあ。

というわけで未だに昔のポリスに思いをはせながら、ほぼ絶望的な再結成をいつまでもぐじぐじと待ちわびて、結局スティングは聴いてない自分である。
あっ、書いてて思い出した。
スティング名義じゃないが、ダイアー・ストレイツの「Money For Nothing」は良かったスね。


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コメント

SYUNJIさん、こんばんは。
「Money For Nothing」は最高ですね! ダイアー・ストレイツ
は聴いていませんが(^^;)。
ダブルで聴いていないのが、ポリスとスティングです。
私が洋楽を聴き始めたときはポリス全盛、その後はスティング
全盛で、リアルタイムではあるのですが。

ポリスは「シンクロニシティ」を持っています。が、そこまで
なんです。聞き所をつかむことができず、「「見つめていたい」
よりタイトル曲の方がスリリングでかっこいい」という感想を
持って、そこで終わりでした。申し訳ないです。
うーん、80年代エレクトロポップのようでもあるし、ブリティッシュ
ロックばりばりのようでもあるし、難しかったです。
ちなみに公式ライブ盤も持っていますが、これはすぐにライブ盤
に手を出す悪い癖で買ってしまいました。disc1、2ともに
「So Lonly」が最後でしたね。これはかっこよかったです。

で、スティングですが、産業ロックばかり聴いていた私に、
1stソロからのシングル曲「Set Them Free」は難しすぎました。

>>ジャズも聴かないのでどこがジャズっぽいのかよくわからなかった
全くその通りでした。

>>スティングのソロはどれとも違っていたと思う。
そのようですね。実は妻がファンで、特に暗いアルバム「ソウルケージ」
や、最近の「Brand New Day」などを気に入っているようです。

>>なんとかポリスの片鱗だけでも感じ取れないかと
最近ではライブ盤では「見つめていたい」も演奏してはいますが、
(ここでちょっと聴いてみました・・・・)
さすがよい曲で、よい演奏です。ソウルフルでもあります。
が、恐らくSYUNJIさんの思い入れのあるポリスの演奏ではありません。

ところでポリスのライブを見に行かれたとか。これはすごいことの
ようですよ! 

投稿: モンスリー | 2004.08.07 22:06

こんにちは!
スティングですか!やはりポリスとは別ものですよね!
自分としては、その音楽がすごい好きっていうのじゃないけど、映画での使われ方とかすごくいいじゃないですか!というのと最近の2枚はSACDがでてます。もちろん、ポリスも何枚かでていて!これがすごくいいんですよ!そういうわけで、新譜は買うことにしてます。サラウンド向きなんですよね!サウンドが!うまくいえませんが、これからもすごく好きな音楽にはならないかもしれないけど、買い続けるアーティストだと思います。

投稿: マルチオーディオ | 2004.08.09 13:24

みなさまコメントありがとうございます。
スティングの評価が高いのは悪い気はしないのですが、もう少し長くポリスを続けて欲しかったですねえ。

ポリスのライブはあまり深く考えずに見に行きましたが、結局最後の日本公演となったようです。

モンスリーさん、未聴であればぜひファースト・セカンドをお勧めします。尖ってますよ。

投稿: SYUNJI | 2004.08.11 23:18

こんばんは。
なぜスティングのソロにそんなに魅かれないのか考えたんですが、SYUNJIさんの「シーガイア」の一言でなんとなくわかりました。
CMに出たり、ドラマ「アリーMyラヴ」に出たり、映画「砂の惑星」に出たり、と、彼にミュージシャン以外の「芸能人」としての臭いを感じてしまうからです!って、音楽関係ないし。
でもシーガイアはまずかったと思いますよ。

投稿: カナ | 2005.08.02 03:22

カナさん、毎度お世話になっております。
自分はシーガイア以前からすでにスティングはイマイチだったのですが、彼の音楽以外の活動にも興味は全然わきませんでした。
CM以降シーガイアもあまり繁盛しなかったみたいだし。

で、ポリス時代のスティングと言えば、髪の毛の逆立ったパンクなヘアスタイルもトレードマークだったのですが、日本公演の時のスティングはなぜか金髪をきれいに分けて登場し、「あれ?」と思ったことを覚えています。

投稿: SYUNJI | 2005.08.03 23:32

こんにちは。
この度は当方にコメントありがとうございました。スティング・・・私もなんとなくですが、ポリス時代との違いは感じていて、あれ?と思ったものです。当時ヒットしていた曲も個人的には、そんなにいいかなこれ?と感じる部分もあり、ポリスの方が耳に馴染んでいた感触があります。好みの問題なのか、聴き込んでいないからなのか?まだ答えが出ておりません(汗)

投稿: REALLIFE | 2005.09.24 09:24

REALLIFEさん、こちらこそコメント感謝です。

スティングもソロになってからのキャリアのほうが圧倒的に長くなってしまい、もはや「元ポリス」という枕詞もつかないようになってしまいましたね。
年々遠のく再結成の可能性に、最近はほとんどあきらめており、むしろこのまま思い出としてそっとしておいてほしい・・などと考えるようになってしまいました・・

投稿: SYUNJI | 2005.09.24 22:32

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原題は「The Very Best Of STING & THE POLICE」です。ポリスは有名ですし、決して80年代に限定されたバンドではないのですが、個人的に80年代の方が良く分かるという理由で80年代洋楽にさせてもらいました。 このプロモーション・ビデオ集は、ポリスそしてスティング(ソロ)からの選曲で成り立っているベスト盤です。私はその全てを知っているわけではありませんが、ここに入っている曲目の�... [続きを読む]

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