箸と説得力
先日日テレの「バンキシャ!」という番組で、早稲田実業初等部のいわゆるお受験がとりあげられた。
寄付金350万円を学校側が親にあからさまにもちかけたとか、あの話である。
大して興味もない話題だったので、ぼんやり画面をながめていた。
番組では実際の受験問題を出演者に体験してもらうという展開になった。
皿に入ったビーズのようなものを、制限時間内に箸を使って別の皿に移すという、なんだかTVチャンピオンみたいな問題である。
菊川怜は大騒ぎしながらもなんとか移し終えた。
ゲストの2人はうまくできなかったようだった。
「ワセダもくだらないことさせるなあ・・」と思いながら見ていたが、あることに気がついた。
ゲストの桐島洋子の箸の持ち方が、明らかにおかしいのだ。
要するにヘタクソな持ち方の見本なのである。
あれじゃあビーズなんか掴めるはずもない。
制限時間が来て、福沢アナが「どうですか?桐島さん」とコメントを求めた。
桐島洋子は「ワタシは指で掴むやり方で評価したいですねえ」というようなコメントを返した。
意味不明だ。全然コメントにチカラがなかった。
桐島洋子は明らかに動揺しているように見えた。
彼女は「実は箸をうまく使えない」ことを自覚しているに違いなかった。
菊川怜は「こんなのやって何になるんですかねえ?手先の器用さを見るんですか?」などと言い、テストの意図がわからないようだった。
妻は画面を見ながら言った。
「あれは手先の器用さを見るんじゃなくて、親がきちんとしつけているかどうかを見るんだよ」
その通りである。
時間内に全てのビーズを移し終えるかどうかは、あまり重要ではない。
きちんと箸が使えているかどうか、親がそれを子供に教えているかどうか、そこがテストのポイントなのだ。
桐島洋子がどういう人なのか、あまりよく知らない。
が、評論家・ジャーナリストといった紹介のされ方で通っている人物のはずだ。
ましてや今回の番組でとりあげられる話題は教育問題であり、だからこそ局側は桐島洋子を呼んだのである。
桐島洋子自身も出演する以前に当然わかっていたはずだ。
その映像の前後をきちんと見ていなかったので、今回の放映での桐島洋子の役割はよくわからない。
が、教育問題を評論する場面において、その評論家が箸も満足に使えないとは・・・
どんな考えをお持ちの方かは知らないけど、どれだけ高尚な意見を述べても、この箸の持ち方で説得力は半分以下になってしまうような気がした。
特別な事情でもない限り、箸の持ち方がおかしい場合は、矯正すべきだと思っている。
「食えりゃいいじゃん」「個人の自由でしょ」は言い訳である。
正しい持ち方でなければ箸として機能しないし、落としたりこぼしたりで食べ物を粗末にすることになる。
何より美しくない。
「親のしつけがなってない」のは理由のひとつだが、それは子供の話。
大人になっても正しく持てない場合、それは本人の問題である。
「直そうとする意志がない」だけだ。
かくいう自分も、実は中学生のころ矯正したクチである。
我が家はどうも親が無関心だったらしく、姉は未だに桐島洋子型だ。
自分の場合は、友人が見かねて矯正したのだ。
それまでは桐島洋子よりもずうっとヘタクソな持ち方だったのだが、一週間くらいで案外簡単に矯正できた。
そう、「正しい持ち方」は「最も使いやすい持ち方」でもあるのだ。(当然ですね)
その気になればどんな年齢の人でも、矯正は可能だと思う。
桐島先生、今からでも全然遅くありません。
今すぐ正しい持ち方に直した方がいいですよ。
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コメント
こんにちは。箸の持ち方ですか。実は先日の焼きそば会議でもそれをじっと見ていました。お二人とも変な持ちかたしていなくて良かったです。
どんな持ちかたしていてもいいんですが、確実に頭が悪く見えます。この記事荒れるかな。(どきどき)
ちなみに私も矯正した口で、今でも時折指がつります。
投稿: ぷくちゃん | 2007.11.23 09:05
こんな朝早くから、誰?
全日本箸の持ち方矯正強制委員会静岡支部副会長?
・・・先輩、こんな昔の記事に突然コメントいただいてありがとうございます。
書いたことすら忘れてました・・
>実は先日の焼きそば会議でもそれをじっと見ていました。
いやあ、いつどこで誰のチェックがあるかわかりませんね。
よかった・・変な持ち方でなくて。
では合格証をルドルフさんとあたしに送って下さい。
チープ・トリックの「at Budokan」を実体験した姉もすでに40代後半ですが、未だに箸の持ち方はデタラメで、里芋の煮っ転がしなんか永久につかめないと思います。
投稿: SYUNJI | 2007.11.23 10:41
箸の持ち方は普通だと自認しているJTです。
>親がきちんとしつけているかどうかを見るんだよ
おお、そうなんですね。全く判りませんでした。
するどいですね。
鉛筆の持ち方は大人になってから強制矯正(パクリ!)しましたが、急いで書くときは昔に戻ってしまう事が多いので、人の目を気にしています(苦笑)。
投稿: JT | 2007.11.24 19:08
人差指と中指で挟む、、。
しかし、子供の頃は人差指と中指で抑える持ち方でした。
たまに昔の癖が出てしまいます。
でも、とてつもなく変な持ちかたで食べる人を見て、、良く食べることが出来るなと感心?したりしますが、やはり美しくは無いですね。
後自分、魚をきれいに食べると良く言われます。
魚をほじくって終わり、、の人が多いようですね。
投稿: だいまつ | 2007.11.24 19:34
JTさんまで、こんな昔の記事にコメント感謝です。
どこでチェックされるかわからない箸の持ち方。
最近鉛筆を持つことも少なくなったので、正しい持ち方も思い出せなくなってる可能性ありです・・
ちょっとネットで検索したら、良いサイトが見つかりました。
http://www.tcn.zaq.ne.jp/777/hashi.html
この持ち方番号で言うと、桐島センセイは3dだったと思います。(ウチの姉もそう)
こりゃあ全然美しくないですね。
早く誰かが矯正してあげないと。
だいまつ親分、こんばんは。
>良く食べることが出来るなと感心?したりしますが、やはり美しくは無いですね。
自分も矯正前はそれはそれはひどい持ち方で、友人から同じセリフ「よくそれで食えるなぁ」を何度も言われました。
ある日見かねた友人が「こう持つんだ!!きぃー!!」と強制矯正。(しつこい)
今ではその友人に感謝しています。
なのでヘタクソな持ち方で焼きそば食って鯖粉なんかかけてるヤツがいたら、どんどん矯正してやりゃあいいんじゃないでしょうか。
おせっかいでしょうけど、きっと後で感謝されるはずです。
投稿: SYUNJI | 2007.11.24 21:29
昔の記事にコメントしよう!同好会のぷくちゃんと言います。
ふふふ、私がコメントしただけアクセス10000増加。(←大げさ)
この次はブロガーが実筆で、「誰が本当は字が下手なのか選手権!」を行ないたいと思います。箸の持ち方以上に知性が問われる字の上手、下手。
うきゃー!SYUNJIに見下されるのはいやじゃあ!ところで「マザー・シップ」にコメントくれませんね。「あれ」はコメント強要の意味だったのですが・・・
投稿: ぷくちゃん | 2007.11.24 23:21
箸の持ち方は至ってノーマルのルドルフです。
鉛筆やペンの持ち方もノーマルではあるんですが、
> 「誰が本当は字が下手なのか選手権!」を行ないたいと思います。
うげーっ、
やめましょうよ、これだけは!(←なぜかあせっている)
SYUNJIさんも、おっさん(←師匠から大幅格下げ)の言動にのせられないよう気をつけてね。まちがっても、記事にしないよう!
投稿: ルドルフ | 2007.11.25 09:17
ふふふ、ルドルフさんの好きな「やっさん」に近づいたおっさんです。
実は書道6段です。(←自慢)他の人がコメントの多さに気がついて、こちらにもっとコメントが来ないか楽しみです。
さあ「字の下手な人選手権」はじまりです。ぷぴょうろぴわー(←富士宮で買った角笛の音)
投稿: ぷくちゃん | 2007.11.25 09:25
昔のカタイ内容の記事が、みなさまのゆるやかなコメントのおかげですっかりソフトな雰囲気になってるのを見て、「BLOGっていいな」と思ってるSYUNJIです。(でまかせ)
単に先輩が書道六段を自慢したいだけでは・・
字は全然自信ないですね。
先輩がご自身のBLOGで選手権を開催されるでしょうから、あたくしは静観いたします。
箸の持ち方に級や段が設定されたらいいですね。
和食の店では箸使い初段でないと食べられないメニューがあるとか・・
投稿: SYUNJI | 2007.11.25 10:24
>単に先輩が書道六段を自慢したいだけでは・・
SYUNJIさん、こんにちは。今日は暇なのでネットの前でお仕事です。
実は書道のうまさと字のうまさは比例しません。長い期間書道をやっていれば、それなりの段になってしまうのです。
さて箸の正しい持ち方サイトでチェックしました。実はあそこまで言い切っていながら、自分が間違った持ち方をしているのかドキドキでした。まあ概ね当っているような・・・見た目は当っているようだから良しとします。
投稿: ぷくちゃん | 2007.11.25 16:17
ぷく先輩、連休でお疲れのところコメント感謝です。
>長い期間書道をやっていれば、それなりの段になってしまうのです。
ええ~??
そうなんですか?
厳しい検定試験をくぐり抜けた者だけが段位を獲得できるものと思っていましたが・・
六段から五段に降格なんてことはあるんでしょうか?
ちなみにあたしが芸能人で箸の持ち方がおかしいと感じるのは、大食いデブキャラであちこち食い歩いている「Iちゃん」です。
個人的にはコンビでコントやってた頃から好きなタレントなのですが、あの持ち方でグルメ番組は良くないよなぁ・・といつも思います。
桐島センセイとともに矯正の道のりをドキュメンタリー番組として企画できないものかと真剣に思います。(←偉そう)
投稿: SYUNJI | 2007.11.25 17:54