聴いてない 第9回 ニルヴァーナ
ということで、バンド名の意味も売れた理由もよくわからないニルヴァーナ。
訳すと涅槃。もっとわかんねえ。
沖雅也のおかげで仏教用語がワイドショー用語になってしまったが、正しい意味を理解している日本人は少ないと思います。
80年代にロック界はすっかり多様化し、象徴的なアーチストもいないまま90年代に突入。
ニルヴァーナは90年代初めに登場し、ほんの数年しか活動していないにも関わらず、「90年代を代表する」という形容詞がついてまわる、不思議なバンドである。
正確にはリアルタイムで「聴いてみた」です。
アルバム「Nevermind」は当時日本でも売れていて、聴く前からジャケットは印象的だと感じてはいた。
当時FMラジオからのエアチェックはもうやめており、代わりにMTVなどでPVをビデオに録画し、その音声をカセットテープにダビングという変なことをしていた。
で、ある日ニルヴァーナの曲に出会ったのである。
それは一番売れた「Smells Like Teen Spirit」ではなく「Come As You Are」という曲だった。
ジャケットの絵柄から、楽しいコミックバンドかさわやか系を想像していたのだが、全く違う音だった。
「なんか変な曲だなあ」というのが感想。
リズムも音程も抑揚がないし、サビがどこだかわからないような曲だった。
自分の感想とは反比例するように、その後も「Nevermind」は売れ続けた。
知り合いの女性がCDを貸してくれた。
とりあえず全曲聴いたが、なんかこれまでのロックとは違う。
アコースティックな曲もあるが、バラードではない。
楽しい音があまりないアルバムだった。
なんでこんなのが売れてるんだ?
雑誌などでニルヴァーナは「グランジ」「オルタナ」などという言葉で紹介されていた。
意味もよくわからないうちに、ファッションなどにもこれが台頭し、大きなムーブメントになっていった。
「まあアメリカも病んでるから、マニアが聴いてるんだろ」くらいにしか考えてなかったのだが、自分の周りにニルヴァーナを気に入って聴き始めた人(しかも若い女性)が数人現れたのにはホントに驚いた。
ニルヴァーナを聴いたのはそれだけである。
CDからダビングしたカセットも消してしまった。
MTVからエアチェックした2~3曲だけが残っている。
その後カート・コバーンは自殺し、バンドは解散。
あまりにもそのままの展開である。
だからといって聴き直す気にはならなかったが。
よく考えるととても不思議だ。
個性的ではあるが、反体制・怒りといったロックの骨格を全然踏襲せず、退廃・やる気なし・破滅といった音や歌詞を殺伐と表現して、しかもそれが大ブレイク。
個人の好みの問題なんで、正直どうでもいいことなのだが、「感動」「楽しみ」などと無縁とも思われるこの人達の音楽が、なんでこんなに支持されたのか、未だにナゾだ。
・・・・ニルヴァーナ聴いていた方、楽しかったスか?
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