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エアチェックの夜 24

第24回 ラジオ 2002.1.21


POPS96 1995.4.29

I Need Your Love/Boston
Lucky One/Amy Grant
Up Where We Belong/Joe Cocker
Aja/Steely Dan
You Better Wait/Steve Perry
Weekend Love/Queen Latifah
With Every Wish/Bruce Springsteen
Herald Angels Sing/Mariah Carey
Everybody's Talkin' /Harry Nilsson
Love Will Keep Us Alive/Eagles
Be My Baby/Vanessa Paradis
Hope Of Deliverance/Paul McCartney
Can't Stop Lovin' You/Van Halen
Desparado/Eagles


ラジオには深夜が似合う。
父親にラジオを買ってもらったのは小学2年生の頃だ。
寝る前に聴くことをしてみた。
真っ暗な部屋でラジオのスイッチだけが光り、沢田研二の「魅せられた夜」がかかっていたことを憶えている。

初めて自分の意志で番組を選んでラジオを聴くようになったのは、1974年、小学4年生の頃である。
「欽ちゃんのドンといってみよう」(欽ドン)をクラスで何人か聴いているヤツがいて、話題についていきたくなったのだ。

欽ドンは関東ではニッポン放送、月曜から金曜の毎晩夜9時35分頃だった。
多少放送時間がブレることがあり、ナイター中継が長引くと中止になったりしたことがあったように思う。
10分番組で、スポンサーは集英社。
当時少年ジャンプを愛読していたこともあって、余計に親近感がわいたもんである。

日替わりでテーマが設定され、全国から寄せられたショートコントのハガキを欽ちゃんが読む。
ウケたレベルで「ノンノ賞」「プレイボーイ賞」「明星賞」などの賞が与えられ、高レベルな作品には「ジャンプ賞」。(これも愛読少年としてはうれしかった)
言うまでもなく、集英社の雑誌名が賞になっていた。
(ただしジャンプ賞以外の各賞の上下関係は不明。誰か覚えてませんか?)
番組の最後に最優秀賞である「欽ドン賞」が発表される。

今でこそ完全に市民権を得てはいるが、「ペンネーム」「キャッチフレーズ」なんて言葉を、この番組から仕入れたヤツは案外多いはずだ。
まあ全国のガキどもに人気があったのだろう、本も出ていたし、その後テレビ番組にもなった。
数あるシリーズの中でも、水曜の「レコード大作戦」が好きだった。

その後、これをきっかけに様々なラジオ番組を聴くことになっていった。
テレビも好きだったが、ラジオの孤独な雰囲気も好きだったのだ。

それ以来高校生のころまで聴いていたAMラジオ番組は、全てニッポン放送系列のものだ。
家ではなぜか文化放送の受信状況が悪く、TBSやラジオ関東(現ラジオ日本)には面白いと思える番組がなかった。
思い出すままに番組名をあげてみます。(時系列はバラバラである)

・日本沈没(月~金9:00~9:10)
小松左京原作のベストセラー小説のラジオドラマ。
あまり長くはなかったが、この後テレビドラマにもなった。
当時小学生だったため、内容はあまりよく理解できなかった。
実は見栄で聴いていたのだ。

・あおい君と佐藤クン(月~金0:00~0:10)
あおい輝彦と佐藤公彦のトーク番組。 
これはかなり長寿番組だったはず。
その後サザンの「桑田君と関口クン」に変わった。

・北炭生のたむたむたいむ(月~金0:10~0:30)
北炭生は「きたずみ・せい」と読む。フォーク歌手である。
このヒトの前は「かぜ耕士のたむたむたいむ」だったのだが、かぜ時代はほとんど聴いていない。
(3歳上の姉はかぜ時代のファンだった)
結局かぜ耕士ほどの人気が出ず、長続きはしなかったようだ。
ただこの番組はかなりまじめに聴いていた。最終回もきっちり聴いた記憶がある。
「30秒発言」という、青年の主張みたいなコーナーがあった。
名曲である古井戸の「さなえちゃん」はこの番組で初めて聴いた。
北炭生サン、今何してるんでしょうか。

・瀬戸龍介のひとりごと(月~金0:10~0:20)
たむたむたいむ終了後、改編でこの番組になった。
素朴な語りがいい雰囲気だったのだが、いまいちクラ目であまり長続きしなかった(と思う。その後永井龍雲に変わった)。

・ベンガル・エルの夜のおふれあい(月~金0:20~0:30)
東京乾電池のベンガルと大橋エリ子の番組。
これもたむたむたいむが無くなった後の番組である。
多少惰性で聴いていたこともあって、あまり記憶にないが・・

・コッキー・ポップ(月~金0:30~1:00)
さらに惰性で大石吾郎の「コッキー・ポップ」を聴いていた。
主にフォーク系の若い歌手中心の音楽番組である。
オープニングに「黙っていては友だちになれない。叫ばなければ消え去ってしまう」というセリフ(くさい)があった。
30分番組なんだけど、最後まで聴いたことはほとんどない。
たいがい途中で寝てしまい、気が付くとオールナイト・ニッポンになっていた。

・オールナイトニッポン(月~土1:00~3:00)
言わずと知れた人気番組。火曜の所ジョージ・水曜のタモリをよく聴いていた。
逆に中島みゆきや松山千春はどうにもなじめず、ほとんど聴かなかった。

・全日空ミュージックスカイホリデー(日曜23:00~0:00)
ソラマメさんこと滝良子の音楽番組。
スポンサーが全日空だったこともあって、オープニングを「テイクオフ」、エンディングを「ナイスランディング」などと呼ぶ、なかなかセンスのある番組だった。
どちらかというと女性向けの番組で、ロックは少なかったが、フォークからシャンソンまで、幅広い音楽を紹介。
オフコースやシャンソンの金子由香利の曲がよくかかった。

AMは流して聴くもの、FMは曲を集めるためのものだった。
FMで音楽をエアチェックするようになってからも、AMをそれなりに楽しんで聴いた。
FMのようにポーズボタンに神経を集中させるようなこともなく、用途を分けてリラックスして聴いていた。


イーグルスは、自分にとって実はほとんどリアルタイムではないバンドである。
初めて聴いたのは言わずと知れた名曲「Hotel Carfornia」、たぶんAMラジオである。
まだ洋楽に目覚める前のことだったが、ヒットしている曲であることは知っていた。
それだけAMでも頻繁にかかっていたのだろう。

だが自分がエアチェックを始めた79年頃、彼らはアルバム「Long Run」を発表し、その後解散してしまう。
当然チャートには新曲も登場しない。
80年代にはドン・ヘンリーやグレン・フライのソロが時々チャートインし、エアチェックもしたが、特に元イーグルスとして意識したこともなかった。
自分にとっては「昔のバンド」という位置づけになってしまった。

知名度や作品の評価については、今さら言うまでもないスーパーグループだ。
全作品をきちんと聴いたわけではないが、メンバーの顔が見えるグループといった印象が強い。
ドンとグレンの2人が核となっていたのは確かだが、ほぼ全員がボーカルのとれるバンドで、それぞれヒット曲を持っている。

1994年、ほぼ15年ぶりに突然彼らは再結成し、アルバム「Hell Freezes Over」を発表する。
ちょうど自分がエアチェックに夢中になっていた間、イーグルスは休止していたことになる。
アルバムは新曲4曲にライブ11曲という構成だが、賛否両論あるようだ。
全新曲としてかつてのファンをがっかりさせるようなリスクを回避し、また単に昔のヒット曲をそのまま収録せず、ライブとして納めている。
これはなかなかうまいやり方だと思う。
大ヒット曲「Hotel Carfornia」も、ここでは当時流行のアンプラグド調のアレンジになっている。
このアルバム発表後、日本公演も行われた。
自分もこのアルバムは気に入っている。(珍しく買いました)

イーグルスの活動と自分のエアチェックがちょうどシンクロせず、有名なわりにはなじみの薄いバンドとなってしまったことは少し残念である。
後からどんなに過去の作品を掘り起こして聴いても、リアルタイムでチャートを追ったバンドとは、自分の中ではなかなか同じ扱いにはならないのである。
FMラジオは、そこまで自分にとって大きな意味を持つ道具だったのだ。


15年ぶりの復活に、ファンの心境も複雑なようです。
ただ美しいハーモニーは15年前と変わりません。
イーグルスで、「Love Will Keep Us Alive」。


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コメント

 こんにちは。はじめまして。
【ベンガル・エルの夜のおふれあい】検索で着きました。
このフルワードで出てくるサイトやブログはとても希少ですね。
私は、この番組が大好きでした。今でもラジオ・テレビ等から
ビージーズの『愛はきらめきの中に』が流れてくると
ちょっと思春期…中二病患者だった頃を思い出して顔が赤らみます。

投稿: 銀の字 | 2010.11.22 20:26

銀の字さん、初めまして。
こんな古い記事にコメントありがとうございます。

>【ベンガル・エルの夜のおふれあい】検索で着きました。

そうでしたか・・
すいません、実際あまりマジメに聴いていたわけではないので、大したことは書いてませんが・・
記事にも書いたとおり、「たむたむたいむ」が終わってしまったのでそのまま習慣で聴いていました。
なんかベンガルとエルが毎回コントのような掛け合いをやっていたような記憶があるんですが、合ってますかね?

投稿: SYUNJI | 2010.11.23 23:15

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受信: 2004.12.01 20:12

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