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エアチェックの夜 7

第7回 カルチャー・クラブ 2001.4.15


POPS21 1983.5.8

Fall In Love/Earth,Wind & Fire
Orainae/George Harrison
Billie Jean/Michael Jackson
One On One/Daryl Hall & John Oates
Mr. Robot/Styx
Do You Really Want To Hurt Me/Culture Club
Change Of Heart/Tom Petty & The Heartbreakers
The Other Guy/Little River Band
Be Good Johnny/Men At Work
Cool Places/Sparks
Cry Boy Cry/Blue Zoo
Little Too Late/Pat Benatar
High Life/Modern Romance
Too Shy/Kajagoogoo
Land Of 1000 Dances/J. Geils Band
Family Man/Daryl Hall & John Oates


自分は実は人と話すのが苦手である。
いわゆる人見知りというヤツだ。
自分を知っている人にきけば、「意外だ」という意見と「その通り」という意見が分かれるはずだ。
一般的にも、相手によって話す態度が異なることは、それほど珍しいことではないだろう。
ただ自分の場合、それがかなり極端なのである。

「誰とでも仲良くなれる」「初対面でも緊張しない」といったことは、自分には全く当てはまらない。
しかし決して人間嫌いではなく、また話すことが嫌いなわけでもない。
むしろ孤独に対しては敏感であり、周囲の自分に対する評価や印象は気にする方だ。
相手が確実に話しやすい人間であることがわかると、かなり饒舌になってしまうことがある。
ただしこういうことはあまり多くない。
わかりにくい性格である。

初対面の場合、まず相手が何者なのかを判断してから接触するのが自分のパターンだ。
相手のことをよく知らない場合、趣味で判断することが多いと思う。
好きな音楽、ひいきの球団、乗っているクルマなど、そいつを判断するのに材料となるのが「趣味」ということだ。
互いに洋楽が好きとわかり、それがきっかけで友人となったこともある。
これも一般的にはよくある話だろう。

学生時代、この性格の難しさに若さも手伝って、周囲からかなり奇異に見られていたと思う。
高校では学級委員のようなことをしていたのだが、受験や家の事情でのイライラもあって、かなり独善的にクラス運営を進めていた。
運営というと大げさだが、クラスの行事や席替えなんかの決定を、ほとんど独断で進めていたのだった。
当然多くの女子生徒から反発もあり、一時孤立したような状態になったことがある。
本当はみんなから「愛される学級委員」でありたかったのだが、かなり意固地になっていたため、事態は一向に改善しなかった。

理解してくれる友人もいたが、それは自分の「饒舌で人を笑わすのが好きな性格」を「見せている」相手に限ったことで、大半の同級生にとっては、「いつも怒っているイヤなヤツ」としか映らなかったはずである。
今もこの性格は対して変わっていないが、さすがにそれだけでやっていけるほど日本の社会は甘くはない。あまりにも単純な話だが、自分も若い頃はただの「Angry Young Man」だったのだ。

さて、このころ登場したバンドにカルチャー・クラブがある。
ボーカルのボーイ・ジョージの中性的キャラクターのイメージが先行し、イロモノバンドのように扱われることも多いが、音楽的センスとしては秀逸なベースを持っていたと思う。
レゲエやダンス・ミュージックを土台としたサウンドや、また準メンバーのヘレン・テリーのコーラスなどはけっこう気にいっていた。
どちらかというと女性に人気があり、今で言う「ビジュアル系」「プロモ・ビデオ」のハシリだった存在が、カルチャー・クラブなのだ。

そしてこのころから洋楽界は映像を加えた売り方が台頭してくるようになる。
それがプロモーション・ビデオである。
かなり以前からプロモ・ビデオはあったが、単純に演奏風景を撮したものや、口パクの「歌う天気予報」的なものが多かった。
しかし82年頃から、ストーリーを持った映像や、特撮によってアーチストや曲を演出した映像が作られるようになった。マイケル・ジャクソンの「スリラー」もこの年の作品である。

話は高校の頃に戻る。
相変わらず「怒れる若者」だった自分と、クラスのある女子生徒は、カルチャー・クラブをきっかけに氷解することになるのだ。
ボーイのファンだった彼女は、下敷きにボーイの切り抜きを入れて使っていた。
たまたまそばを通りかかった自分が、それを見て何気なく「あ、ボーイ・ジョージだ」と口にしたのだ。
彼女は自分の顔を見上げ、「カルチャー・クラブなんか知ってるんだ・・」と、とても驚いた様子だった。やはりそんな音楽を聴くようには見えなかったらしい。
それまでお互いほとんど口をきくこともなかったが、自分がカルチャー・クラブを聴くことを知ってから、彼女はおだやかな対応をしてくれるようになった。

それからまもなく高校も卒業し、結局大半の女子生徒からは奇異な目で見られたままだったと思う。
しかしボーイのファンだった彼女は、卒業後もたまに街中で会ったりした時には、笑顔で話しかけてくれたりした。

今でも人見知りする性格は変わることはない。
また音楽も、他人に理解されるために聴いているわけではない。
しかし、音楽が自分を理解してもらえる要素であるなら、これからも誇りを持って聴いていくつもりだ。
取っつきにくいと思っていた相手との距離を、一気に縮めるだけの力を、音楽は持っている。
こんな性格の自分にとっては、やはりなくてはならないものなのだ。


今日は少し変わったバンドの紹介です。
イギリスから登場した、中性的ボーカルが印象的な、カルチャー・クラブのデビュー曲、
「Do You Really Want To Hurt Me(君は完璧さ)」。


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コメント

SYUNJI兄さん、TBどうもでした♪
ゴメンネ、ゴメンネ。先にTBしようと思っていたのになかなかカルチャー・クラブの記事を見つけられなくて連絡遅くなっちゃいました。
いや~、さすがです。カルチャー・クラブといえばSYUNJI兄さん。好きでありながらクールな語り口。的確な分析。うう~ん、あたしにはマネできん。つーか、もっと冷静になれよ、自分!とすら思ったりしました。
あたし兄さんのその性格、素敵だと思うわよ。
洋楽・邦楽…一体何が好きなのか自分でもわからなくなってきてるあたしですけどこれからもどうぞよろしく。じゃ、次はデュラン・デュランで(笑)。

投稿: | 2005.05.29 09:03

いやー、祥お嬢、わざわざコメントすいません。
カルチャー・クラブと聞いてつい過剰に反応してしまいました。

しかし自分の文章、4年前とはいえなんちゅうカタさ・・・おまえは青年の主張かっつうの。
以前友人のサイトに連載してたものなので、あまりくだけた文章もまずいかなと思って、このシリーズは全般的にカタイです。
ちなみにデュランの巻はない。(笑)
デュラン、一応聴いてはいますよ。
メンバーも全員知ってるし、デビュー当時からリアルタイムです。
ただそれほどファンというわけではなかったですね。
お嬢のエントリ、楽しみです。

投稿: SYUNJI | 2005.05.29 17:56

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受信: 2005.05.29 03:09

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